国民公園及び千鳥ケ淵戦没者墓苑

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皇居外苑・北の丸公園の桜

121件の記事があります。

2016年03月18日もうすぐ春分(しゅんぶん)、春到来!

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春のお彼岸に入り、東京都心では春らしい暖かい日になりました。あさって(3月20日)は、二十四節気のひとつ「春分(しゅんぶん)」です。春分の日には、昼と夜の長さがほぼ同じ時間になり、この日を境に夏至までの間は昼の時間が長くなっていきます。

<ウグイス(鴬)>

卒業式シーズンを迎え、日本武道館周辺は旅立ちの春を祝う大勢の方々で賑わっています。賑わう一角から少し離れて北の丸公園内の樹林地等を訪れれば、芽吹きはじめた雑木林にキブシなどの木々が花を咲かせ、梢ではウグイスが春の訪れを告げています。

『ケ、キョ、ホケ、キョ』

北の丸公園のウグイスは、どうやらデビューしたての新人さんのようで、一生懸命さえずりの練習中です。

<キブシ(木五倍子)>

ヒュウガミズキ2

<ヒュウガミズキ(日向水木)>

アカバナミツマタ

<アカバナミツマタ(赤花三椏)>

ミツマタの花

<ミツマタ(三椏)>

木瓜の花アップ紅

<ボケ(木瓜)>

清水門コブシ

<コブシ(辛夷)とヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)>

田安門内側サクラ

<北の丸公園内の染井吉野(ソメイヨシノ)>

桜の開花が今か今かと待たれる頃となり、北の丸公園内の染井吉野(ソメイヨシノ)も、堅い花芽の先から蕾が顔を見せはじめていました。

千鳥ヶ淵ボートサクラ

<千鳥ヶ淵の染井吉野(ソメイヨシノ)>

桜の名所として知られる皇居外苑千鳥ヶ淵の染井吉野(ソメイヨシノ)も準備万端です。千鳥ヶ淵さんぽみちの周辺には、いくつか早咲きの桜もありますので、思い思いのコースで街歩きを楽しまれてはいかがでしょうか。

☆近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(千鳥ケ淵戦没者墓苑千鳥ヶ淵緑道及び千鳥ヶ淵ボート場、日本武道館、科学技術館国立公文書館東京国立近代美術館及び工芸館皇居東御苑及び三の丸尚蔵館千代田図書館昭和館しょうけい館(戦傷病者史料館)(順不同))へお問い合わせください。

☆千鳥ヶ淵緑道のライトアップその他、皇居周辺地域におけるお花見等に関する関連情報については、(一社)千代田区観光協会のホームページ「千代田のさくらまつり」をご覧下さい。

<靖国神社の染井吉野(ソメイヨシノ)>

こちらは、気象庁東京管区気象台が東京地方の桜の標本木として選定し、生物季節観測の一環としてサクラの開花日、満開日が観測されている靖国神社の染井吉野(ソメイヨシノ)。花芽の殻をすっかり脱ぎ捨てて、遠目にも蕾がはっきり見えはじめており、今にも咲き出しそうな蕾もありました。

オタマジャクシ

<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)>

昨日の暖かさに北の丸公園の池も温みはじめ、ようやくオタマジャクシらしい形に育ってきたアズマヒキガエルの小さな幼生たちも、水の中で本格的な春の到来を感じているかもしれません。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえたり、園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、水辺でそっと観察してください。

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2016年03月07日北の丸公園のカンヒザクラ(寒緋桜)

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北の丸公園では、カンヒザクラ(寒緋桜)が見ごろを迎えています。

カンヒザクラ清水門満開2

<満開のカンヒザクラ(清水門展望広場/3月4日撮影)>

北の丸公園のカンヒザクラ(寒緋桜)は、清水門近くの花木園エリア(吉田茂像付近)3本と、清水門脇の展望広場の植え込み2本植えられています。

カンヒザクラ蕾の様子

<カンヒザクラの蕾>

カンヒザクラ(寒緋桜)は、中国南部や台湾島などに分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では名前の由来の通り、まだ寒さが残る早春に緋色の花を咲かせ始めます。

カンヒザクラ清水門

<咲き始めの清水門広場のカンヒザクラ(写真撮影は2月24日)>

沖縄県や鹿児島県奄美地方では、この種類でサクラの開花日、満開日が観測され、1月末から2月上旬にかけて沖縄各地で桜まつりが催されます。

西表石垣国立公園に指定されている沖縄県の石垣島(石垣市)には、国の天然記念物(昭47. 5.15指定)となっている「荒川のカンヒザクラ自生地」があり、貴重な自生群落として周辺植生とともに大切に保護されつつ、お花見の名所としても親しまれているそうです。

カンヒザクラアップ

<開花したカンヒザクラの花>

学名に小さな釣り鐘という意味のcampanulata(カンパニュラータ)があてられているとおり、小さなベルのような咲き方の花が特徴のサクラで、早春の青空に愛らしい緋色のベルがよく映えます。

花木園のカンヒザクラ2

カンヒザクラ花木園3

花木園のカンヒザクラ(寒緋桜)(3月4日撮影)

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2016年03月04日啓蟄(けいちつ)から始める

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桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。明日(3月5日)は、二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」です。啓蟄は、冬を越したいきものたちが、春の訪れとともに活動を始める頃とされています。北の丸公園では、早春を彩るサンシュユ(山茱萸)やカンヒザクラ(寒緋桜)の花々が見ごろをむかえています。

サンシュユの花のアップ

<サンシュユ(山茱萸)>

黄色い小さな花々を枝いっぱいに咲かせるようすから「春黄金花(はるこがねばな)」という別名で呼ばれ、浅春(せんしゅん)を彩る代表的な花木のひとつとして親しまれています。

カンヒザクラ

<カンヒザクラ(寒緋桜)>

カンヒザクラ(寒緋桜)は、中国南部や台湾島などに分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では名前の由来の通り、まだ寒さが残る早春に緋色の花を咲かせ始めます。

アセビ

<アセビ(馬酔木)>

本州、四国、九州地方に広く分布し、繁栄をあらわす"お祝いの樹"のひとつとして親しまれている地方もあるそうです。

フキノトウ

<ふきのとう(蕗の薹)>

八百屋さんの店先に山菜が並び始めるのもこの頃からで、さまざまな草木が一斉に芽吹き始めます。山菜に代表されるその季節にしかとれない野菜や果物、お魚などの食材を"旬の恵み"として味わう、日本の家庭で育まれてきた伝統的な食習慣は、和食や食育という形で改めて注目されていますが、毎日の暮らしの中で子供たちに受け継ぎたい大切なことのひとつですね。

アズマヒキガエルの卵塊

<アズマヒキガエルの卵塊>

寒い日が続いて少し心配でしたが、卵塊の中ではオタマジャクシになる準備も進んでいるようです。啓蟄を過ぎると少しづつ池の水も温みだし、都会の森で本格的な春が始まります。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。ふきのとうやアズマヒキガエルの卵塊は、興味本位で採ったりせずに、そっと観察してください。

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2016年02月26日北の丸公園の河津桜(カワヅザクラ)

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北の丸公園では、河津桜(カワヅザクラ)が満開を迎え、ときおり吹く風に花びらがハラハラと舞い始めています。

カワヅザクラ満開

満開の河津桜(2月26日撮影)

北の丸公園の河津桜は、清水門近くの花木園エリア(吉田茂像付近)に1本植えられています。2月はじめの立春の頃、寒桜(カンザクラ)の後を追うように河津桜(カワヅザクラ)がほころびはじめると、ひときわ目をひく艶やかな色合いの花々は遠くからでもよく目立ち、まだ冬枯れの風景の中で春の到来を告げるように大きな存在感を放ちます。

カワヅザクラ早春アップ

河津桜(カワヅザクラ)は、1950年頃、静岡県河津町で発見された自然交雑由来の園芸品種と云われる寒咲きのサクラです。河津町では、原木とされる木も大切に守られており、発見から約60年以上を経た今も、枝いっぱいに艶やかな花を咲かせているそうです。

河津町では、毎年2月から3月にかけて河津川沿いに約3.5㎞に渡って植えられた河津桜の並木を中心とした地域一帯で「河津桜まつり」が催され、国内外から訪れる多くの観光客で大変な賑わいを見せることでも知られています。

カワヅザクラ咲き始め

咲き始めの頃(2月8日撮影)

葉桜になりつつある満開のカワヅザクラ

8分咲きの頃(2月22日撮影)

河津桜(カワヅザクラ)は、伊豆半島に自生するオオシマザクラ(大島桜)と中国南部や台湾島に分布しているカンヒザクラ(寒緋桜)の種間雑種と云われ、その艶やかさの秘密は、濃紅色の花を咲かせるカンヒザクラ(寒緋桜)の遺伝的特徴をほどよく受け継いだことで生み出される日本の伝統色の"桜色(さくらいろ)"よりもくっきりとしたピンク色の花色にあります。咲きはじめの頃から7分、8分咲きの頃にかけては、冴えた花色がいっそう艶やかです。

カワヅザクラの葉

新緑の頃(2015年4月13日撮影)

カワヅザクラの実

実の様子(2015年4月13日撮影)

染井吉野(ソメイヨシノ)が散って、東京のお花見シーズンが終わった頃には、河津桜(カワヅザクラ)はすっかり新緑の葉に覆われ、日差しをいっぱい受けながら次の春の備えを始めています。

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2016年02月19日雨水(うすい)の頃に

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今日は、二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」です。三寒四温という言葉のとおり、この頃になる春めいた日も少しづつ多くなり、春の気配を感じるような暖かな日も増えてきます。雨水の頃は、雪も雨に替わり、草木の芽が出始める頃とされています。北の丸公園でも早春を彩る花木がだいぶ咲き始めてきました。

サンシュユ

<満作(マンサク)>

清水門のシナマンサクとカンヒザクラ

<シナマンサク> 

赤いマンサク

<赤い花を咲かせるマンサクの園芸品種>

梅林の紅白梅

<ウメ> 

北の丸公園では、ウメの花も見頃を迎え、野趣溢れる梅の木々の間を蜜を求めてメジロなどの野鳥が訪れています。

関東随一の梅の名所として名高い茨城県の水戸市では、1842年(天保13年)に水戸藩第九代藩主であった徳川斉昭によって造営され、金沢の兼六園や岡山の後楽園とともに「日本三名園」のひとつに数えられる庭園として知られる『偕楽園』などで、水戸の梅祭りが催されるそうです。

カワヅザクラ満開

<河津桜(カワヅザクラ)>

みごろを向けたやや濃いめのピンク色をしたカワヅザクラの花は、桃源郷に咲く桃の花を連想させます。雨水の日におひな様を飾りつけると良い縁に恵まれると云えられている地方もあるそうです。子供たちを育む伝統的な行事は、大切に受け継ぎたいことのひとつですね。

カエル

<アズマヒキガエル(雄と雌の成体)>

北の丸公園の池では、数日前からカエル合戦が始まりました。日中も、池縁の浅瀬をよく観察すれば、産卵に集まってきたアズマヒキガエルたちに出会えます。

アズマヒキガエルは一昔前までは、東日本ではどこでも見かけるほどたくさんさん生息していたカエルですが、東京23区部では絶滅も危惧されるほど激減しているいきもののひとつです。かつて身近に息づいていた自然を代表するいきもののひとつとして"となりのトトロ"にもちらりと登場したカエルは多分この種類で、個人や学校ビオトープ等での保全活動が行われている例も多くあります。

一方では、東日本のアズマヒキガエルと西日本のニホンヒキガエルが、本来生息していない地域に人為的に持ち込まれ、元々その地域にいた在来種との雑種になってしまっている例も多数報告されています。減っているいきものを守ろうとした善意の放逐も含め、興味本位や無作為の行動による分布域外へのいきものの移入・放逐が、取り返しのつかない生物多様性の低下をもたらしています。

蛙の卵

<アズマヒキガエルの卵塊>

北の丸公園の森や池は、東京都心に残された貴重な緑地となっている皇居周辺に生息しているアズマヒキガエルたちにとっても、命をつなぐために重要な生息地です。繁殖可能な成熟した大人のカエルになるには三年以上かかるため、無数に思える卵から孵ったたくさんのオタマジャクシも、産卵に戻ってこられるのはそのうちの僅か3%以下といわれています。たくさん生まれるオタマジャクシは、トンボの幼虫であるヤゴの食物としても重要で、アズマヒキガエルなどがいないとトンボもいなくなってしまいます。ようやく大きくなることが出来たカエルたちも、普段暮らしていた森から産卵場所の池に向かう途中に、車道でロードキルに遭ってたくさん命を落としています。

「採らない」こと、「放さない」ことの重要性をみんなが知ることが、野生のいきものを守るはじめの一歩です。北の丸公園の池で卵やオタマジャクシを見つけても、むやみに採ったり、どこかに放したりせず、生まれた場所で生きられるよう、みんなでそっと見守ってあげてください。

雨水の頃、奇跡のように受け継がれてきた小さな森のいきものたちを守るために。

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2016年02月15日春一番

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関東地方では、昨日(2月14日)春一番が観測され、各種メディアでは各地から春の便りが続々と報じられていました。

カワヅザクラ

<河津桜(カワヅザクラ)とメジロ>

北の丸公園でも、先週までメジロやヒヨドリが集まっていた寒桜(カンザクラ)が春一番の突風で花吹雪となり、主役が入れ替わるようにカワヅザクラが一気に見ごろになりました。

春一番(関東地方) 2月14日に観測

昨年(2015(平成27)年)は、発生せず

一昨年(2014(平成26)年)は、3月18日に観測

最早記録 2月5日 1988(昭和63)年

最晩記録 3月20日 1972(昭和47)年

気象庁調べ

気象観測所露場パネル

<東京都心の気象観測点・北の丸公園露場(ろじょう)のモニター画面>

関東地方の春一番は、下記の事項を基本として総合的に判断して発表されているそうです。

1)立春から春分までの期間に限る。

2)日本海に低気圧がある。低気圧が発達すればより理想的である。

3)関東地方に強い南風が吹き昇温する。具体的には東京において、最大風速が風力5(風速8.0m/s)以上、風向はWSW-S-ESEで、前日より気温が高い。

カンヒザクラアップ

<寒緋桜(カンヒザクラ)>

清水門脇の展望広場の植え込みでは、カンヒザクラもほころび始めました。沖縄県や鹿児島県奄美地方では、この種類でサクラの開花日、満開日が観測され、1月末から2月上旬にかけて沖縄各地で桜まつりが催されます。沖縄県那覇市のカンヒザクラは、つい先日(2月12日)満開になったようですので、場所によってはもうしばらくお花見が楽しめそうですね。

春一番が観測された昨日の東京都心の気温は、15時の時点で23℃と2月としてはかなり高めの気温だったものの、今日の15時の気温は5.4℃と、どんどん気温が下がり寒い一日になりました。春一番が記録された翌日は冬型の気圧配置となり寒い日が数日続くことが多いそうです。

春一番は吹きましたが、この数日は寒い日が続くようですので、皇居外苑や北の丸公園にお越しの際は、暖かい服装でお出かけ下さい。

☆環境省では、"寒いときには着る、過度に暖房機器に頼らない"という原点に立ち返り、暖房時の室温が20℃でも快適なスタイル"WARM BIZ"(ウォームビズ)"を呼びかけております。

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2016年01月07日寒咲きの花木が咲きはじめています

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暦の上では小寒も過ぎ、いわゆる"寒の入り"の頃となりましたが、暖かい日が続いているこの冬、全国各地から早く咲き始めた春の花がニュースとして伝えられています。

冬枯れの景色が広がる北の丸公園でも、早春の訪れを告げる木の花々が、いつもよりも早く開花しはじめていました。

写真:マンサク(満作)

<マンサク(満作)>

「まず咲く」が名前の由来と云われ、里山に春を告げる花の代表的な木として知られています。北の丸公園では、花木園でいくつかの蕾がほころび始めていました。

写真:ウグイスカグラの小さな花

<ウグイスカグラ(鴬葛)>

春告げ鳥の代表であるウグイスが鳴く頃に咲くことが、この花の名前の由来の一つとも云われています。北の丸公園では、池の西側の園路(通称西大通り)から一つ山側に入った園路の傍らに植えられている木が、日だまりの中ぽつりぽつりと開花しています。

写真:アセビの早咲きの花

<アセビ(馬酔木)>

「この木を食べた馬がまるでに酔ったようにふらふらになった」という逸話から、"馬酔木"という名前でこの木が有毒であることを伝えているというのが、この木の和名の由来とされています。北の丸公園では、工芸館にほど近い下の橋のそばで、スズランの様な可愛らしい花を咲かせていました。

写真:甘い香りが漂うソシンロウバイの花

<ソシンロウバイ(素心蝋梅)>

北の丸公園では、北の丸休憩所(フォレスト北の丸)の前の植え込みに植えられています。黄葉した葉が落ちきらず、まだ枝にたくさん残っていますが、辺り一面には甘い香りが漂っていました。葉の間からのぞき込むと、まんまるの愛らしい蕾がたくさん膨らんでいて、ロウのように透き通った花もだいぶ咲き進んでいました。

カンボケの花の写真

<カンボケ(寒木瓜)>

ボケ(木瓜)の木は、平安時代に中国から渡来したと伝えられ、古くから広く庭木や花鉢として親しまれている代表的な花木の一つです。瓜のような実がなることが名前の由来です。多くの園芸品種が作出されていますが、特に早咲き(寒咲き)の品種群をカンボケ(寒木瓜)として区別します。北の丸公園では、花木園や落葉樹林地などでぽつりぽつりと咲き続けています。

写真:カンザクラ(寒桜)

<カンザクラ(寒桜)>

もともと寒咲きの桜としてよく知られる品種ですが、カンザクラも例年よりだいぶ早く咲き始めています。北の丸公園では、吉田茂像の近くに植えられています。花の蜜を求めて、メジロなどの野鳥たちが大喜びで集まっています。

北の丸公園で、ちょっと気の早い春の花々を探してみてはいかがでしょうか。

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2015年11月06日No.7(北の丸公園グリーンアドベンチャー/子供用コース) 

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北の丸公園グリーンアドベンチャー、子供用コースの設問7番を紹介します。

写真:7番の木の全景

7番の木の全景です。枝を広げながら大きくなり、日本の春の風景を代表する高木で、北の丸公園では3月末から4月はじめの頃、枝いっぱいに花を咲かせます。(写真は 10月9日撮影)

写真:パネル

ヒント

  • ○春にうすいピンクの花が咲くよ。
  • ○春に大勢の人がお花見をしてにぎわうよ。
  • ○一番多く見られる桜の仲間の代表だよ。

写真:淡いピンク色の花

花の様子(写真は3月23日撮影)

葉が出る前に、淡いピンク色の花を3、4個づつ房にして咲かせます。5枚の花びらは一枚一枚分かれています。

7番の問題は、この木の植物名(標準和名)ではなく、この木の仲間で最もよく知られた品種の名前(園芸品種名)が答えです。この品種は、江戸時代に染井村の植木屋さんでつくられたと伝えられ、葉に先駆けて一斉に咲く美しさなどが好まれて日本中に植えられました。

写真:春、満開の花の下で皆が楽しむ様子

お花見の様子(写真は3月31日撮影)
この木の花が咲き始めると、全国各地で「お花見」をする様子が見られます。

写真:ボートに乗りながらこの木の花を楽しむ様子

北の丸公園に隣接する皇居のお濠のひとつである千鳥ヶ淵の周辺には、この種類の木が約400本も植栽されており、千鳥ヶ淵緑道公園(千代田区立)に併設されたボート場からは、ボートに乗って水辺のお花見を楽しむこともできます。

写真:模様が美しい樹皮の様子

樹皮の様子

若い樹皮は、縞模様になります。(撮影は10月9日)

横向きの皺しわ(皮目ひもく)が特徴で、樹皮で茶筒などの工芸品や漢方薬、染料にも使われます。

写真:葉の付け根(葉柄(ようへい)の部分)に密線という小さな時が2つついている

葉っぱの軸(葉柄)に密線と呼ばれるイボ状の2つの突起がついているのがこの木の仲間に共通の特徴です。

写真:紅や黄色に紅葉した葉の様子

紅葉した葉の様子(写真は11月4日撮影)

春の花の時とは異なり、秋の紅葉は一度に色を変えるのではなく、気温の低下とともに少しずつ黄色から赤へと色を変えながらハラハラと葉を落していきます。

写真:紅葉する葉の陰で春の花のつぼみが出来ている様子

紅葉した葉っぱと並んだ冬芽の中では、春に花を咲かせるための準備がゆっくりと始まっています。

さて、この木の名前は何でしょう?

答えは、ぜひ北の丸公園に確かめに来て下さい。


図:北の丸公園グリーンアドベンチャー、子供用コースNo.7の位置図です


☆コースのご案内や解答用紙のダウンロードは、北の丸公園グリーンアドベンチャーのご案内をご覧下さい。

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2015年04月16日北の丸公園の自然

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4月16日の北の丸公園自然情報をお届けします。

4月も中旬を迎え、明るい日差しの中で遅咲きの桜も次々と見頃を迎えています。すぐ近くではハナミズキやツツジなど晩春の花たちも開き始めました。

写真:吉田茂像の前で開き始めたハナミズキ

吉田茂像の前で開き始めたハナミズキ

写真:吉田茂像横の福禄寿(フクロクジュ)の様子

吉田茂像横の福禄寿(フクロクジュ)の様子

写真:花木園の関山(カンザン)とキリシマツツジ

花木園の関山(カンザン)とキリシマツツジ

写真:武道館近くの松月(ショウゲツ)

武道館近くの松月(ショウゲツ)

写真:武道館近くの普賢象(フゲンゾウ)

武道館近くの普賢象(フゲンゾウ)

写真:花木園の梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)

花木園の梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)

写真:梅護寺数珠掛桜の近くにある菊桜(キクザクラ)

梅護寺数珠掛桜の近くにある菊桜(キクザクラ)

写真:園内で咲き始めたキリシマツツジ

園内で咲き始めたキリシマツツジ

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2015年04月13日北の丸公園の自然

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4月13日の北の丸公園自然情報をお届けします。

北の丸公園の遅咲きの桜も全て開花しました。見頃はまだ続きます。珍しい菊桜(キクザクラ)や梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)も是非お楽しみ下さい。

写真:吉田茂象の周辺

吉田茂象の周辺は今が見頃です。

写真:八重紅虎の尾(ヤエベニトラノオ)

八重紅虎の尾(ヤエベニトラノオ)

まだこんなに見事に咲いています。

写真:福禄寿(フクロクジュ)

福禄寿(フクロクジュ)

写真:梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)

梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)

写真:菊桜(キクザクラ)

菊桜(キクザクラ)

写真:御衣装(ギョイコウ)

御衣装(ギョイコウ)

写真:鬱金(ウコン)

鬱金(ウコン)

写真:関山(カンザン)

関山(カンザン)

写真:ウワミズザクラ (サクラの仲間)

ウワミズザクラ (サクラの仲間)

バラ科のウワミズザクラ属に分類される(※)サクラの仲間です。

  • (※)分類方法は諸説有ります。

画像:北の丸公園地区案内図

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