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バックナンバー2016

82件の記事があります。

2016年03月14日No.5北の丸公園グリーンアドベンチャー/子供用コース

皇居外苑バックナンバー2016 / 北の丸公園グリーンアドベンチャー / 北の丸公園ブログ / 春の花

北の丸公園グリーンアドベンチャー、子供用コースの設問5番を紹介します。

この木の全形

5番の木の全景です。冬から春にかけて紅い花を咲かせる常緑樹を代表する樹種の一つで、北の丸公園では12月頃から4月頃まで冬の森に暖かな色合いの差し色を添えてくれます。(写真は 1月7日撮影)

パネル

ヒント

○冬から春に赤い花が咲くよ。

○実から取れる油は髪の毛をきれいにするよ。

○鳥が密を吸いにくるよ。

花の様子(写真は1月7日撮影)

この花は、蜜を求めて集まってきた鳥に花粉を運んでもらう鳥媒花(ちょうばいか)で、長く伸びたおしべにはたくさんの花粉を蓄えています。

5番の木の標準和名は「ヤブ〇〇〇」で、文字通り藪状に茂ることが名前の由来になっている〇〇〇科を代表する原種のひとつです。日本では本州から九州、沖縄地方の沿岸から山地にかけて広く分布します。

ピンク色の花

ピンク色で八重咲きの品種(写真は12月14日撮影)

この種類の木は、花を観賞するために古くから園芸品種が作出されており、さまざまな花色、花形の品種が知られています。

この花の実。

実の様子(写真は6月17日撮影)

直径4、5㎝の球形の実は厚い果皮に覆われており、中には2、3個の種が入っています。

実の様子

種の様子(写真は1月7日撮影)

この木の種からは良質な油が採れることでも知られており、古くから食用油や整髪料、燃料油として活用されてきた他、現代ではシャンプーや化粧品などの原料としても幅広く利用されています。

葉っぱの様子

葉の様子(写真は1月7日撮影)

葉はふちに鋸歯(きょし)と呼ばれるギザギザがあり、肉厚で表面がつやつやしています。弱い光でも光合成できるように葉緑素をたくさん持っために厚い葉になり、表面はロウの様に水をはじき、つやつやしたクチクラ層に覆われています。クチクラ層のおかげで葉は乾燥から身を守る事ができます。

そんな葉の様子から、厚葉木(厚い葉の木)、艶葉木(艶(つや)のある葉の木)と呼ばれ、今の名になったと言われています。

樹皮の様子

樹皮の様子(写真は12月18日撮影)

樹皮は灰白色でやや滑らかです。

ツバキ 花盛り

満開の花(写真は3月1日撮影)

枝いっぱいに咲く濃く赤い色の花と緑色の葉の色の対比がとても鮮やかです。

さてこの木は何でしょう?

北の丸公園では、落葉樹林地の周辺や園路脇などの常緑樹林帯に植えられています。樹高が10m以上になるものもあり、年末から年始のまだ花の少ない時期に花が開き始めると、ヒヨドリやメジロが次々と集まり賑やかです。答えはぜひ北の丸公園に確かめに来て下さい。

図:北の丸公園グリーンアドベンチャー、子供用コースNo.5の位置図です

☆コースのご案内や解答用紙のダウンロードは、北の丸公園グリーンアドベンチャーのご案内をご覧下さい。

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2016年03月11日♪♪春よ来い♪♪

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園カエル通信 / 北の丸公園ブログ / 春の花

北の丸公園では、トサミズキ(土佐水木)やハクモクレン(白木蓮)などの早春の花木が見ごろをむかえ、寒の戻りで肌寒い北の丸公園の風景に、春色の花々がやさしい差し色を添えています。

トサミズキアップ

<トサミズキ(土佐水木)>

ハクモクレン一輪

<ハクモクレン(白木蓮)>

※北の丸公園のハクモクレンは、今年は花付が少ないです。

アセビ

<アセビ(馬酔木)>

ヒマラヤヒザクラ2

ヒマラヤヒザクラ 花と葉

<ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)>

清水門の展望広場の片隅で、ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)が満開をむかえていました。ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)は、中国南部からネパールにかけて分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では、非常によく似た花を咲かせるカンヒザクラ(寒緋桜)と同じ頃に緋色の花を咲かせます。

2016年に孵化したアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)の写真です。

<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)(3月11日撮影)>

北の丸公園の池では、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)がたくさん孵化していました。孵化してまだ間もない小さなオタマジャクシたちは、低い水温に負けないように肩を寄せ合いながら、間もなく訪れる暖かな春を静かに待っているかのように浅瀬の水底に集まっています。

♪♪春よ来い、早く来い♪♪

ゆらゆらと浮かんでいる小さな小さなオタマジャクシ(♪)を眺めていると、そんな春待ち歌がそこかしこで奏でられているようです。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえたり、園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、水辺でそっと観察してください。

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2016年03月07日北の丸公園のカンヒザクラ(寒緋桜)

皇居外苑バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 春の花 / 皇居外苑・北の丸公園の桜

北の丸公園では、カンヒザクラ(寒緋桜)が見ごろを迎えています。

カンヒザクラ清水門満開2

<満開のカンヒザクラ(清水門展望広場/3月4日撮影)>

北の丸公園のカンヒザクラ(寒緋桜)は、清水門近くの花木園エリア(吉田茂像付近)3本と、清水門脇の展望広場の植え込み2本植えられています。

カンヒザクラ蕾の様子

<カンヒザクラの蕾>

カンヒザクラ(寒緋桜)は、中国南部や台湾島などに分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では名前の由来の通り、まだ寒さが残る早春に緋色の花を咲かせ始めます。

カンヒザクラ清水門

<咲き始めの清水門広場のカンヒザクラ(写真撮影は2月24日)>

沖縄県や鹿児島県奄美地方では、この種類でサクラの開花日、満開日が観測され、1月末から2月上旬にかけて沖縄各地で桜まつりが催されます。

西表石垣国立公園に指定されている沖縄県の石垣島(石垣市)には、国の天然記念物(昭47. 5.15指定)となっている「荒川のカンヒザクラ自生地」があり、貴重な自生群落として周辺植生とともに大切に保護されつつ、お花見の名所としても親しまれているそうです。

カンヒザクラアップ

<開花したカンヒザクラの花>

学名に小さな釣り鐘という意味のcampanulata(カンパニュラータ)があてられているとおり、小さなベルのような咲き方の花が特徴のサクラで、早春の青空に愛らしい緋色のベルがよく映えます。

花木園のカンヒザクラ2

カンヒザクラ花木園3

花木園のカンヒザクラ(寒緋桜)(3月4日撮影)

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2016年03月04日啓蟄(けいちつ)から始める

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桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。明日(3月5日)は、二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」です。啓蟄は、冬を越したいきものたちが、春の訪れとともに活動を始める頃とされています。北の丸公園では、早春を彩るサンシュユ(山茱萸)やカンヒザクラ(寒緋桜)の花々が見ごろをむかえています。

サンシュユの花のアップ

<サンシュユ(山茱萸)>

黄色い小さな花々を枝いっぱいに咲かせるようすから「春黄金花(はるこがねばな)」という別名で呼ばれ、浅春(せんしゅん)を彩る代表的な花木のひとつとして親しまれています。

カンヒザクラ

<カンヒザクラ(寒緋桜)>

カンヒザクラ(寒緋桜)は、中国南部や台湾島などに分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では名前の由来の通り、まだ寒さが残る早春に緋色の花を咲かせ始めます。

アセビ

<アセビ(馬酔木)>

本州、四国、九州地方に広く分布し、繁栄をあらわす"お祝いの樹"のひとつとして親しまれている地方もあるそうです。

フキノトウ

<ふきのとう(蕗の薹)>

八百屋さんの店先に山菜が並び始めるのもこの頃からで、さまざまな草木が一斉に芽吹き始めます。山菜に代表されるその季節にしかとれない野菜や果物、お魚などの食材を"旬の恵み"として味わう、日本の家庭で育まれてきた伝統的な食習慣は、和食や食育という形で改めて注目されていますが、毎日の暮らしの中で子供たちに受け継ぎたい大切なことのひとつですね。

アズマヒキガエルの卵塊

<アズマヒキガエルの卵塊>

寒い日が続いて少し心配でしたが、卵塊の中ではオタマジャクシになる準備も進んでいるようです。啓蟄を過ぎると少しづつ池の水も温みだし、都会の森で本格的な春が始まります。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。ふきのとうやアズマヒキガエルの卵塊は、興味本位で採ったりせずに、そっと観察してください。

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2016年02月29日北の丸公園ひと駅さんぽ【神保町駅(A9番口)から竹橋交差点】

皇居外苑バックナンバー2016 / バリアフリー情報 / 北の丸公園ひと駅さんぽ / 北の丸公園ブログ

神保町駅(エレベーターがある9番出入口)を起点に、平川門交差点と竹橋交差点(下図の印)を経由して、北の丸公園方面に向かうバリアフリールートをご案内いたします。

エレベーター等のバリアフリー設備が整った神保町駅(A9出入口)から、白山通りと内堀通りが交差する平川門交差点を経由して、竹橋交差点(下図の印/竹橋駅1b出入口付近)までの道のりは、約655m、ゆっくり歩いて約13分のひと駅さんぽです。

神保町駅(EVのある9番出入口)から竹橋交差点を経由して東京国立近代美術館や国立公文書館、科学技術館等がある北桔橋門口方面や工芸館がある乾門口までのバリアフリー経路図です

<神保町駅(エレベーターがある9番出入口)から竹橋交差点までのバリアフリー経路図>

エレベーター(地上出入口)

神保町駅のA9番出入口に設置されています。

車いす昇降機(地上出入口)

竹橋駅の2番出入口(神保町駅は、靖国通り側のA1番出入口)に設置されています。

※竹橋駅の2番出入口付近では、大手濠緑地広場を全面閉鎖して地下鉄のエレベーター設置工事が行われており、同工事の期間中は大手濠緑地広場は使用出来なくなっております。この区間を通過するランナーや自転車をご利用の皆様におかれましては、歩行者優先で、とりわけ車いすやベビーカーを使用されている方々等に配慮してご通行ください。

神保町駅(A9出入口)から、北の丸公園の北桔橋門口までは約952mゆっくり歩いて約19分ほど、乾門口までは約1.16㎞ゆっくり歩いて約23分。少し歩行距離はありますが、階段の上り下りが困難な方々やベビーカーを使用されている方々等は、ご自身の体調や状況に応じて、エレベーターのある神保町駅まで、散策がてらのんびり迂回するのも選択枝の一つです。

※神保町駅出入口の詳しい位置や運用時間、駅構内のバリアフリー設備、エレベーターの運行状況等については、神保町駅(都営地下鉄三田線・新宿線東京メトロ半蔵門線(順不同))へお問い合わせください。

※神保町駅に相互直通運転で乗り入れている各鉄道駅構内のバリアフリー情報は、ご利用になる最寄り駅(東急電鉄目黒線京王電鉄京王線東急電鉄田園都市線東武鉄道伊勢崎線日光線(順不同))にお問い合わせください。

神保町駅(EVのある9番出入口)から平川門交差点方面への導線をご案内している写真です

<神保町駅A9番出入口>

神保町駅(EVのある9番出入口)から白山通りを平川門交差点方面への導線をご案内している写真です

神保町駅の地上行きエレべーターはA9番出入口に設置されています。今回はA9出口から、平川門交差点方面(南)に向かって白山通りを進みます。

学士会館前にある我が国の大学発祥の地、東京大学発祥の地の石碑を写した写真です

<我が国の大学発祥の地/東京大学発祥の地の石碑(学士会館)>

神保町駅A9番出入口の直ぐお隣の重厚な建物は、国の登録有形文化財にも指定されている学士会館です。敷地内には我が国の大学発祥の地、東京大学発祥の地の石碑、新島襄先生生誕地の碑、日本野球発祥の地の記念碑など建てられています。近代史の舞台となったことでも知られていますが、最近はドラマのロケ地として使用されたことで幅広い世代の方々にも親しまれる場にもなっているそうです。

日本橋川に架かる白山通りの「一ツ橋」を写した写真です。

<一ツ橋>

白山通りの一ツ橋河岸交差点の直ぐ先に一ツ橋(ひとつばし)が架かっています。古来から日本橋川と小石川(現白山通り)の合流点に架かっていた橋と伝えられ、自然発生的に呼称されていた"ひとつばし"という呼び名が橋名の由来であり、後になるとこの辺り一帯を示す地名としても使われるようになったそうです。この橋の下には、首都高速都心環状線等の高架に覆われるように日本橋川が流れています。

<一橋徳川家屋敷跡>

一橋家は、現在の北の丸公園として公開されている地に居を構えていた田安家や清水家とともに、徳川御三卿のひとつに数えられる家柄で、その屋敷地は、江戸城一橋門内一帯(現在の丸紅本社ビルあたりから気象庁や大手町合同庁舎あたり)にまで広がっていたと伝えられます。

平川門交差点を竹橋方面に向かう横断歩道の様子を写した写真です

<平川門交差点>
内堀通りと白山通りが交わる交差点です。竹橋駅や北の丸公園は、この丁字路を右(西)に曲がり内堀通りを竹橋交差点方面に進みます。

白山通りは、この平川門交差点(千代田区)を起点に千石前交差点(文京区)までの「都道301号白山祝田田町線」と、西巣鴨交差点(豊島区)までの「国道17号線」を合わせた道路の通称です。

平川門橋を白山通りの平川門交差点付近から見た様子を写した写真です

<平川門橋>

平川門交差点の横断歩道を皇居のお濠側に渡って直ぐ右手には、皇居東御苑の参観口の一つとして利用されている平川門があります。神保町駅A9番出入口から平川門付近までは、約550m、ゆっくり歩いて約11分です。平川門から最寄りの竹橋駅にはエレベーターがありませんので、階段の上り下りが困難な方々やベビーカーを使用されている方々が皇居東御苑を参観される場合は、エレベーターが設置されている神保町駅A9番出入口を利用されることも選択枝の一つです。

平川門交差点から竹橋交差点方面に向かう内堀通りの歩道を写したです

<内堀通り風景・竹橋交差点を臨む街路樹(エンジュ)>

竹橋駅1b出入口付近の内堀通りを写した写真です

<竹橋駅1b番出入口>

竹橋駅を利用される方で、階段の上り下りに支障が無い方は、この1b番出入口が北の丸公園方面(北桔橋門口・乾門口)に向かう場合の最寄り出入口になります。

竹橋駅1b番出入口には、エレベーターや車いす昇降機は設置されていません。内堀通り沿いにある2番出口には車いす昇降機が設置されていますが、2番出口までの歩行距離は、エレベーターがある神保町駅A9出入口と余り変わらないので、階段の上り下りが困難な方々やベビーカーを使用されている方々等は、ご自身の体調や状況に応じて、エレベーターのある神保町駅(A9出入口)まで、散策がてらのんびり迂回するのも選択枝の一つです。

経由地の竹橋交差点付近を写した写真です

<竹橋交差点>

経由地の竹橋交差点(印)に着きました。

歩いてみると意外と近い神保町駅からの"ひと駅さんぽ"。ここから北の丸公園の北桔橋門口(東京国立近代美術館、国立公文書館、科学技術館)までは約300m、ゆっくり歩いて約6分、乾門口(工芸館)までは約500mゆっくり歩いて約10分ほどです。

※竹橋駅2番出入口から北の丸公園の北桔橋門口や乾門口に向かうバリアフリー経路は、こちらをご覧ください。

※竹橋駅2番出入口からから、高齢者総合サポートセンターかがやきプラザや同施設に移転・合築された九段坂病院、九段下交差点等を経由して北の丸公園(田安門口)方面に向かうバリアフリー経路はこちらをご覧下さい。

※近隣の文化施設等の開館・開園状況やバリアフリー設備の設置状況等については、各文化施設等(しょうけい館(戦傷病者史料館)昭和館、日本武道館、千代田図書館東京国立近代美術館及び工芸館国立公文書館科学技術館千鳥ケ淵戦没者墓苑千鳥ヶ淵緑道及び千鳥ヶ淵ボート場(順不同))へお問い合わせください。

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2016年02月26日北の丸公園の河津桜(カワヅザクラ)

皇居外苑バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 春の花 / 皇居外苑・北の丸公園の桜

北の丸公園では、河津桜(カワヅザクラ)が満開を迎え、ときおり吹く風に花びらがハラハラと舞い始めています。

カワヅザクラ満開

満開の河津桜(2月26日撮影)

北の丸公園の河津桜は、清水門近くの花木園エリア(吉田茂像付近)に1本植えられています。2月はじめの立春の頃、寒桜(カンザクラ)の後を追うように河津桜(カワヅザクラ)がほころびはじめると、ひときわ目をひく艶やかな色合いの花々は遠くからでもよく目立ち、まだ冬枯れの風景の中で春の到来を告げるように大きな存在感を放ちます。

カワヅザクラ早春アップ

河津桜(カワヅザクラ)は、1950年頃、静岡県河津町で発見された自然交雑由来の園芸品種と云われる寒咲きのサクラです。河津町では、原木とされる木も大切に守られており、発見から約60年以上を経た今も、枝いっぱいに艶やかな花を咲かせているそうです。

河津町では、毎年2月から3月にかけて河津川沿いに約3.5㎞に渡って植えられた河津桜の並木を中心とした地域一帯で「河津桜まつり」が催され、国内外から訪れる多くの観光客で大変な賑わいを見せることでも知られています。

カワヅザクラ咲き始め

咲き始めの頃(2月8日撮影)

葉桜になりつつある満開のカワヅザクラ

8分咲きの頃(2月22日撮影)

河津桜(カワヅザクラ)は、伊豆半島に自生するオオシマザクラ(大島桜)と中国南部や台湾島に分布しているカンヒザクラ(寒緋桜)の種間雑種と云われ、その艶やかさの秘密は、濃紅色の花を咲かせるカンヒザクラ(寒緋桜)の遺伝的特徴をほどよく受け継いだことで生み出される日本の伝統色の"桜色(さくらいろ)"よりもくっきりとしたピンク色の花色にあります。咲きはじめの頃から7分、8分咲きの頃にかけては、冴えた花色がいっそう艶やかです。

カワヅザクラの葉

新緑の頃(2015年4月13日撮影)

カワヅザクラの実

実の様子(2015年4月13日撮影)

染井吉野(ソメイヨシノ)が散って、東京のお花見シーズンが終わった頃には、河津桜(カワヅザクラ)はすっかり新緑の葉に覆われ、日差しをいっぱい受けながら次の春の備えを始めています。

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2016年02月22日No.6(北の丸公園グリーンアドベンチャー/子供用コース)

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北の丸公園グリーンアドベンチャー、子供用コースの設問6番を紹介します。

no.6全形

6番の木の全景です。

万葉のころから早春の代表花として親しまれてき落葉中高木です。北の丸公園では1月からぽつりぽつりと寒咲きの花が開花し、3月始めまで枝いっぱいに花を咲かせます。(2月15日撮影)

№6パネル

ヒント

○春早く、よい香りの白や紅の花が

○実から梅干しやお酒を作るよ。

○葉は薄く卵形で、小さなギザギザがあるよ。

白花アップ

6番の木は、白い花が咲く品種です。一重咲きの品種は花びらが5枚です。(2月15日撮影)

紅い花

濃い紅色の花を咲かせる品種や・・・、

珍しい紅白咲き分けの花

紅白咲き分けの花を咲かせる品種もあります。

この種類の木は、花を観賞する目的で改良された種類だけでも、白から紅色までさまざまな花色や八重咲きのもの、寒咲きから遅咲きまで揃っており、枝が枝垂れる種類等も含めて、非常に多くの品種が作り出されています。

実の様子

熟した実の様子(写真は6月9日撮影)

花を愛でる庭木として植えられる他、実を取るための果樹として日本各地で広くに栽培されています。この果実は、日本独特のすっぱい塩漬けとして知られる「〇〇ぼし」や、果実酒としてひろく親しまれている「〇〇酒」等の原材料として日本の食文化を支える重要な農産品として重要で、手作りの〇〇干しや○○酒、ジャム、シロップ漬け、〇〇ジュースの材料として季節になると八百屋さんやスーパーマーケットに出回る旬の味として一般家庭でも広く親しまれています。

葉の様子

葉の様子

葉はやわらかく少し波打ちます。

樹皮

樹皮の様子

古くなるとごつごつした樹皮が特徴になります。

メジロ

花の蜜を吸いに来るメジロ

早春の虫の少ない時期に咲く花のため甘い香りで小鳥を誘い、蜜を提供するかわりに花粉を運んでもらいます。ウグイスやメジロなどがよく密をなめにくるため、春を表す慣用句として「〇〇にウグイス」という言葉もよく知られています。

北の丸公園にあるこの樹種は、この木の名所として知られる各地の庭園や寺社、果樹園等で見られるようなきちんと整えた姿ではなく、樹林に囲まれるような場所に植えられているため下枝も少なく、どちらかというと野趣あふれる姿のものが多いです。この樹種のように庭や畑等、人家の周りに植えられるような花木や果樹等も、都心に造られた里山的環境を形成するには必要な樹種のひとつといえます。お花を鑑賞するには少し難があるかもしれませんが、甘い蜜を求めて枝から枝へ野鳥が飛びまわる都会の森ならではの風景として、是非お楽しみください。

さて、この木の名前は何でしょう?

答えは、ぜひ北の丸公園に確かめに来て下さい。

図:北の丸公園グリーンアドベンチャー、子供用コースNo.6の位置図です

☆コースのご案内や解答用紙のダウンロードは、北の丸公園グリーンアドベンチャーのご案内をご覧下さい。

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2016年02月19日雨水(うすい)の頃に

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今日は、二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」です。三寒四温という言葉のとおり、この頃になる春めいた日も少しづつ多くなり、春の気配を感じるような暖かな日も増えてきます。雨水の頃は、雪も雨に替わり、草木の芽が出始める頃とされています。北の丸公園でも早春を彩る花木がだいぶ咲き始めてきました。

サンシュユ

<満作(マンサク)>

清水門のシナマンサクとカンヒザクラ

<シナマンサク> 

赤いマンサク

<赤い花を咲かせるマンサクの園芸品種>

梅林の紅白梅

<ウメ> 

北の丸公園では、ウメの花も見頃を迎え、野趣溢れる梅の木々の間を蜜を求めてメジロなどの野鳥が訪れています。

関東随一の梅の名所として名高い茨城県の水戸市では、1842年(天保13年)に水戸藩第九代藩主であった徳川斉昭によって造営され、金沢の兼六園や岡山の後楽園とともに「日本三名園」のひとつに数えられる庭園として知られる『偕楽園』などで、水戸の梅祭りが催されるそうです。

カワヅザクラ満開

<河津桜(カワヅザクラ)>

みごろを向けたやや濃いめのピンク色をしたカワヅザクラの花は、桃源郷に咲く桃の花を連想させます。雨水の日におひな様を飾りつけると良い縁に恵まれると云えられている地方もあるそうです。子供たちを育む伝統的な行事は、大切に受け継ぎたいことのひとつですね。

カエル

<アズマヒキガエル(雄と雌の成体)>

北の丸公園の池では、数日前からカエル合戦が始まりました。日中も、池縁の浅瀬をよく観察すれば、産卵に集まってきたアズマヒキガエルたちに出会えます。

アズマヒキガエルは一昔前までは、東日本ではどこでも見かけるほどたくさんさん生息していたカエルですが、東京23区部では絶滅も危惧されるほど激減しているいきもののひとつです。かつて身近に息づいていた自然を代表するいきもののひとつとして"となりのトトロ"にもちらりと登場したカエルは多分この種類で、個人や学校ビオトープ等での保全活動が行われている例も多くあります。

一方では、東日本のアズマヒキガエルと西日本のニホンヒキガエルが、本来生息していない地域に人為的に持ち込まれ、元々その地域にいた在来種との雑種になってしまっている例も多数報告されています。減っているいきものを守ろうとした善意の放逐も含め、興味本位や無作為の行動による分布域外へのいきものの移入・放逐が、取り返しのつかない生物多様性の低下をもたらしています。

蛙の卵

<アズマヒキガエルの卵塊>

北の丸公園の森や池は、東京都心に残された貴重な緑地となっている皇居周辺に生息しているアズマヒキガエルたちにとっても、命をつなぐために重要な生息地です。繁殖可能な成熟した大人のカエルになるには三年以上かかるため、無数に思える卵から孵ったたくさんのオタマジャクシも、産卵に戻ってこられるのはそのうちの僅か3%以下といわれています。たくさん生まれるオタマジャクシは、トンボの幼虫であるヤゴの食物としても重要で、アズマヒキガエルなどがいないとトンボもいなくなってしまいます。ようやく大きくなることが出来たカエルたちも、普段暮らしていた森から産卵場所の池に向かう途中に、車道でロードキルに遭ってたくさん命を落としています。

「採らない」こと、「放さない」ことの重要性をみんなが知ることが、野生のいきものを守るはじめの一歩です。北の丸公園の池で卵やオタマジャクシを見つけても、むやみに採ったり、どこかに放したりせず、生まれた場所で生きられるよう、みんなでそっと見守ってあげてください。

雨水の頃、奇跡のように受け継がれてきた小さな森のいきものたちを守るために。

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2016年02月15日春一番

皇居外苑バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 春の花 / 気象観測 / 皇居外苑・北の丸公園の桜

関東地方では、昨日(2月14日)春一番が観測され、各種メディアでは各地から春の便りが続々と報じられていました。

カワヅザクラ

<河津桜(カワヅザクラ)とメジロ>

北の丸公園でも、先週までメジロやヒヨドリが集まっていた寒桜(カンザクラ)が春一番の突風で花吹雪となり、主役が入れ替わるようにカワヅザクラが一気に見ごろになりました。

春一番(関東地方) 2月14日に観測

昨年(2015(平成27)年)は、発生せず

一昨年(2014(平成26)年)は、3月18日に観測

最早記録 2月5日 1988(昭和63)年

最晩記録 3月20日 1972(昭和47)年

気象庁調べ

気象観測所露場パネル

<東京都心の気象観測点・北の丸公園露場(ろじょう)のモニター画面>

関東地方の春一番は、下記の事項を基本として総合的に判断して発表されているそうです。

1)立春から春分までの期間に限る。

2)日本海に低気圧がある。低気圧が発達すればより理想的である。

3)関東地方に強い南風が吹き昇温する。具体的には東京において、最大風速が風力5(風速8.0m/s)以上、風向はWSW-S-ESEで、前日より気温が高い。

カンヒザクラアップ

<寒緋桜(カンヒザクラ)>

清水門脇の展望広場の植え込みでは、カンヒザクラもほころび始めました。沖縄県や鹿児島県奄美地方では、この種類でサクラの開花日、満開日が観測され、1月末から2月上旬にかけて沖縄各地で桜まつりが催されます。沖縄県那覇市のカンヒザクラは、つい先日(2月12日)満開になったようですので、場所によってはもうしばらくお花見が楽しめそうですね。

春一番が観測された昨日の東京都心の気温は、15時の時点で23℃と2月としてはかなり高めの気温だったものの、今日の15時の気温は5.4℃と、どんどん気温が下がり寒い一日になりました。春一番が記録された翌日は冬型の気圧配置となり寒い日が数日続くことが多いそうです。

春一番は吹きましたが、この数日は寒い日が続くようですので、皇居外苑や北の丸公園にお越しの際は、暖かい服装でお出かけ下さい。

☆環境省では、"寒いときには着る、過度に暖房機器に頼らない"という原点に立ち返り、暖房時の室温が20℃でも快適なスタイル"WARM BIZ"(ウォームビズ)"を呼びかけております。

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2016年02月12日思いのままに

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 春の花 / 皇居外苑・北の丸公園の梅

立春を過ぎ各地から梅の便りが届いていますが、北の丸公園のウメも少しずつ咲き進んで来ました。

咲き分けの梅 紅

<桃色のウメ>

咲き分け 白

<うっすらと絞り咲きのウメ>

この2枚の写真のお花は、実は一本の木に咲いている梅の花です。

咲き開けの梅の花 紅白

<咲き分けの様子(梅林)>

北の丸公園には、同じ木に紅い花や白い花、紅白混じり合った絞り咲きの花などを、枝によって咲き分ける梅の木が2本あり、花好きのお客様からは「紅い花と白い花が一緒に咲く梅の木はどこですか?」と毎年お尋ねいただくほどで、知る人は知る"隠れた人気者"です。

武道館近く咲き分け梅白

<白い花(武道館近くの木)>

武道館近く咲き分け梅紅

<紅い花(武道館近くの木)>

咲き分けの梅としては"思いのまま"という園芸品種がよく植えられていますが、北の丸公園の咲き分け梅も、"思いのまま"でしょうか。

咲き分け梅林全体

<咲き分けの梅(梅林内の木)>

おもいのまま樹形

<咲き分けの梅(武道館近くの木)>

北の丸公園の咲き枠の梅は2本とも少々元気がなくなっており、現在は支柱を添えられて養生中の姿です。下枝もあまりないため、咲き分ける花々を間近にはご覧いただけないのが残念ですが、みんなで大事にしていけば、また元気を取り戻して枝いっぱいに咲き分ける愛らし花を見せてくれることでしょう。

梅林の梅

梅にメジロ

<梅にメジロ>

梅の木がまとまって植えられていることから"梅林"と呼ばれている一角では、甘い香りを辺りに漂わせながらポツリポツリと先進む早咲きのウメの木々の間をメジロの小さな群れが忙しそうに飛び回り、小枝に留まってはうれしそうに花の蜜をなめていました。

約50年前に森林公園として造営された北の丸公園では、園内に点在するウメやカンザクラ、ツバキなどのそばでしばらく静かに待っていると、どこからともなくメジロやシジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、コゲラなどのさまざまな野鳥たちがやってきては、蜜をなめたり幹に隠れた虫をつついてみたり、まるで早春の森でピクニックを思いのままに楽しんでいるような様子を眺める事ができます。

皇居外苑(皇居前広場)の最寄り駅

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北の丸公園の最寄り駅

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