日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)

TEENの成り立ちと活動について

平成12年に北京で開催された第2回日中韓三カ国環境大臣会合(以下、TEMM:Tripartite Environment Ministers Meeting)において、「環境共同体意識の向上」を図るための三カ国協力プロジェクトを形成・推進していくことが決定されました。そして、同年6月の日中韓三カ国実務者会合において、TEENをプロジェクトの一つとして構築することが合意され、平成12年以降は三カ国が交替でTEENシンポジウム及びワークショップを開催しています。本会合では、環境教育の専門家や教育者、NGO代表等が三カ国から集まり、環境教育のイニシアティブについて議論や意見交換などを行っています。今年(令和3年)は、22回目の開催となりました。

第22回シンポジウム・ワークショップ

2021.11.25~26(日本・オンライン)

令和3年11月25日(木)~26日(金)の日程で、「第22回 日中韓環境教育ネットワーク(The22nd Tripartite Environmental Education Network : 以下、TEEN22)シンポジウム及びワークショップ」が開催されました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、昨年同様オンラインでの実施となりました。

テーマと目的

「2050年に向けた私たちの選択~脱炭素社会の実現のために」をテーマに、シンポジウムとワークショップが行われ、日中韓における環境教育及びESDの取組に関して実践報告と意見交換が行われました。

内容報告
一日目

午前中は政府円卓会議が開催され、日中韓三カ国の環境教育に関する最新情報の共有及び今後の連携について意見交換が行われました。午後は二部構成でワークショップが行われました。第1部では、絵やジェスチャーを用いた言語に頼らないコミュニケーションを通し、アイスブレイクと参加者同士の相互理解促進を図りました。第2部では、TEEN共同プロジェクトの一環として開発されたファシリテーションガイドブックを用いて、「気候変動と食」をテーマに模擬授業が行われました。

ワークショップでは、自分が好きなサンドイッチをそれぞれが絵で表現し、それを作るのに必要な食材のフードマイレージを計算したり、気候変動がこのまま進むとそれらの食材にどのような影響があるのか、これから自分たちにできるアクションをグループで話し合ったりしました。

フードマイレージについて説明する様子(左)と作成したサンドイッチを各自が紹介する様子(右)

ワークショップで活用したファシリテーションの手法を説明する様子

二日目

2日目は「2050年に向けた私たちの選択~脱炭素社会の実現のために」をテーマにシンポジウムが開催されました。午前は、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいる三カ国の、教育者、研究者、学生、実践者による、学術報告と実践発表が行われました。午後は、学術報告・実践発表の発表者7名によるパネルディスカッションとして、2050年に向けた地球規模の気候変動課題解決と環境教育の役割について意見交換が行われました。シンポジウムは、日本語・英語・中国語・韓国語の同時通訳システムを用い、日中韓の一般参加者向けにオンラインで中継されました。

学術報告発表の様子(左)と実践報告発表の様子(右)

学術報告
(1) 中国
発表者:LIN Fuさん (国家気候変動戦略研究・国際協力センター研究助手)
タイトル:中国のカーボンピークとカーボンニュートラル化政策の概要と低炭素社会の実践
概要:低炭素社会の実現に向けた政策の概要、地域社会(上海市、広東省、浙江省)の具体的事例について
(2) 韓国
発表者:SHIN Kyungjunさん (Soongmoon中等学校教員)
タイトル:韓国の教育カリキュラムにおいて教科として環境を学ぶ重要性に関する研究
概要:2004年に発足した韓国環境教師会、環境科目の先進的事例・ESD教師ミーティングについて
(3) 日本
発表者:中澤静男さん (奈良教育大学 次世代教員養成センター准教授)
タイトル:ESDの指導者を養成するESDティーチャープログラム
概要:ESDインストラクター及びESD専門家の育成、 ESDティーチャープログラムについて
実践発表(ユースによる環境活動の発表)
(1) 中国
発表者:WANG Jiaweiさん (南京科学技術大学 化学工学研究所2年生)
テーマ:将来の選択 コミュニティレベルでのカーボンニュートラルな教育と実践
概要:カーボンニュートラル達成に向けた教育と地域での実践 、デュアルカーボン目標の設定における地域の先進的な取組事例について(グリーンネットワークの構築等)
(2) 韓国
発表者:PARK Hyunsungさん (仁川南高等学校3年生)
テーマ:エコロジカル・シティズンシップ教育による気候危機への対応
概要:国家環境教育センター青年運営委員会を通じた学校における環境教育のカリキュラムへの働きかけ等活動について
(3) 日本
発表者:武村有紗さん(千葉大学3年生 環境ISO学生委員会副委員長)
早川咲紀さん(千葉大学3年生 環境ISO学生委員会環境活動事業推進リーダ―)
テーマ:千葉大学学生EMS委員会の活動について
概要:千葉大学EMS委員会の学内での環境活動の事例紹介・企業との連携活動について
パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、学術報告・実践発表の発表者7名による、2050年に向けた地球規模の気候変動課題解決と環境教育の役割について意見交換が行われました。脱炭素社会の実現に向けて、自分たちが今取り組んでいること、課題解決に向けて日中韓で協力できることについて議論し、また三カ国のオンライン参加者との質疑応答も行われました。

基調講演

「持続可能な開発のための教育(ESD):地域創生や脱炭素社会をめざす人づくり」をテーマに立教大学 名誉教授 阿部治さんによる基調講演が行われました。