第15回 平成24年度環境大臣表彰

現在、東日本大震災からの復興に向けた様々な取組が進められているなか、震災に強く低炭素型の新しいエネルギーシステムづくりが大いに注目されており、再生可能エネルギーの飛躍的導入や、地域に根ざしたスマートグリッドの構築などが極めて重要と考えております。これらのことも、復興のエンジンとして活用することが重要です。
一方で、地球温暖化問題は、人類の存在を脅かしかねない喫緊の問題であることから、その解決は人類が直面する21世紀最大の課題と認識しており、低炭素社会の一日も早い実現が不可欠であります。

そのためには、国、地方自治体、事業者、NPOの方々はもちろん、国民の皆様一人ひとりが、できること、なすべきことを考え、実践していただくことが欠かせません。
本日受賞された皆様方の活動は、低炭素社会の実現に向け、いずれも我が国における模範となる取組であると考えます。
是非、これまでの活動を更に発展されるなど、全国で地球温暖化の防止に取り組む、多くの方々の目標となっていただきますよう、心より期待しております。
最後となりましたが、皆様方の今後のますますのご健勝と一層の御活躍をお祈りいたしまして、私の挨拶とさせていだきます。

本日は誠におめでとうございました。

平成24年12月12日
環境大臣　長浜 博行

環境大臣表彰は平成10年度から実施してまいりましたので、今回が15回目になります。今回の応募申請者数は160件でした。この中から、温暖化防止のための優れた技術、製品、積極的な実践活動、さらに地域に足を張った草の根型の環境教育などに携わってこられた団体、個人など30件を受賞者として選考いたしました。競争率は5.3倍になります。
昨年度は、東日本大震災、それに伴う深刻な原発事故の影響などから応募申請数は105件と過去５年間で最低を記録しましたが、今年度は逆に過去最高に近い１６０件の申請があったわけで、温暖化対策に取り組む団体、個人の底辺が厚くなってきていることを示すものであり、私たち選考委員も大変心強く思いました。

部門別でみると、技術開発・製品化部門は、申請者32件のうち受賞者が5件、対策技術導入・普及部門は、18件中4件、対策活動実践部門は39件中11件、環境教育普及啓発部門は、69件中10件、国際貢献部門は2件の申請がありましたが、該当者はありませんでした。

部門別受賞者の特徴としては、技術開発・製品化部門は、大企業の省エネ技術や新エネ技術などの優れた取り組みが目立ちました。対策技術導入・普及部門では、流通部門事業者の省エネ努力、対策活動実践部門では、事業者が地域社会と密接な協力と連携をとりながら、温暖化対策に取り組み事例が高く評価されました。
一方、申請者が最も多かった環境教育普及啓発部門では、小学校、中学、高校などにすばらしい取組が目立ち、温暖化対策が子供たちの日常生活に、着実に浸透してきていることがわかり勇気づけられました。また地域に密着した個人　　の草の根型の地道な温暖化対策活動も高い評価を受けました。この部門で、3人の個人が同時に大臣表彰に選ばれたケースは珍しく、地域リーダーの果たす役割の大切さをあらためて感じました。
なお、環境教育・普及啓発部門では、環境教育としては、優れた取り組みをしている事例が目立ちましたが、温暖化防止活動の視点が弱く、残念ながら選外となった取り組みが少なからずあったことを付け加えておきます。

以上で私の講評に代えさせていただきます。
本日、受賞者される皆様、おめでとうございます。