Lifestyle Innovation ライフスタイル イノベーション

環境省

アイコン積雪寒冷地における高齢福祉施設の低炭素化と
健康性等の評価モデル構築

日本データサービス株式会社

概要

積雪寒冷地における高齢福祉施設の低炭素化と健康性等に関わる、NEBとした「健康」「快適性」「社会性(コミュニケーション等)」について、NEB評価指標や、温度・湿度等の説明変数を用いて考え方を体系的に整理した。また、高齢福祉施設の運営主体に対し、入居者の快適性や社会性の向上が、施設満足度向上などのNEBや、光熱費削減などのEBに繋がることについても仮説を立て、体系的に整理を行った。

NEB/EB

NEB・・健康等の評価モデルを下図のように検討した。

EB・・住居性能向上による光熱費・CO2削減効果

試行実験

過年度業務で札幌市内3カ所の高齢福祉施設に設置した温湿度計(50カ所程度)を用いて、平成27年4月〜平成28年2月まで連続計測を行い、各施設の物理的な温熱環境の特徴を把握した。なお4〜8月については、受託者側で実施する計測データを用いた。
また、冬期(12〜1月)に短期計測として、各施設4カ所程度の居室を対象に赤外線サーモグラフィを用いた表面温度計測等を実施した。
健康性評価のため、リストバンド型活動量計を用いて入居高齢者30名程度の活動量や睡眠時間等の定量的なデータを測定した。
さらに、熱中症発生が懸念される夏期や、気温が急変する中間期(春・秋)での暖房等の使用状況を把握するため、温湿度計測を実施する居室等の入居者50名を対象とし、介護度進行予防のためのチェックリストを活用した追加アンケート調査を10月に実施した。また、11〜12月に冬期の追加アンケート調査を行い健康性、快適性、活動量を把握した。

NEB活用の方向性

本調査は、自立した介護のいらない健康な高齢者を増やすことがNEBやEBに繋がることを想定して企画した。このため、ケアハウスや軽費老人ホームなどの介護不要な高齢者が入居する施設での居住環境を検討したと言える。この結果は、同様な施設となるサービス付き高齢者住宅や、最近話題となっている日本版CCRC(首都圏等の高齢者が自らの希望で地方に移住し、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療介護が必要な時には継続的なケアを受けることができるような地域づくり)の概念の中での居住施設の考え方にも応用できると考えられる。