人にも地球にも、もっとやさしい住まいの実現を目指して、建材や設備も進化しています。
窓からの熱の出入りが大きい原因は、フレームに使われているアルミが熱を伝えやすい性質をもっているから。そこで、熱が伝わりにくい樹脂素材を使った「樹脂窓」が登場。ガラス部分も、2枚または3枚のガラスの間に空気やガスの層をつくり、より熱を伝えにくくしている。
樹脂窓は、寒さの厳しいドイツなどヨーロッパでは広く普及しており、日本でも新築住宅では採用される場合が多くなっている。特にリビングなどでは、大きくて開放感のある窓の人気が高く、最近では、住宅の外側はスタイリッシュなアルミ、内側は断熱性の高い樹脂でできたアルミ樹脂複合窓を選ぶ住宅も増えてきている。
高断熱窓は、一般的な引き違いタイプだけでなく、形や開閉方法のバリエーションも充実。断熱性能だけでなく、防火や防犯機能を備えたものも開発されている。住まいの省エネルギー化には、日光や風などを上手に利用することもポイント。用途に合わせて窓を選び、快適な暮らしをかなえよう。
※各ガラスの熱的性能値(熱貫流率)を関連JISなどに基づきYKK AP(株)で算出
太陽光発電などにより自宅で作った電力のうち余った分は、蓄電池のない住宅では電力会社へ売電するが、蓄電システムのある住宅では直接蓄電池に蓄えて必要な時に利用することもできる。電力会社から電力の購入をできるだけ抑えられるだけでなく、停電時にも電力を使用することが可能だ。
大きな自然災害が多発している近年、太陽光発電や蓄電池を備えた住宅は、その防災・減災力にも注目が高まっている。気象警報が発令されると自動的に充電が開始されるものや、家全体の電力使用量をバックアップできる大容量のものなどがある。電気自動車とも連携すれば、移動手段の確保も可能となる。
蓄電システムでは、HEMS※により電力の消費量や発電量などを解析し、蓄電池や空調を制御している。最近ではIoTやAIを活用し、天気予報を活用した効率的な充放電や、さまざまな家電製品の操作なども可能となってきている。再生可能エネルギーを作る・蓄える・使う技術の進化は、より暮らしやすく安心な住まいと未来へとつながっている。
※エネルギーの「見える化」と一元管理を行う、家庭で使うエネルギーの管理システム