原爆被爆者の健康影響調査の結果から、被ばくした量が増えると、発がんのリスクが高まることが知られています。最新の原爆被爆者の疫学調査でも、固形がんによる死亡リスクと線量の関係には、がん罹患で150ミリシーベルト以上で、また、がん死亡で200ミリシーベルト以上で直線性が見られるものの、150~200ミリシーベルト以下の関係については研究者によっても意見が分かれています。
150ミリシーベルト以下でも線量とがんリスクは比例関係にあるのか、それとも実質的なしきい値が存在するのか、あるいは別の相関があるのかは、今後の研究によって明らかになることが期待されます(
上巻P154、「LNTモデルをめぐる論争」)。
本資料への収録日:平成25年3月31日
改訂日:平成29年3月31日