Lifestyle Innovation ライフスタイル イノベーション

環境省

アイコン緑化等による住宅周辺の温熱環境改善に着目した
低炭素ライフスタイル提案手法の開発

代表事業者:東京工業大学
共同事業者:株式会社 日建設計総合研究所/佐賀大学

概要

緑化等による屋外空間の環境整備と温熱環境改善が、移動手段の徒歩化やクールシェア等、ライフスタイルを転換させることによる健康影響と二酸化炭素削減効果を評価し、健康的な低炭素ライフスタイルを提案する手法を開発した。住宅地での実測調査と熱環境シミュレーションにより、緑化により夏季の屋外熱環境が改善されることを示したうえで、緑化空間の歩行時に平均心拍数が低いことや、緑豊かな地域の居住者は相対的に睡眠時間が長く、睡眠効率も高い結果が得られていることから、これらがストレス緩和に寄与し、NEB評価指標としても有効であると考えられることを示した。また、地域の緑量は、運動、睡眠を介して、住民の健康への貢献が期待できることや、屋外活動を通じて地域愛の熟成と健康意識の向上が見られ、生活満足度も向上する傾向があるという知見を得た。それらの結果から、緑化による医療費・地価上昇効果の試算を行った。

NEB/EB

NEB・・健康面・心理面・生活満足度

EB・・屋外緑化空間への意識や利用に伴う冷房使用量の削減効果や、通勤・通学・散歩・
買い物といった屋外利用行動において、自動車ではなく徒歩や自転車を選択することによるガソリン使用量の削減効果。

試行実験

首都圏・町田市・川崎市等の緑化空間で実測、測定、生態調査によりNEBにつながる屋外環境の実態を調査した。その上で、1,000人規模のアンケートを行って、居住者の行為・意識調査を行った。

NEB活用の方向性

本調査結果より、都市内緑化空間が市民の低炭素行動に一定の効果を及ぼすとともに、健康面の向上による医療費削減や都市内快適性の向上、生活満足度の向上等、様々なライフタイル改善効果が見込まれることが示された。
一方で、都市内緑化政策は、昨今の自治体の財政悪化状況とも重なり、その経費は削減方向に進んでいる。このような状況下で、都市内の緑化政策を進めるには、NEB指標の精緻化を進めるとともに、NEB効果が見込まれる所管官庁の連携体制を構築し、自治体に対する緑化政策を支援、拡充することが重要である。