水・土壌・地盤・海洋環境の保全

令和4年度海洋プラスチックごみ学術シンポジウム

1.開催趣旨

近年、海洋プラスチックごみによる環境汚染、生態系、生活環境、漁業、観光業等への悪影響が懸念され、重要かつ喫緊の問題となっています。

この問題に対して効果的な対策を行うためには、海洋プラスチックごみの量・分布の実態把握、発生源の特定、生物への影響評価などの科学的知見が不可欠ですが、これらの情報は十分に整理・蓄積されているとは言えません。
現在、世界中の多くの研究者が様々な調査や研究に取り組んでいますが、今後これまで以上にスピード感を持って研究を発展させるためには、分野間の連携を強化するとともに、新たな研究者の参入を含めた研究体制の一層の強化が必要です。また、研究の進展や成果について、広く一般の方に対して情報を共有する機会も必要となります。
このような課題認識の下、今般、これを解決する一助とするため、海洋プラスチックごみ学術シンポジウム(特別セッション・研究セッション)を開催しました。
 

2.概要

【特別セッション】

 日時:令和5年3月4日(土) 14:00~17:00

 場所:秋葉原UDXシアター

 司会:佐伯 恵太(サイエンスコミュニケーター)
 
テーマ1:分布把握と予測
     磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所 教授)
   

テーマ2:発生源・流出経路・微細化
     藤原 拓 (京都大学 教授)
    

テーマ3:生物・生態系影響
     
山本 裕史(国立環境研究所 副領域長)
  

テーマ4:代替素材・回収技術
     
吉岡 敏明(東北大学大学院 教授)
    
 

【研究セッション】

 日時:令和5年3月5日(日) 9:00~16:30

 場所:オンライン開催(Zoom Webinars)

プログラム 

セッションA:分布把握と予測

・セッションモデレーター:磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所 教授)

・A-1:海岸底質中マイクロプラスチックの簡易な調査方法の確からしさ 

 朝倉 宏  (長崎大学)

・A-2:日本からタイへの海洋プラスチックごみの移動の可能性

 嶋田 陽一 (水産大学校)

・A-3:太平洋側北極海(チュクチ海)の海水中のマイクロプラスチック存在量

 池上 隆仁 (海洋研究開発機構)

・A-4:海洋プラスチックゴミの確率分布モデルと将来予測

 樋口 千紗 (九州大学)

・A-5:近赤外リモートセンシングによる海洋プラスチック種分布探査の可能性

 作野  裕司 (広島大学大学院)

 

セッションB:発生源・流出経路・微細化

・セッションモデレーター:藤原 拓 (京都大学 教授)

・B-1:タイヤと道路の摩擦により発生する摩耗粉塵(TRWP)の環境調査

  菊地 貴子  (化学物質評価研究機構)

・B-2:プラスチック添加剤をトレーサーとしたマイクロプラスチックの起源解析

  中田 晴彦 (熊本大学大学院)

・B-3:海岸を模擬したポリエチレンフィルムの細片化とそれに要する時間の見積もり

  栗間 昭宏 (旭化成株式会社)

・B-4:珪藻による海洋マイクロプラスチックの分解

  小池 紘民  (Hmicroscopy)

 

セッションC:生物・生態系影響

・セッションモデレーター:山本 裕史(国立環境研究所 副領域長)

・C-1:なぜ生物はマイクロプラスチックを食べるのか?:干潟のカニを例に

 田野入 開 (東京海洋大学)

・C-2:微細マイクロプラスチックのベクター効果:マイクロプラスチックの水中濃度がジャワメダカのアントラセン蓄積量に与える影響

 高井 優生 (九州大学大学院)

・C-3:オオミジンコを用いたPCL分解産物の生物影響の解析

 宮川 一志 (宇都宮大学)

 

セッションD:代替素材・回収技術

・セッションモデレーター:吉岡 敏明(東北大学大学院 教授)

・D-1:リサイクル可能で深海でも生分解する透明な板紙

 磯部 紀之 (海洋研究開発機構)

・D-2:砂中に埋没する微小プラスチックの効率的回収方法の提案(ビーチクリーンで使えるクリーナー開発)

 山岸 秀樹 (株式会社東京久栄)

・D-3:産業廃棄物を利用する海洋生分解性プラスチックの開発

 宇山 浩  (大阪大学)

・D-4:海洋生分解性プラスチックによる水耕栽培用ウレタン培地の代替

 河鰭 実之 (東京大学大学院)

 

各セッションモデレーターにより総括コメント

 

 

3.報道発表資料

   令和4年度海洋プラスチックごみ学術シンポジウムの開催について | 報道発表資料 | 環境省 (env.go.jp)