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エコツーリズムに取り組む地域への支援

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平成23年度エコツーリズム推進アドバイザー派遣事業

報告会

アドバイザー派遣事業を通じて行われた取組を多くの方々に共有するため、事業報告会を開催しました。

本報告会では、アドバイザー派遣を活用して取組を行った2地域、現地に赴いていただいた3名のアドバイザーから、地域の取組や課題、アドバイザー派遣を通じて目指したことなどを報告していただきました。

会場
主催 環境省 (業務委託先 財団法人日本交通公社)
日時 2012年3月27日(火)13:30〜17:30
会場 大手町サンスカイルーム D会議室
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル27階
参加費 無料
関連資料 パンフレット  PDFファイル[418KB]  新規ウィンドウで開きます

環境省によるエコツーリズム推進方策について

環境省自然環境局総務課自然ふれあい推進室 室長補佐 田邉 仁

田邉仁氏
  • エコツーリズム推進アドバイザー派遣事業は、本来的には、地域の課題を解決するためのアドバイスを行うことだが、それとともに、経験豊富なアドバイザー派遣を介して、各地の情報が共有できることが効果の1つと考えている。
  • 今回の報告会で各地の状況やアドバイザーのノウハウを共有していただきたい。
  • 今後もこういう機会をつくっていきたいので、ディスカッションの時間では、みなさんからのご意見をいただければと考えている。
  • 環境省では、エコツーリズムに取り組む地域等への3つの支援事業を引き続き用意しているので活用していただきたい。

地域からの報告:北海道南富良野での取り組み

NPO法人南富良野まちづくり観光協会 理事 小林 茂雄 氏

小林茂雄氏
  • 南富良野町は、北海道の真中、富良野の少し南、人口は2,800人、高齢化率が高い。主産業は農業。
  • 富良野とトマムの中間にあるが、町内には宿泊施設は非常に少なく、観光客は通過型の観光客が多い。
  • 「南富良野まちづくり観光協会」は、観光とまちづくりを目的に、平成19年にNPO法人として発足。
  • 25年前からアウトドア観光が盛んに。南富良野はアウトドア環境に恵まれた地域。夏はカヌー、ラフティング、キャンプ、冬は犬ぞり体験、パウダースキー、わかさぎ釣り等、年中アウトドア体験ができ、年間2.5万人〜3万人が体験している。
  • 南富良野町在住のプロガイドは約30名、家族も含めると80名で、人口の3%がアウトドア関連の仕事で生活している。
  • 恵まれたアウトドア環境ゆえ、町外からも多くのアウトドア業者が訪れているが、町内における経済効果も薄く、ルール(イトウの保護など)やモラル(ゴミ、トイレ、ガイドの模倣など)が重視されない現状もあり、これでいいのかと考えている。ガイドの中年化、流出も地域に影響を及ぼしている。
  • こうした状況を踏まえた次なる一手として、使い勝手の良い「大いなるB級自然」資源とA級の自然資源(極相の森、イトウ、砂金掘り、エゾシカの季節移動など)の組み合わせ、ガイドの再教育による質の向上、研究人材の活用などを考えている。
  • 本アドバイザー派遣事業では、(財)日本交通公社の寺崎氏から、ガイドの解説により森の価値を伝えることができることや、問題点の解決には時間をかけながら地域全体の合意形成とルール作りが重要であるなどの貴重なアドバイスをいただいた。
  • 今後は南富良野エコツーリズム推進に向けて、エコツーリズム推進協議会設立の準備とは町内アウトドア体験事業者の結束と行政などとの連携へ向けた取り組みを実施する予定である。
  • 南富良野の未来へ向けて、地域と自然は地域で護り利用してゆくものと捉え、地域の自然から雇用を創出し、地域と自然を子孫へ、未来へと伝えていきたい。

地域からの報告:西表島での取り組み

NPO法人西表島エコツーリズム協会 事務局 徳岡 春美 氏

徳岡春美氏
  • 西表島は、沖縄本島から南西430km、県内で2番目に大きい島。亜熱帯、島嶼気候で、独自の生態系に恵まれている。人口約2,300人。主な産業は農業、畜産、観光など。
  • 西表島には年間約25万人(平成23年)の観光客が訪れているが減少傾向にあり、日帰り客が多い。
  • マングローブなどの亜熱帯植物、亜熱帯林と滝などの地形、希少生物、サンゴや海洋生物などの自然資源があり、祭事や民族芸能、染物や民具などの文化資源がある。また集落ごとの結束が強い。
  • 西表島エコツーリズム協会は、日本で最初のエコツーリズム協会として平成8年に発足、22年にNPO法人化。海岸清掃、リーフチェック、モニタリング、観察会・講演会、ガイド養成講座、観光客向けエコツアー・プログラムなど、環境保全、環境教育、文化継承(手業講習会等)、エコツーリズムに係る活動を行っている。
  • 平成23年11月に、古くからの自然に育まれた暮らしのなかで西表島の住民が継承してきた伝統文化の発表などをした「島人(しまぴとぅ)文化祭」を開催。協会の認知度を高めることができ、当協会の活動方針や内容の見直しの引き金となった。
  • 西表島の代表的なエコツアーとして「ピナイサーラの滝」へカヌーで向かうツアーがあるが、夏は100を超えるカヌーが滝へ向かって漕ぐような状況でありオーバーユースの恐れがある。
  • エコツーリズム協会の認知度は十分でなく、エコツーリズムセンターが地域住民に十分に活用されていない、エコツーリズム推進者が20年前とあまり変わらない。
  • 本アドバイザー派遣事業では、江崎貴久氏による講演と、ワークショップを行った。その中で、目的や理念(100年度の西表島のビジョン)の皆で描きあった。また、おもてなしの心を受け継いでいく大切さや、島の暮らしの幸せのために観光を手段として取り入れていく考え方について、アドバイスをいただいた。
  • 参加者からは、色々な立場の人の声が聞けた、参加者の思いに共通点があることに気付いた、ビジョンの共有ができた、などの感想があった。

アドバイザーからの報告:兵庫県宍粟市での取り組み

(財)尾瀬保護財団 企画課 主任 安類 智仁 氏

安類智仁氏
  • 普段は、尾瀬にあるビジターセンターに勤務しており、顧客ニーズ調査や環境調査、ガイド制度の認定、講演等を行っている。
  • 派遣地域の兵庫県宍粟市(しそうし)に感じた特徴は、林業や製鉄業で栄えた「森林王国」、市内を流れる引原川をもち植林活動などが積極的に行われている「水源地」、全国シェア6〜7割を占める「揖保の糸」の産地、農業体験、カヌー、キャンプなどを提供する「環境学習市」の4点。
  • 本アドバイザー派遣事業では、市内の主要な観光施設である観光りんご園、音水湖(おんずいこ)、道の駅・みなみ波賀、フォレストステーション波賀などを案内していただきアドバイスを行った。
  • それぞれに課題があり、滞在時間の短さ(道の駅)、体験プログラムの未開発や地物(揖保の糸、ジビエ料理、リンゴやブルーベリー等)を使った食の開発、おもてなしの充実化(フォレスト)などに課題があると感じた。
  • 印象に残ったのは、市役所の方が「宍粟市には目玉になる資源がない」と言っていたこと。もう1つは「地域ならではの意見の不一致がある」と言っていたこと。
  • 宍粟市を通り抜けるのには1時間45分。これをいかに伸ばすか。まずは、1つ1つの場所で滞在時間を延ばす工夫、魅力アップをすること。それから、播州戸倉スキー場や千種高原スキー場へのパーク&ライドを道の駅「みなみ波賀」で実施するといった工夫も考えられる。
  • 宍粟市と「揖保の糸」が全然結び付いていない。地域で連携して、揖保の糸イコール宍粟市というブランドを創り、点でお客を読んで、面で広げていく工夫が必要。
  • エコツアーはガイド、調査研究、保全活動や利用ルールの三者が連携しないと成り立たない。結びつける仕組みづくりが必要であり、市役所の役割が期待される。
  • なんでも連携すれば良いというものではないが、ノウハウや得意分野を持っている施設経営者や体験プログラム実施者に、それぞれの主義主張ではなく、得意分野を持ち寄っていただき、何ができるのかを考えていくことがまずは重要ではないか。

アドバイザーからの報告:静岡県静岡市での取り組み

文教大学 国際学部 准教授 海津 ゆりえ 氏

海津ゆりえ氏
  • エコツーリズムを専門に大学で教えており、NPO法人エコツーリズム協会理事を務めている。色々な地域のエコツーリズムを体験してきた。
  • 過去3年のアドバイザー派遣事業では、兵庫県養父市、岐阜県土岐市・恵那市へ往訪した。
●兵庫県養父市(*平成21-22年度)
  • 養父市では、近年のスキー人口減少、過疎・高齢化の中、新たな取組としてエコツーリズム、グリーン・ツーリズムに取り組んでいる。アドバイザー派遣の1年目は、ハチ高原観光協会の若手を中心に商品開発の仕方、推進体制の作り方への助言がほしいとのことで、事例の紹介を行うと共に、改革意識のある若手の意欲を汲んでもらえるように組織に伝える、といったことを行った。2年目は若手を含む市全体に対し、地域主体での宝探しの進め方やリピーターを生む商品開発の進め方についてアドバイスを行った。現在は若手を中心に少しずつ動き出しているようだ。
●岐阜県土岐市・恵那市(*平成22年度)
  • 棚田、酒、陶器の担い手を結んだ「STK研究会」という民間の若手による集まりが、個人と個人の繋がりで何かを興していきたいということで、アドバイザー派遣では、それぞれの旬がいつなのかをカレンダーに落とし込みながら結び付けてプログラムを創っていくこと、それとともに事務局の組織化を試行してみてはどうか、といったアドバイスを行った。
●静岡県静岡市(井川地区 *本年度)
  • 井川地区は、南アルプス山麓の奥まったところにあり、非常に遠くへ来た印象を受ける。井川地区のエコツーリズムは、奥大井・南アルプスマウンテンパーク構想終了後に設立した「井川エコツーリズム推進協議会」と、古道の復元・利用を進めるグループ「大日倶楽部」がある。
  • 井川地域でのエコツーリズムの取組としては、井川エコツーリズム推進協議会が、井川少年自然の家の利用者に対して自然体験を提供しており、平成22年度利用者が700名程度である。この他、大日倶楽部(だいにちくらぶ)では、古道を使ったウォーキングプログラムを行っており、集客が課題とのことであった。
  • 井川でのおもてなしとして、山を登る方々に有名な駅併設の「やまびこ食堂」の女性がいつもおでんをたきながら迎えてくれることが良い雰囲気であると感じる。
  • 井川の楽しみ方としては(路上考現学的視点から)中学生の手書き地図、牛乳箱、ミツバチの巣などや、地元がこの地域の「売り」として良く理解しているシイタケや雑穀、自家用の茶畑、井川名物のメンパ、てしゃまんくなど、日常に溶け込んだ面白さがある。
  • 井川の地域資源の豊かさへの認識をもつこと、交通条件が不利だという発想を転換すること、井川らしいエコツーリズムの推進として、教育を取り込むことや、祭りを活用したエコツーリズムの実施などがあるのではないか。
  • 3年間のアドバイザー派遣の経験を踏まえると、地域が構造的に抱える課題とエコツーリズムへのニーズが直結していることや、コミュニティを離れた存在として、外と内をつなぐ中間的立場(行政・NGO)の役割の重要性が見えてきた。
  • 今後、エコツーリズムに取り組む地域では、宝探しの実施と継続、エコツーリズムに求めるビジョンの共有、事務局の確保が重要であると感じた。
  • またアドバイスを行う側にあっては、地域課題の的確な把握、類似課題を持つ地域間連携の推進、複数人によるアドバイジングの実践が重要であると感じた。

アドバイザーからの報告:岐阜県下呂市、岩手県二戸市、沖縄県南大東村での取り組み

京都嵯峨芸術大学 芸術学部 観光デザイン学科 教授 真板 昭夫 氏

真板昭夫氏
●沖縄県南大東村
  • 沖縄県南大東村は、豊かな自然の中で「島まるごとミュージアム」をコンセプトにエコツーリズムの推進に取り組んでいる。
  • 宝探しを通じて、サトウキビの収穫前と後の風景のギャップの大きさ、港と陸に高低差があるため人も荷物もクレーンで運搬すること、独自の食文化など色々な魅力が見えてきている。その中で、食を目玉に、島の女性たちと「食の宝のフェノロジーカレンダー」作成を始め、それをベースに「うふあがり御膳」を創った。
  • 宿泊が非常に弱いという中、外食型の宿泊施設を地元と一緒に作っている。
  • 幅広い人材による組織として、南大東村観光推進協議会が立ち上がり、エコツーリズムセンターの運営を行うこととなった。島の観光推進の核としての意識や体制を整えつつある。
  • 南大東村の食は、人、自然、分化の各分野の宝を集めた成果であることから、食で表現することの重要性を提案した。食を支える女性の力による活性化に期待。
  • 今後はエコツーリズム・プロデューサー機能の育成が大きな課題。戦跡などの歴史文化や固有種などの調査を行う調査ボランティアツアーなどの仕組みも必要。
●岐阜県下呂市
  • 下呂市では、市観光計画会議での講演の他、萩原、小坂、金山、馬瀬で作られた様々なツアーを見ながら、今後の展開を話し合ってきた。
  • 講演では、マスツーリズムとエコツーリズムの両立は可能かという話で、未だにそういった考えの人がいることに驚いたが、地域の誇りを探しだしてそれをどう持続的に保全しながら利用していくかという仕組みづくりがエコツーリズムであって、そこにお客さんの多い少ないは関係なく、マスとエコは対立しないという話をした。
  • 金山地区での研修では、「金山巨石群」では、お客様が飽きないようなガイドの説明の必要性、「筋骨めぐり」では地域の疲弊にならないようガイド料金を徴収すること、「光の体験ツアー」は料金の値上げによる商品の質向上をアドバイスした。
  • 小坂・馬瀬地区での研修では「小坂の滝めぐり」、「がんだてビアガーデン」などの商品はほぼ完成しており、今後は新たな観光素材(商品)を連携させるランドオペレーター(コーディネーター)の必要性、「小坂の滝めぐり」はガイド1人に対して\○○円というよりも、お客様1人\○○円の方が良いことをアドバイスした。
  • 下呂・萩原地区での研修では「まちあるき天領朝市」では、人情の街である萩原らしさが溢れ出る取り組みの必要性、ガイドスキル向上、ヒューマンタッチなガイドの育成、下呂温泉とタイアップできる協力体制構築の必要性などをアドバイスした。
  • 旅行者のニーズが変わってきた中で資源の深堀と繋げた形でのストーリー作り、全市でのフェノロジーカレンダー作りが課題。ランドオペレーターの育成が急務。
●岩手県二戸市
  • 平成4年から「宝探し」をはじめ、現在も継続中。里地里山など身近な自然、地域の産業や生活文化を活用した、保全活動実践型のエコツーリズムに取り組んでいる。
  • 本アドバイザー派遣事業では、全国エコツーリズム大会の検証、二戸市の観光戦略についての会議においてアドバイスを行った。
  • 稲庭岳雪遊び体験ツアーにも参加。ぎばって足沢70の会、えのみの会、よりゃんせ金田一、浄門の里づくり協議会などのエコツアー団体との意見交換を行った。
  • 全国エコツーリズム大会の検証では、地区のエコツアー団体、ガイド団体は活動に対する手応えと自信を新たにした。今後向上的に実施していく仕組みづくりが課題。
  • 市の観光戦略については、基盤づくり、着地型観光受け入れ体制づくり、ブランドの育成の3つのステップごとに、それぞれ目標を設定し、仕組み(組織体制づくり、人材育成)、仕掛け(着地型プログラム開発、物産開発)、仕切り(マネジメント)についての取組課題を提案した。
  • 今後は、エコツーリズム推進体制の起ち上げ、ガイドスキルの向上、市全体のフェノロジーカレンダーの作成と共有化、エコツーリズムプロデューサーの育成が課題である。

ディスカッション

パネリスト
  • 環境省自然環境局総務課自然ふれあい推進室 室長補佐 田邉 仁
  • NPO法人南富良野まちづくり観光協会 理事 小林 茂雄氏
  • NPO法人西表島エコツーリズム協会 事務局 徳岡 春美氏
  • (財)尾瀬保護財団 企画課 主任 安類 智仁氏
  • 文教大学 国際学部 准教授 海津 ゆりえ氏
  • 京都嵯峨芸術大学 芸術学部 観光デザイン学科 教授 真板 昭夫氏
司会
  • 財団法人日本交通公社 観光調査部長 寺崎 竜雄
ディスカッション
会場参加者
  • エコツーリズムはまちづくりと同じだと考えるが、何をするにも難しいなかで、地域の団体をまとめるためのアドバイスをいただきたい。
小林氏
  • 南富良野市は人口減少にともない団体の会議も整理してきた。NPO法人南富良野まちづくり観光協会の設立にあたっては、あて職の参加はやめて、やる気のある人を一本釣りで取り込んだ。
徳岡氏
  • 連携するには、人と人との心のつながりを大切にする、「ギブ&ギブ」の関係が大切。
安類氏
  • 尾瀬保護財団はガイドに呼び掛けて2年ほど調整役を担当した。当初は意見調整が難航したが、参加者から「お客さんは何を求めているか知っていますか?」との問いに誰も答えられず、そこから同じ方向へ向かっていくようになった。
  • 当財団の立ち上げにあたり、助成金に頼らず、ガイドの年会費で運営する恒久的な仕組みを作ったことも大きい。
海津氏
  • 養父市では、若手が恐る恐る声を上げ始めたのを年配者がききもらさず、周囲を説得しながら「彼ががんばってるんだからやろうじゃないか」という機運をつくった点が大きい。
  • 地域の人には「いろいろな人」がいるが、それを具体化することが大切。二戸市では地域の人たちを誰ももらさないように地域づくりに参加していただくことを目標に取り組んできたことが20年続いた理由だろう。
  • 茅ヶ崎では、お祭りを非常に多く開催するが、お祭りをやると人が出てこざるを得ないため、顔を合わせる機会をつくっている部分があり、緩やかな連帯が生まれると思う。
真板氏
  • 地域の一員であることを認識するためには、地域で誇れる具体的なものの存在を認識する作業が大切。宝探しにより価値観を共有化することができる。
  • また持続化も大事であり、そのためには牽引する組織が不可欠である。そして2年ごとに具体的目標と成果を設定し、成果を発表する場を設けることが重要である。
田邉氏
  • そうした場を仕組みとして作るため、エコツーリズム推進法に協議会という組織を位置付けている。こうした制度面での支援をしていきたい。最大限活用していただければと思う。
会場参加者
  • 南富良野市では、町内業者と町外業者の調和はどうしようと考えているか教えていいただきたい。またエコツーリズム推進法の活用方法はあるのか。
小林氏
  • 南富良野市では、町外業者が町内業者を下請け的に使い始めるようになり、町内業者がさまざまな弊害を被るようになった。
  • 今後は、町有林巨木ツアーの場所へは、町内業者だけが入ることができる、あるいは町内の研究者と一緒でしか入れない、といったような仕組み(観光の鎖国化)も考えている。
真板氏
  • 鎖国化と言えば、京丹後市(美山町)にある京大の演習林への入山は、美山のガイドのみ可能にしている。
  • あるいは、認定制度などの仕組みによって差別化していくことしかないだろう。その場合条例に位置付けたりチェック機構が必要だったりと行政との連携が欠かせない。
安類氏
  • 尾瀬では認定がなくてもガイドはできるが、尾瀬保護財団認定ガイドは土地勘、満足感などの実力で勝っており、結局お客さんによるガイドの選択が内外を分けている。そのためのガイドのスキルアップも図っている。
田邉氏
  • エコツーリズム推進法では、町外業者の立ち入りを制限できるような"鎖国化"は考えていない。同法の目的は、資源を守りながら持続していくことに加えて地域の振興である。ガイドの資格・認定については、今後の課題かもしれない。
会場参加者
  • アドバイザー派遣事業をもっと充実していただきたい。これまでも国の補助事業を活用した子どもたちの受け入れや、川や山の清掃活動を実施してきたが、行政も地域もしっかりとした気持ちにならないと本物にはならない。エコツアーによって地域の文化、歴史、古道などが見直され、観光客が来てお金を落としてくれることで限界集落の活性化が期待できる。動き始めたらしっかりやっていく必要がある。
会場参加者
  • これまで下呂市では温泉地が中心で周辺には光が当たってこなかった。今回のアドバイザー派遣では、お客様目線で何があるかなどの貴重アドバイスをいただいた。これからは行政としてしくみをつくっていきたい。
会場参加者
  • 宍粟市では、こんなにたくさんの資源があることをわかっていなかった。来年度は引き続き研究会を立ち上げるので、今後ともアドバイザーによるアドバイスをお願いしたい。
司会
  • このディスカッションは結論を出す場ではないので、それぞれに参考になることを信じて、みなさんが行動の中心となって活動を持続していくこを確認できれば本会の意義があったと思う。
  • 最後に、御登壇いただいたみなさんに感謝したいと思います。みなさんどうもありがとうございました。

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