日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)

TEENの成り立ちと活動について

平成12年に北京で開催された第2回日中韓三カ国環境大臣会合(以下、TEMM:Tripartite Environment Ministers Meeting)において、「環境共同体意識の向上」を図るための三カ国協力プロジェクトを形成・推進していくことが決定されました。そして、同年6月の日中韓三カ国実務者会合において、TEENをプロジェクトの一つとして構築することが合意され、平成12年以降は三カ国が交替でTEENシンポジウム及びワークショップを開催しています。本会合では、環境教育の専門家や教育者、NGO代表等が三カ国から集まり、環境教育のイニシアティブについて議論や意見交換などを行っています。今年(令和4年)は、23回目の開催となりました。

第23回シンポジウム・ワークショップ

2022.11.17~18(中国・オンライン)

令和4年11月17日(木)~18日(金)の日程で、「第23回日中韓環境教育ネットワーク(The 23rd Tripartite Environmental Education Network : 以下、TEEN23)シンポジウム及びワークショップ」が開催されました。新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、昨年同様オンラインでの実施となりました。

テーマと目的

「自然に根ざした環境教育のイノベーション~繋がり、融合し、そして創造する~」をテーマに、シンポジウムとワークショップが行われ、日中韓における環境教育及びESDの取組に関して事例報告と意見交換が行われました。

内容報告
一日目

午前中は政府円卓会議が開催され、日中韓三カ国の環境教育に関する最新情報の共有及び今後の連携について意見交換が行われました。午後は本年度の三カ国の共同プロジェクトとして実施された「自然に根ざした環境教育活動」に関するワークショップが行われました。ワークショップでは、各国から環境教育実践者5名が参加し、3つのグループに分かれて活動事例の発表や今後の連携に向けた意見交換が行われました。また、グループ討議の成果は各グループでまとめられ、翌日のシンポジウムにおいて発表されました。

事例報告及びグループディスカッションの様子

事例報告の様子

事例報告の様子

事例報告の様子

グループディスカッションの様子

二日目

2日目は「自然に根ざした環境教育のイノベーション~繋がり、融合し、そして創造する~」をテーマにシンポジウムが開催されました。
午前は基調講演と、シンポジウムセッション1として「自然に根ざした環境教育のイノベーション:三カ国における現状と今後の展望について」をテーマに各国から発表が行われました。また、午後のセッション2では、「自然に根ざした環境教育:三カ国の事例」をテーマにさまざまなフィールドで環境教育に取り組む各国の実践者による発表が行われました。
また、パネルディスカッションではシンポジウムの発表者及びコメンテーターにより自然に根差した環境教育の今後の発展方法等について意見交換が行われました。シンポジウムは、日本語・英語・中国語・韓国語の同時通訳システムを用い、日中韓の一般参加者向けにオンラインで中継されました。

開会の様子

開会の様子

開会の様子

基調講演

テーマ:「生物多様性教育に関する研究と実践」
講演者:CUI Peng氏(南京環境科学研究所 研究員)

テーマ:「中国の生態文明教育:開発と地域実践」
講演者:XU Linyu 氏(北京師範大学環境学部副学部長)
講演者:ZHANG Junlei 氏(青島市環境生態局副局長)

基調講演の様子

基調講演の様子

基調講演の様子

セッション1 発表
(1) 中国
発表者:ZHAI Junqing 氏(浙江大学教育学 准教授)
タイトル:「子供たちと自然を再びつなぐ -中国都市部における自然環境教育の実践-」
概要:環境教育の発展・方針声明、都市化と子供の発達に及ぼす課題、
子供と自然との繋がりの重要性、自然を活用した環境教育プログラムについて
(2) 日本
発表者:河村玲央氏(環境省 大臣官房総合政策課環境教育推進室 室長)
タイトル:「日本における自然に根ざした環境教育のイノベーション 現状と今後の展望」
概要:日本の環境教育・ESDの歴史、日本の環境教育をめぐる法制度、自然体験活動の実施状況とその効果について
(3) 韓国
発表者:JU Eunjeong氏(ソウル国立大学教育学部科学教育学科 准教授)
タイトル:「韓国における自然に根ざした環境教育イノベーションの現状と展望」
概要:韓国における環境教育の変還、インフォーマル(政策)及びノンフォーマルにおける自然体験型環境教育の現状と展望について
セッション2 発表
(1) 中国
発表者:WANG Kun 氏(北京HD財団事務局長)
タイトル:「子どもたちへの自然教育 -HYEICの事例について-」
概要:HD財団主催「環境保護とイノベーション」をテーマとする「青年環境イノベーションチャレンジ(HDYEIC)」について
(2) 日本
発表者:辻英之氏(グリーンウッド自然体験教育センター 代表理事 / 青森大学 教授)
タイトル:自然×ひとづくり×地域創生=素敵な未来!~人口1600人の小さな村における自然学校NPOの挑戦~
概要:長野県泰阜村における地域創生、長期滞在型自然体験プログラム、環境教育を用いた地域コミュニティの活性化について
(3) 韓国
発表者:KIM Yoo-kyung氏(韓国国立公園管理局 ビジターインタープリテーションアシスタントマネージャー)
タイトル:「国立公園 Do Dream キャリアフェアプログラムについて」
概要:国立公園における環境教育プログラムの現状と展望、国立公園レンジャーを目指すキャリアフェア「Do-Dreamプログラム」の実施状況について

シンポジウムの様子

セッション1発表の様子

セッション2発表の様子

パネルディスカッション

パネルディスカッションにはセッション1セッション2の登壇者及びコメンテーターが参加し、「地域の経済、社会、文化の発展を促進するための自然に根差した環境教育の役割」について、また「ポストコロナ時代において自然に根差した環境教育がどのような発展遂げるか」などをテーマに意見交換を行いました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

ワークショップの成果報告

17日に行われたワークショップでの成果発表が各国からの代表者3名によって行われました。

成果発表の様子

成果発表の様子

成果発表の様子