環境省
VOLUME.75
2020年2月・3月号

課題解決ストーリー エコ・サクセス

エコに取り組み、目標を達成した
サクセスストーリーを紹介します

Vol.11 ヨシケイ開発株式会社

全国の家庭に食材の宅配サービスを提供しているヨシケイグループ。
オリジナルの宅配ボックスを貸し出し、不在でも再配達が発生しない仕組みをつくり上げています。

【課題】お客様が不在でも新鮮な食材を安全に届けたい…

START!
共働き世帯や単身世帯の増加を受けて

 1975年の創業以来、その日の献立に使う食材を当日届けるヨシケイの宅配サービス。生鮮食品もあるため手渡しを基本としているが、利用客から「不在でも安心して受け取りたい」という声が上がり、不在時でも受け渡しができる方法を検討。1985年に宅配ボックス「あんしんBOX」を導入し、食材を玄関先で安全に保管できる仕組みをつくった。

START!

ヨシケイでは、その日の夕食のメニューに必要なすべての食材を「クールBOX」に入れて毎日各家庭に届けている

PROCESS
実験を繰り返して性能アップ

 「あんしんBOX」は主に屋外に設置するため、安全性、保冷効果、耐久性が求められており、30年以上にわたって自社で実証実験を繰り返し、改良を重ねている。高密度ポリエチレン製の最新型は、保冷効果や耐久性に優れ、軽量で設置しやすいメリットも。食材を入れる通い容器「クールBOX」も、発泡スチロール製から、より保冷効果が高く傷がつきにくいエペラン製への切り替えを進めている。

PROCESS

最新型の「あんしんBOX」。住宅事情に合わせてコンパクト化し、利用客の要望に応えてデザインや色合いにも配慮した

GOAL!!!
効率的な配達でCO2削減。食品ロス削減も

 「元々サービスの一貫として導入した『あんしんBOX』ですが、再配達が社会問題になったことで図らずもそれがエコな取り組みにつながり、お客様に支持していただけました」と語るのは、ヨシケイ開発東京本部広報の山崎幸子さん。再配達を防ぐだけでなく、「クールBOX」のサイズをミリ単位で変更し、食材を配達する車の荷台に隙間なく積み込めるようにするなど、効率化も進めてCO2削減に貢献している。さらに、「短時間で簡単に調理できるように」と工夫を重ねてきたレシピは食事づくりの省エネになり、必要な食材を必要な分だけ届けるシステムは家庭での食品ロス削減にもつながる。

 こうした取り組みが認められ、2018年にはCOOL CHOICE LEADERS AWARDで環境大臣賞を受賞した。今後は、「あんしんBOX」、「クールBOX」の性能向上と合わせて、食品トレーなどのプラスチック削減への対応も視野に入れ、環境と利用者に優しい取り組みを継続していく。

GOAL!!! お客様にも環境にも優しい再配達ゼロの宅配システムができました

ヨシケイの食材を配達する車「スマイリー号」。最低でも1台で150個の「クールBOX」を運べるよう、積み込み方やサイズを工夫している。配達する「スマイルスタッフ」が保冷状態などに細かく気を配り、利用客の信頼を得ている

SUCCESS HINT!

お客様とスタッフの信頼関係が大切

「あんしんBOX」の活用は、「不在でも届けてくれる」「しっかり鮮度を保ってお届けされる」という利用客の信頼があってこそ。全国に約4,100人いる配達スタッフが、日ごろから細かな気遣いを通じてお客様と信頼関係を築いていることが、「あんしんBOX」利用率の向上につながっている。

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