法律制定の背景
使用済自動車は、有用金属・部分を含み資源として価値の高いものであるため、従来は解体業者や破砕業者において売買を通じて流通し、リサイクル・処理が行われてきました。
他方、産業廃棄物最終処分場の逼迫により使用済自動車から生じるシュレッダーダストを低減する必要が高まりました。また、最終処分費の高騰、鉄スクラップ価格の低迷により、使用済自動車の逆有償化が顕著になり、不法投棄・不適正処理の懸念も生じていました。
このため、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務付けることにより使用済自動車のリサイクル・適正処理を図るため、平成14年に「使用済自動車の再資源化等に関する法律」(自動車リサイクル法)が制定されました。自動車リサイクル法は、平成17年1月から完全施行されています。
用語説明 シュレッダーダスト(ASR:Automobile Shredder Residue)
使用済自動車を解体して有用な部品、材料等を分離した後に残った解体自動車を破砕し、比重の大きい鉄スクラップと非鉄金属スクラップを選別回収した後の、プラスチック、ガラス、ゴムなど比重の小さい物からなる廃棄物。