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環境経済の調査・研究情報

1.環境白書

環境白書は、毎年6月頃に政府閣議決定を経て公表されます。白書では、公害の防止、低炭素社会の構築、循環型社会の構築、生物多様性の保全といった環境に関するテーマに沿って、環境問題の現状や政策的な取り組みを紹介していますが、人類の活動に伴う経済活動と環境の関係については、それぞれのテーマの中で様々な視点から考察を行っています。

2.環境経済の政策研究

環境省では、環境保全の取組が経済をどのように発展させていくのか、経済動向が環境にどのような影響を与えるのか等について調査 分析し、環境と共生できる新しい経済社会に向けた将来像の提示や環境政策の戦略的な実施につなげていく研究事業「環境経済の政策 研究」を実施しています。
本事業では、環境省が、行政課題を踏まえ政策研究を行う分野を設定し、公募のうえ、外部有識者委員による審査・評価を経て選定さ れた研究者と行政担当者との緊密な連携により、研究が進められてきました。
  • 第Ⅲ期(平成27年度~平成29年度)
    • 第Ⅲ期(平成27年度)の政策研究

    • ・第Ⅲ期(平成27年度~平成29年度)
        平成27年度より3カ年を期間として11課題の研究を実施。研究別の情報は以下の通り。
      研究別の情報
      採択
      番号
      研究テーマ 研究代表者 関連資料
      研究概要

      2050年までの温室効果ガス大幅削減に向けた経済的措置に関する調査・検討 公益財団法人
      地球環境戦略研究機関
      小嶋 公史
      平成28年度研究報告書 [PDF 3,289KB]
      我が国は、2050年までに温室効果ガス排出量を80%削減することを目指しているが、大幅な排出量削減には構造的な変化を伴う大胆な対策が必要である。本研究では、その手段の一つである「炭素税」に着目し、炭素税の有効性や経済効率性を明らかにするために、海外における高税率の炭素税を導入した事例を分析しつつ、炭素税導入等のグリーン税制改革がもたらす正負両面の経済影響及びCO2排出削減効果の定量的評価を行う。これらの成果に基づき、グリーン税制改革に関する政策提案を行う。

      国民総幸福最大化と低炭素化を両立させる都市・地域縮退戦略策定モデル~地区詳細スケールでの評価に基づく土地利用・インフラ再編策立案手法~ 名古屋大学
      林 良嗣
      平成28年度研究報告書 [PDF 20,185KB]
      (分割版) 1/6 [PDF 4,753KB] 2/6 [PDF 4,412KB] 3/6 [PDF 4,464KB] 4/6 [PDF 3,879KB]5/6 [PDF 4,890KB]6/6 [PDF 3,798KB]
      20世紀の経済成長の過程で都市・集落域が低密度で拡大した日本は、CO2排出量やインフラ維持費用の負荷が大きい土地利用を21世紀に残した。そのため、住民の幸福度(QOL)を維持するためには、多くのエネルギーやコストが必要となっている。本研究では、人口減少・少子高齢化時代を迎えた日本において、都市・地域を持続可能で魅力的にするため、低炭素・低費用でかつQOLを最大化する都市・地域縮退戦略の在り方について、政策につながる提言を行う。欧州等の都市・地域縮退戦略に関する事例を調査した上で、500mメッシュ程度の小地区単位で、将来人口、CO2排出量や、経済便益にとどまらない居住者のQOL等の算出ができる「地区評価手法」の開発を行う。また、自治体で具体的な政策に活用する等の実証を行いつつ、評価手法の都市政策への活用方法を解説したガイドラインの作成も行う。

      資源循環に係る環境効率に関する調査・検討 立命館大学
      橋本 征二
      平成28年度研究報告書 [PDF 9,971KB]
      (分割版) 1/3 [PDF 988KB] 2/3 [PDF 4,342KB] 3/3 [PDF 4,592KB]
      第三次循環型社会形成推進基本計画では、今後の検討課題の一つとして、財・サービスの付加価値と環境負荷の間の効率性を測る環境効率指標の開発を挙げている。本研究では、既存の環境効率指標の整理・分析を行いつつ、財・サービスが生み出す付加価値と環境負荷の関係性を評価・分析し、新たな環境効率指標の開発を行う。さらに、日本の環境効率を時系列で推計し、推移の要因分析を行う。これによって、次期計画の指標開発に向けた検討に貢献するとともに、社会全体の環境効率を向上させるための環境政策の在り方を提案する。

      我が国に蓄積されている資源のストックに関する調査・検討 名古屋大学
      谷川 寛樹
      平成28年度研究報告書 [PDF 6,966KB]
      (分割版) 1/2 [PDF 3,015KB] 2/2 [PDF 4,132KB]
      第三次循環型社会形成推進基本計画では、循環型社会の形成に当たっては、物質のフローに加え、社会に蓄積される「ストック」についても状況を把握していくことが今後の検討課題として扱われている。本研究では、我が国に蓄積されている社会インフラ・製品等に含まれる物質のストック を定量的・経年的に推計・評価するため、ストックの区分と具体的事例の整理を行い、ストックの種類毎の蓄積量、蓄積年数、推移に関する指標や、その利用価値に関する指標を構築する。これらの指標を用いて、物質ストックの量や利用状況等を定量的に評価することによって、ストックを効果的かつ効率的に利用できる「ストック型社会形成」に向けた具体的な施策の在り方を提案する。

      我が国における自然環境施策の社会経済への影響評価分析に関する研究 京都大学
      栗山 浩一
      平成28年度研究報告書 [PDF 3,924KB]
      地域自然資産法では、入域料や協力金等の利用者負担金、寄付金等の民間資金を利用して、自然環境を保全する枠組みの構築が示されている。一方で、自然環境の経済的価値と民間資金等拠出の関係を分析した事例は少なく、自然環境施策への効果的な民間資金の活用についての知見も十分にはない状況にある。また、このような自然環境施策が社会・経済にどのような影響を与えるのか科学的な評価・分析の事例も少ない状況にある。本研究では、国内の主要な自然環境を対象に、自然環境の経済的価値を評価した上で、民間資金等の設定・収集方法の検討を行うとともに、民間資金等を活用した自然環境施策の社会・経済への影響を評価・分析する。これにより、自然環境の価値や社会・経済への影響を適切に考慮した上での外部資金等の設定・収集の在り方や、これを活用した効果的な自然環境施策を提案する。

      生態系サービスの定量的評価及び生態勘定フレームワーク構築に向けた研究 神戸大学
      佐藤 真行
      平成28年度研究報告書 [PDF 9,550KB]
      (分割版) 1/3 [PDF 4,519KB] 2/3 [PDF 3,440KB] 3/3 [PDF 3,373KB]
      生物多様性の損失を止めるための行動の一つとして、愛知目標では、生物多様性が支える生態系サービスの価値を政策に組み込み、生物多様性の損失による経済への影響を適切に評価することが求められている。本研究では、生態系サービスの価値を評価した過去の事例を収集・整理した上で、生態系の価値的情報と量的情報を研究し、データ化することを通じて、国民経済計算等の従来の経済勘定に、生態系サービスの価値を統合した「環境・経済統合勘定」の在り方を検討する。さらに、これを利用した生物多様性の適切かつ効果的な保全・管理方法について提案を行う。

      遺伝資源の利用により生ずる経済的利益、及びその生物多様性保全等促進への貢献に関する評価手法の研究 慶應義塾大学
      大沼 あゆみ
      平成28年度研究報告書 [PDF 5,733KB] 1/2 [PDF 4,781KB] 2/2 [PDF 1,857KB]
      生物多様性条約の名古屋議定書は、遺伝資源利用時に利用国は、提供国の法令に基づき提供国への適正な利益配分等に関して相互に合意する条件で利用するとともに、提供国の事前同意を得ること(PIC制度)が求められている。我が国では、議定書の批准に向けた国内措置の検討を行っているが、PIC制度による経済的影響や、国内の生物多様性保全への効果などに関する知見が十分にはない状況にある。本研究では、国内遺伝資源の国内外における利用の状況を把握し、遺伝資源の価値を評価した上で、利用者が提供者に対して利益配分した場合の経済的影響や国内の生物多様性保全への効果について評価・分析を行い、生物多様性保全に貢献するPIC制度を含む国内措置の在り方について提案を行う。

      水俣条約に基づく水銀削減政策として経済手法の活用可能性と期待される効果に関する調査・分析 産業技術総合研究所
      村尾 智
      平成28年度研究報告書 [PDF 28,921KB]
      (分割版) 1/6 [PDF 4,833KB] 2/6 [PDF 4,827KB] 3/6 [PDF 4,782KB]4/6 [PDF 4,866KB]5/6 [PDF 4,916KB]6/6 [PDF 4,700KB]
      発展途上国では水銀汚染が深刻な問題となっているが、その大きな要因として人力小規模金採掘時における水銀使用が挙げられており、水俣条約でも重要課題として位置づけられている。本研究では、水銀を利用しているアジアの採掘現場を調査し、その実態を明らかにする。また、採掘時に水銀利用を伴わない「エシカルジュエリー」を導入する可能性について調査する。それらを踏まえ、人力小規模金採掘時における水銀削減に実効性を持たせるための政策手段や、これを促進するための水銀削減政策としての効果的な経済的手法を提案する。

      環境汚染被害地域における環境・経済・社会の統合的向上による再生に関する研究 慶應義塾大学
      植原 啓介
      平成28年度研究報告書 [PDF 34,758KB]1/11 [PDF 2,569KB]2/11 [PDF 3,490KB]3/11 [PDF 3,049KB]4/11 [PDF 4,398KB]5/11 [PDF 3,921KB]6/11 [PDF 4,322KB]7/11 [PDF 4,613KB]8/11 [PDF 1,290KB]9/11 [PDF 4,712KB]10/11 [PDF 1,927KB]11/11 [PDF 3,487KB]
      2009年制定の「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」では、水俣病患者の救済措置の実施と併せて、水俣病発生地域における地域再生・振興等が示されている。本研究では、同地域の自然資源を調査し、これをエネルギーや観光等に利用して地域活性化を図るための方策の検討を行うとともに、これが地域経済や環境保全に与える影響の評価・分析を行う。また、ICTを用いて住民の健康モニタリングや健康相談を実施し、環境と健康の関連性を明らかにするとともに、健康相談等の取組が地域コミュニティ形成(ソーシャルキャピタル醸成)に与える影響について評価を行う。これらを通じて、環境・社会・経済の統合的向上を実現するための効果的な地域再生・振興策を提案する。

      10 低炭素・循環・自然共生の環境施策の実施による地域の経済・社会・人口定住への効果の評価について 島根県中山間地域研究センター
      藤山 浩
      平成28年度研究報告書 [PDF 10,122KB]
      (分割版) 1/3 [PDF 4,424KB] 2/3 [PDF 2,902KB]3/3 [PDF 4,990KB]
      必要性・緊急性の高いとされる人口対策や雇用対策は、環境政策と切り離され実施されがちであったが、近年地域での再エネ事業の高まりから、事業評価として主に経済的側面から地域経済・環境への波及効果調査が行われている。しかしながら、財・サービスの産業間取引を指標化した産業連関表は市町村レベルまではほとんど存在しないため、地区レベルでの事業評価が困難な状況にある。本研究では、人口定住・雇用創出・環境施策を三位一体で進める連関効果を定量的に評価する体系(地域内乗数効果による計測システム)を構築し、小さな拠点(小学校区等一次生活圏)を軸とした域内経済循環促進型の事業評価を、調査候補地で試験的に実施する。地方への人口環流が国土全体の「低炭素・循環・共生」化に寄与する政策的根拠を示すとともに、「地方創生」に関わる総合戦略の中で、人口環流や雇用創出と一体化して総合的な効果を上げる環境政策の方向性と手法の提案を行う。

      11 第五次環境基本計画の策定に向けた各種指標の開発、指標の評価方法等の開発、諸施策・総合的環境指標の在り方の検討 九州大学
      馬奈木 俊介
      平成28年度研究報告書 [PDF 3,911KB]
      第四次環境基本計画では、持続可能な社会を実現するために、社会の持続可能性を評価するための指標群を設定し、持続可能性の評価を行うこととしているが、指標群や評価手法は確立していない。また、国際的には、国際連合の新富国指標等において、自然・経済・社会の資本ストックを示す指標群を用いて評価している事例もあるが、途上国に合わせて指標数を限定しているために、これらの指標群は必ずしも各国の事情に対応したものとなっていない。本研究では、次期環境基本計画の策定に向けて、国際的な指標開発の動向も踏まえつつ、我が国の社会の持続可能性を評価するための新たな指標群を開発し、統合的に評価する手法を開発する。また、自治体で指標の利活用の実証を行いつつ、評価結果を諸施策の企画・立案に生かしていくための有効な方策を提案する。

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      総合環境政策局環境計画課環境経済政策調査室
      Tel:03-3581-3351(内線7228)
       
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