保健・化学物質対策
「令和7年度放射線の健康影響に係る研究調査事業」新規研究課題の公募のお知らせ
令和6年8月27日
環境省大臣官房環境保健部
放射線健康管理担当参事官室
放射線の健康影響に関する研究調査について、令和7年度より新規に実施する研究課題を、以下のとおり公募します(印刷用)。
1.背景及び本事業の目的
原子力災害からの福島の復興及び再生に関する施策の総合的な推進を図るための基本的な方針として、平成24年7月に「福島復興再生基本方針」が閣議決定され、国内外の叡智を結集した放射線の人体への影響等に関する研究調査の重要性が指摘されています。また、同時期に公表された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会報告書や、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会報告書においても、健康影響に関する継続的な調査を行っていく必要がある旨の提言がされています。
このような状況を踏まえ、環境省では、平成24年度より放射線の健康影響に係る研究調査事業(以下、「本事業」という。)において、帰還住民及び避難中の住民、並びに事故の間接的な影響を受けた福島とその周辺地域の住民を対象にした健康管理の推進及び安心につながる対策の充実・強化や、これらの推進に役立ち、住民の生活上参考となる基礎的な情報の収集を目的として、線量推計に資する研究、身体面・心理面の健康に関する研究、事故による放射線不安への対策に資する研究を実施してきました。
また、東日本大震災及び事故から10年が経過した令和3年度以降は、本事業においては、福島の復興再生や風評の払拭等に留まらず、その教訓を活かし、我が国の社会全体への還元とともに、我が国における今後の環境保健行政での利用につながる成果をもたらすことも目的としてきました。
令和7年度は、令和3年度以降の取り組みを更に加速させ、福島の復興再生や風評の払拭等の取り組みにより得られた教訓を活かし、蓄積された研究成果の更なる社会還元を図るために、環境保健行政の需要に直結したより具体性のある公募テーマを示すことにより、環境保健行政における知見の充実に即時に活用できる、あるいは、今後活用できる見込みがある課題を募集します。
2.公募テーマ・内容
本事業では、環境保健行政の重要課題に対応すべく、学術的意義が高く、かつ行政の充実に確実に貢献できる研究を公募します。以下の各テーマにおいて、研究期間内に、環境保健行政に活用できる確実な成果を得るとともに、その成果を論文や学会発表を通じて広く発信することが求められます(10. 応募における留意点 参照)。
2.1 公募テーマ
以下の5つのテーマの研究課題を公募します。いずれかのテーマに応募してください。
今般、環境省が「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進していることを踏まえ(https://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html)、SDGsへの配慮を意識して研究課題の応募書類を作成してください。また、2.2 公募内容に記載されている想定される環境保健行政への活用の例を参考に、成果の社会実装につながる研究をデザインしてください。
【公募テーマ】
(1)福島県内における地方自治体の状況に応じたリスクコミュニケーションに関する研究
(2)福島県内外の若年世代に対する放射線健康不安に係るリスクコミュニケーションに関する研究
(3)福島第一原子力発電所事故後のホールボディカウンター(WBC)測定等から得られた知見を今後の原子力防災に活用するための研究
(4)福島第一原子力発電所事故時の経験を踏まえた原子力災害時における正しい情報伝達に係る研究
(5)放射線健康影響に係る科学的根拠の構築に資する研究
2.2 公募内容
(1)福島県内における地方自治体の状況に応じたリスクコミュニケーションに関する研究
【募集内容】
環境省では放射線リスクコミュニケーション相談員支援センター(以下、「放射線リスコミセンター」という。)を通じて、福島県内特定復興再生拠点区域及び帰還困難区域における特定復興再生拠点区域外(以下、「拠点区域等」という。)を中心とした地域における放射線の健康不安等へのリスクコミュニケーション活動(車座座談会、セミナー等)を実施してきました(https://www.env.go.jp/chemi/rhm/shiencenter/)。
放射線の健康不安を抱えている方がこの活動に参加されたことにより、ご自身の不安解消に繋がった事例が報告される一方で、このような活動には参加されず、不安を抱えたまま過ごしている方もいることが明らかになっています。
放射線の健康不安を抱えている方の諸問題を解消するために、不安を抱えている方を把握し、不安解消に向けたリスクコミュニケーション手法の開発とその有効性を検証する研究を募集します。
特に、福島県内における地方自治体のそれぞれの状況を踏まえた上で、拠点区域等に移住・定住を検討し、生活を始めた方、あるいは帰還を検討し、帰還された方等を対象として、放射線健康不安が強い方を把握する手法や効果的なリスクコミュニケーションを行うための手法の開発、及びその有効性を検証する研究が求められています。
【想定される環境保健行政への活用】
- 放射線への健康不安を抱えている方の不安解消に活用できること
- 福島県内の自治体の状況に応じたリスクコミュニケーション手法に活用できること
- 放射線リスコミセンターが実施している、住民へのリスクコミュニケーション活動に活用できること
(2)福島県内外の若年世代に対する放射線健康不安に係るリスクコミュニケーションに関する研究
【募集内容】
環境省では、福島第一原子力発電所事故による放射線の健康影響等に関する誤解や偏見、差別をなくすことを課題として、正確な情報を国民に適切に提供するぐぐるプロジェクト等(ぐぐるプロジェクトの概要は<用語解説>に記載)の取り組みを実施しています。本年度からは、事故当時のはっきりとした記憶のない、将来を担う若年世代への啓発活動も重視しています。
事故以降に生まれた、あるいは当時の記憶が薄い若年世代(現在の小学生・中学生・高校生・大学生)においては、放射線の基礎知識や福島第一原子力発電所事故について多くの誤解があることが示されています※。このため、若年世代に対する放射線の健康影響等の正しい知識を普及するための活動のあり方を再検討する必要があります。
本テーマの大きな目的は、次世代を担う若年世代を対象として、放射線の健康影響等に関する基礎知識の不足や誤解を解消し、正しい判断力を育成することです。その継続によって、将来にわたり、社会全体から誤解や偏見、差別等が払拭されることが期待されます。そのために、若年世代が有している放射線の基礎知識や福島第一原子力発電所事故の知識、世代ごとの特徴等を把握した上で、放射線の健康影響等に関する誤解や偏見、差別をなくしていくためのコミュニケーション活動のあり方を検討・構築し、さらにその有効性を検証する研究を募集します。
上記目的達成のため、放射線生物学、教育学、心理学、社会学、メディア学、公衆衛生学等の様々な領域、あるいはその複合領域からの独自性のあるアプローチ、そして、実践的かつ効果的なリスクコミュニケーションの実現が期待されます。
※東京大学と東日本大震災・原子力災害伝承館が東京圏・福島県内の高校生に対して行った調査(https://www.fipo.or.jp/lore/archives/6067)
【想定される環境保健行政への活用】
- 若年世代へ適切かつ実際にアプローチでき、環境省が開催しているセミナーや放射線リスコミセンター等が行うリスクコミュニケーション活動に活用できること
- 環境省が開催するセミナー等の事業において、より効果的なリスクコミュニケーション手法の検討に活用できること
(3)福島第一原子力発電所事故後のホールボディカウンター(WBC)測定等から得られた知見を今後の原子力防災に活用するための研究
【募集内容】
福島第一原子力発電所事故後、福島県内では、ホールボディカウンター(以下、「WBC」という。)を用いて内部被ばく線量を測定する取り組みが行われてきました。国や福島県では、事故後まもなくから現在に至るまで、希望者に対して内部被ばく線量の測定を行い、その結果を自ら確認していただくとともに、専門家による測定結果の解説やリスクコミュニケーション活動を実施しています。
今後、新たな原子力災害が発生した際には、内部被ばく線量を正確に把握する必要があり、長期間にわたる観察も必要と考えられます。しかし、福島第一原子力発電所事故後に行われてきたこれまでの取り組みを整理・解析し、WBCによる測定を含めた内部被ばく線量測定体制やリスクコミュニケーション活動の適切な方法を明確にした研究事例は限られています。
そこで、福島第一原子力発電所事故以降に実施されたWBCによる内部被ばく線量測定等に関する情報やデータを整理・解析し、蓄積された知見や経験を活かして今後のWBC内部被ばく線量測定のあり方等を検討する研究を募集します。
特に、新たな原子力災害発生に備えての内部被ばく線量検査体制や、検査を通じた効果的なリスクコミュニケーション方法の検討等が求められています。
【想定される環境保健行政への活用】
- 新たな原子力災害発生時の内部被ばく線量の検査体制や、結果のとりまとめ方法の指針作成に活用できること
- WBCによる測定を通して適切なリスクコミュニケーションの実施に活用できること
(4)福島第一原子力発電所事故時の経験を踏まえた原子力災害時における正しい情報伝達に係る研究
【募集内容】
放射線被ばくを伴う原子力災害が発生した際には、混乱した状況下において、無用な被ばくを防ぐために、摂取制限すべき食物や飲料水に係る情報、放射線防護に必要な情報等を被災者に適切に伝達することが重要です。また、被災者の健康不安を緩和、解消するためのリスクコミュニケーションや情報発信も重要です。
福島第一原子力発電所事故に関する「福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書」では、政府がソーシャルメディア(SNS)の特徴を生かした双方向的なやり取りや情報の受信を行わなかったために人々の関心に応じた情報発信ができなかったことや、政府の一方向的な情報発信では信頼を得られなかった等の指摘がなされています。
こうした指摘を踏まえ、原子力災害時に、政府等の公的機関が、国民が必要とする情報を迅速かつ的確に把握し、適切な情報発信を行う方法の検討が必要とされます。具体的には、SNS等を活用しての国民の情報発信傾向や必要とされる情報等を把握する方法、誤情報を防ぎ、科学的に正しい情報を国民に届けるための適切な情報発信手法等を検討し、その有効性を検証する研究等が求められます。
SNS等を利用して、迅速に国民の情報ニーズを把握し、風評被害に繋がる誤情報を払拭するための効果的な手法と、政府等の公的機関からの情報発信方法の両方を含む研究を募集します。
【想定される環境保健行政への活用】
- 政府等公的機関からの適切な情報発信の実践に活用できること
- 風評被害につながる誤情報や偽情報の効果的な把握に活用できること
(5)放射線健康影響に係る科学的根拠の構築に資する研究
【募集内容】
本事業では、上記1.背景及び本事業の目的に記したように、令和4年度まで「線量推計に資する研究」、「身体面・心理面の健康に関する研究」、及び「事故による放射線不安への対策に資する研究」を公募・採択し、推進してきました。
令和7年度は、令和6年度に引き続いて、これまで実施した「線量推計に資する研究」、「身体面・心理面の健康に関する研究」、「事故による放射線不安への対策に資する研究」の成果を踏まえた上で、放射線生物、放射線疫学、放射線防護、環境放射線、線量評価等の領域から、広く放射線健康影響に係る科学的根拠の構築に資する研究を公募します。
放射線健康管理担当参事官室は、放射線被ばくによる健康影響等に関するリスクコミュニケーション事業等を担当しており、これらの事業に対して、科学的根拠の構築に資する研究を求めています。
令和7年度における本事業の目的を鑑み、以下要件を満たすことを求めます。
① 研究目的として環境保健行政における知見の充実を設定し、研究計画に目的到達への具体的道筋を示すこと。
② 研究期間終了時の研究成果として、速やかに環境保健行政に活用できる事が望ましく、少なくとも今後活用できる道筋を明確に示すことを必要とする。
③ 10.応募における留意点(3)に示すとおり、環境保健行政での活用が見込めない研究内容については、採択が見送られる可能性がある。
また、公募テーマ(1)~(4)に該当する研究内容は、公募テーマ(5)には含まれないものとします。
【想定される環境保健行政への活用】
- 統一的な基礎資料への反映あるいは充実につながること
- 環境保健行政への科学的根拠の提供につながること
- 放射線リスコミセンターの活動に研究内容及び成果を活用できること
<用語解説>
〇環境保健行政に資する研究
研究の成果(エンドポイント)として、個々人が暮らす生活環境における健康不安の払拭や、健康の増進等に役立つことを意味します。教育のためのコンテンツ作成をエンドポイントとすることは、環境保健行政に資するという認識ではありません。
環境保健行政の取り組みとしては、福島県における甲状腺検査の支援を行うほか、福島県内の住民に向けた放射線健康不安軽減の取り組み、全国に向けた放射線の健康影響に関する風評払拭のための正確な情報の発信等を行っています。
〇リスクコミュニケーション
対象のもつリスクに関連する情報を、リスクに関係する人々(ステークホールダー)に対して可能な限り開示し、関係者の間で双方向的なコミュニケーションが実施されることにより情報が共有され、互いに共考することによって、解決に導く道筋を探す思想と技術、及びその過程のこと。(木下冨雄著『リスク・コミュニケーションの思想と技術』より抜粋し、一部を編集)
〇ぐぐるプロジェクト
ぐぐるプロジェクトは、放射線による差別・偏見を無くそうという基本的な考えのもと、そのために知るべき最低限の知識を学ぶというものです(ぐぐるプロジェクトの詳細は参考1参照)。
例えば、2023年度のキックオフミーティング(参考2参照)では、ある研究班が行った放射線に関するリテラシー・セグメントに関するアンケート調査結果等が提示され、放射線の正しい情報を提供することが必ずしも不安の低減や解消に繋がるわけではなく、受け手側の属性に応じた情報提供の重要性が示唆されました。
【参考1:ウェブサイト】
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/portal/communicate/
【参考2:2023年度ぐぐるプロジェクトキックオフミーティング開催】
https://www.youtube.com/watch?v=xpqmMfJMZBs
【「ぐぐるプロジェクト」問い合わせ先】
ml-guguruproject@env.go.jp
〇原子力防災(原子力災害後の健康管理・健康不安対策)
環境省は、原子力災害後の中長期において、原子力被災者等の総合的な被ばく線量の評価と、原子力被災者等の健康調査・管理及び健康相談の実施について関係機関との調整を行うことを担当しています。福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原子力災害初期において災害現場でのリスクコミュニケーションを適切に行うことにより、中長期における放射線による健康不安の低減につながると考えています。
〇 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(http://www.env.go.jp/chemi/rhm/basic_data.html)は、放射線の基礎知識と健康影響に関する科学的な知見や関係省庁の取組みがまとめられた冊子で、行政や教育現場等で活用されています。
3.研究費・応募資格
3.1 研究費(委託費)
本事業における令和7年度の新規公募(研究費等の上限額)は、以下の表に示すとおりです。応募者は、以下を熟読の上適切に応募してください。
本事業で公募する研究費は、「補助金」ではなく「委託費」です。「委託費」とは、本来、国が自ら行うべき事務・事業等を効率的な執行等に鑑み、他の機関等に委託して行わせる場合にその反対給付として支出する経費をいいます。委託契約は委託費によって行われる事務・事業の給付を担保することを目的として締結するものです。このため、調査、研究等の委託費は委託契約に基づく対価的性格を有する経費であり、助成的性格をもつ補助金等とは明らかに異なるものといえます。(環境省における委託業務経費の算出等に関する基本方針(令和6年3月)より抜粋し一部を編集。https://www.env.go.jp/content/000214442.pdf)
公募テーマ | 研究費等の 年間上限額 (税込)1 |
年齢制限 | 応募者2, 3 | 研究期間 (最長) |
採択 予定数4 |
(1) | 800万円 | なし | 本人 | 3年 | 1件 |
(2) | 800万円 | なし | 本人 | 3年 | 1件 |
(3) | 800万円 | なし | 本人 | 3年 | 1件 |
(4) | 800万円 | なし | 本人 | 3年 | 1件 |
(5) | 800万円 | なし | 本人 | 3年 | 1件 |
1 「研究費等の年間上限額」とは、一般管理費・消費税等を含めた総額を指します。年間上限額に関わらず、研究内容に応じた適切な額で申請して下さい。
2 主任研究者または分担研究者として同時に複数の応募をすることはできません。ただし、継続研究課題を有する場合であっても、継続研究課題が終了する年度(研究の最終年度)は主任研究者または分担研究者として新規に応募することができます。
3 条件付き採択課題として研究が採択されている場合は、主任研究者または分担研究者として新規に応募することができません。
4 採択予定数は、あくまで目安です。令和7年度の概算要求額及び応募課題数等を基に調整予定です。
※本公募は令和7年度予算の成立を前提に行うものです。したがって、採択された研究課題についても、予算の都合によりやむを得ない事情が生じた場合には、研究計画の見直しまたは中止を求めることがありますので、予めご承知おき下さい。
過年度の本体研究の倍率は、以下のとおりです。
令和6年度:約2.4倍
令和5年度:約2.5倍
令和4年度:約2.4倍
令和3年度:約2.6倍
令和2年度:約4.4倍
3.2 応募資格
令和7年4月1日の時点で、以下に示す(1)~(4)の条件を全て満たす者を「本事業への応募資格を有する者」とします。
(1)研究機関(注)において、当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含むものとして、所属する者であること。ただし、常勤・非常勤を問わず、予定される研究期間(例えば、研究期間3年間の研究課題であれば3年間)について所属機関に雇用されていること。
(2)当該研究機関の研究活動に実際に従事していること。
(3)大学院生等の学生でないこと。
(4)本事業終了後も、引き続き研究調査を推進するとともに、追跡調査等環境省の求めに応じて協力できること。
(注) 研究機関とは、以下の(ア)~(オ)を指します。
(ア)国の試験研究機関
(イ)地方公共団体の附属試験研究機関
(ウ)学校教育法に基づく大学及び同附属試験研究機関等
(エ)研究や調査を主な事業目的としている一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人並びに株式会社
(オ)研究を主な事業目的とする独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第二条に規定する独立行政法人及び国立研究開発法人等
4.研究期間
採択された研究の実施期間は、原則として最長で3年間とします(2年間の研究計画でも応募可能です)。
当該年度の研究成果、並びに2年目以降の研究計画については本事業の研究調査事業運営委員会(以下、「運営委員会」という。)にて、毎年評価を行います。評価結果によっては、次年度の研究継続を認めないことがあります(詳細については、8.研究の評価と管理をご確認ください)。また、諸般の事情により、3年未満で本事業を終了する場合もあります。
5.応募方法
応募の際に、主任研究者は、9.添付書類に示す様式をダウンロードした上で、研究計画書作成要領に従って必要事項を入力したのち、メールに添付して以下のアドレスへ送付してください(詳細については、9.添付書類をご確認ください)。
【送付アドレス】
TO:日本エヌ・ユー・エス株式会社(令和6年度 本事業委託先)
CC:環境省大臣官房環境保健部放射線健康管理担当参事官室
radiation_research_23@env.go.jp
応募〆切後、申請を受理した旨を、日本エヌ・ユー・エス株式会社からメールにて返信いたします。応募後5日が経過しても受理メールが届かない場合は、お手数ですが再度ご連絡ください。
6.応募期間
令和6年8月27日(火) ~ 10月1日(火) 正午まで
7.研究の採択
研究の採択につきましては、送付された研究計画書に基づき、今後開催する本事業の運営委員会において、研究課題についての審査・評価方針に従い、以下の5項目について審査され、採否が決定されます。
① 研究の環境保健行政への貢献の可能性
② 研究の学術的有用性
③ 研究計画の妥当性・効率性
④ 研究遂行体制・能力
⑤ 研究内容の倫理性
【留意事項】
(1)書面による事前評価の結果を基にヒアリング対象として選ばれた研究課題に対して、ヒアリング審査が行われます。ヒアリングは、対面あるいは Web 形式で実施する予定です。
(2)採否については環境省より御連絡いたします。
(3)採択時の評価によっては、「Feasible Study(条件付き採択)」となる場合があります。当該課題については、採択通知においてはじめの1年の間に改善すべき点(条件)が示されます。1年目の成果発表会において、採択時に指摘された条件に対する対応状況や今後の研究計画等について、本事業の評価専門委員あるいは運営委員から評価を受けます。その評価に基づき、運営委員会において2年目以降の継続可否が判断されます。
(4)採択された場合でも、各研究費は申請額と異なる(減額となる)ことがあります。
8.研究の評価と管理
8.1 キックオフミーティング
新規に採択された主任研究者には、研究開始前年度の3月に開催予定のキックオフミーティングにおいて、研究構想/研究計画を発表していただきます(旅費等は、主催側の負担となります)。
8.2 中間評価及び最終評価
全ての研究課題について、中間評価(最終年度の場合は、最終評価)のために、年に1回開催される成果発表会にて、年度当初の計画と比較した研究の進捗状況、外部発表、研究方法論の妥当性等を含めた、研究成果を報告していただきます。成果発表会における各主任研究者からの報告ののち、本事業の運営委員会による評価を行い、次年度の研究計画の見直しや変更、当該年度での打切り等を判断します。
8.3 研究継続の可否
研究継続の可否は、8.2 中間評価及び最終評価に記載した成果発表会における各主任研究者からの報告を踏まえ、運営委員会によって判断されます。当該年度の成果や次年度以降の研究計画等が芳しくない研究課題に対して、「打切りが妥当」と判断される場合があります。
8.4 追跡アンケート
研究終了の翌年度からおよそ3年程度、研究期間終了後における、本事業で得られた成果の活用や社会への還元等について、追跡アンケートを予定しています。
8.5 研究進捗管理
本事業における研究が、問題なく円滑に進むことを目的として、本事業内にプログラムオフィサー(PO)を配置しています。採択された研究課題においては、研究の推進や環境省との情報共有を目的として、研究班会議を開催してください。PO は、研究班会議への参加や研究実施場所での現地ヒアリング等を行うことにより、研究の進捗や実施状況を確認し、必要に応じ委員会からの意見の伝達を行う等、適切な研究管理を実施します。課題が採択された主任研究者は、PO との綿密なコミュニケーションと積極的な意見交換をお願いします。
8.6 意見交換会
本事業における研究で得られた知見が環境保健行政へ活用されることを促進するとともに、類似分野の研究課題において研究者間の知見共有や交流等を行うことを目的として、各研究課題の研究者及び環境省との意見交換会に年1回程度(原則Web形式、半日)出席していただきます。
9.添付書類
以下に掲載する資料をダウンロードして、ご使用ください。
- 研究計画書作成要領
- 【様式1】令和7年度放射線健康管理・健康不安対策事業(放射線の健康影響に係る研究調査事業)研究計画書【主任研究者・分担研究者】
- 【様式2】研究経費内訳シート【主任研究者】【分担研究者】
- 研究課題についての審査・評価方針
- (参考)進行中の研究課題(令和6年8月現在)
- (参考)放射線の健康影響に係る研究調査事業<パンフレット>
【提出書類】(詳細については、研究計画書作成要領をご確認ください)
- 【様式1】と【様式2】
【留意事項】
- 【様式1】と【様式2】は、作成したファイルをPDF化せず、WordあるいはExcelにてご提出ください。
- 【様式1】と【様式2】は、それぞれのファイル名の先頭に、主任研究者のフルネームを記載してください(例:【環境太郎】【様式1】...)。
10.応募における留意点
(1)3.2 応募資格に記載された条件を満たしていない、あるいは提出した研究計画書に不備等がある場合は、審査の対象とならないことがあります。
(2)令和7年度は、若手研究の公募はありません。
(3)研究期間内(原則3年間)で、確実に環境保健行政に資する一定の成果の取得が期待できる研究計画を募集します。研究計画の段階で、環境保健行政での活用の見込みが無いと判断される場合、採択が見送られる可能性があります。
(4)本事業は環境保健行政の重要課題に対応するための研究調査を実施するものであり、行政への貢献と学術的成果の両方が重視されます。研究期間内に、環境保健行政に活用できる確実な成果を得るとともに、研究成果を論文や学会発表を通じて発信することが求められます。
(5)研究計画書だけでは十分な技術的裏付け等が得られない場合、根拠となる書類等を追加で提出していただく場合があります。
(6)評価専門委員及び運営委員会の委員は、委員として知り得た情報を、委員の職にある期間だけでなく、その職を退いた後についても、正当な理由なく第三者に漏洩または使用しないこととしています。また、評価専門委員及び運営委員会の委員のうち審査の対象となる課題の主任研究者等と利害関係がある委員は、当該研究課題の審査を棄権します。
(7)評価専門委員及び運営委員会の委員、環境省、あるいは本事業の委託先関係者等へ採択の陳情を行うことは厳に慎んでください。なお、仮に応募課題の関係者から陳情等があった場合には、陳情者が当該研究課題に参画予定の研究者本人か否かを問わず、応募された研究課題を審査対象から除外します。また、採択に係る通知の発出前に、関係者へ採否の感触を照会する等の行為についても厳に慎んでください。
11.FAQ
(1)
【質問】送付した書類に記載してある個人情報についてはどう扱うか。
【回答】「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」及び「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律施行令」に基づき、適切に取り扱います。
(2)
【質問】研究の採択/不採択の通知タイミングはいつか。
【回答】10月下旬~12月上旬を予定しています。
<参考>
- 過去に本事業にて採択された研究の報告書
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/reports.html
- 研究開始までの大まかな流れ
日程 |
予定される主なスケジュール |
8/27 ~ 10/1 |
公募期間
|
10月中旬~ 11月上旬 |
評価専門委員及び運営委員における審査
|
~12月上旬
|
審査結果通知
|
1月頃 |
応募研究計画書の修正及び質問事項への回答の提出
|
2月頃 |
令和7年度研究費の通知(申請額と異なることがある) |
3月 |
キックオフミーティングの開催 |
4月~ |
委託事業者との契約手続き、研究の開始
|
【本公募に関する問い合わせ先】
担当:田村、植木
- [住所]
- 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
- [電話]
- 03-3581-3351
- [E-Mail]
- radiation_research_23@env.go.jp