報道発表資料

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2025年05月30日
  • 地球環境

第16回パリ協定6条4項監督機関会合が開催されました

1.  2025年5月12日から同年5月16日にかけて、第16回パリ協定6条4項監督機関会合がドイツ連邦共和国・ボンにて開催され、日本政府から環境省JCM推進室 髙橋健太郎室長補佐がアジア太平洋グループのメンバー(代理)として参加しました。
 
2.  第16回パリ協定6条4項監督機関会合では、ベースライン設定のためのスタンダード、リーケージを特定するためのスタンダード、その他、パリ協定6条4項においてプロジェクト活動を実施するための各種規則の改訂が採択されました。
 
3.  また、7件の事業が、クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:CDM)から6条4項に移管されることが承認されました。
 
4.  我が国が推進している二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)は、パリ協定6条4項とは異なり、パリ協定6条2項に基づく制度ですが、本監督機関会合の結果を参考にしつつ、プロジェクトの拡大・加速に取り組みます。

■ 会議名

第16回パリ協定6条4項監督機関会合

■ 日程・場所

日程:2025年5月12日~同年5月16日
場所:ドイツ連邦共和国 ボン

■ 日本政府参加者

髙橋健太郎 環境省地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室 室長補佐

■ 主な議題と結果概要

 規則及び手続
 
 アゼルバイジャン共和国・バクーにて、2024年11月11日から同年11月24日にかけて開催されたパリ協定第6回締約国会合(CMA6)における6条4項メカニズムに関する決定内容として、6条4項に基づく活動の方法論(メカニズム方法論)の開発・評価のための基本的な原則等が確認されたところです。
 今般の第16回パリ協定6条4項監督機関会合では、この原則に沿って、各種スタンダードの決定が行われました。
 
 ※1 パリ協定第6回締約国会合(CMA6)の合意採択により、パリ協定第6条の完全運用化が実現しました
 
・メカニズム方法論におけるベースライン設定に関するスタンダード
(概要:ベースライン設定に関するスタンダード)
 本スタンダードは、排出削減・吸収等のクレジット量の算定の際に比較基準として用いるベースラインについて、ベースラインシナリオの特定、ベースライン排出量や吸収量の決定など、クレジットのベースラインを設定するための要件が定められています。本スタンダードは、方法論の提案者が方法論を開発する際に適用され、国連気候変動枠組条約事務局や方法論専門家パネル・6条4項監督機関が方法論を評価し、承認を検討する際にも基準として活用されます。
 
・メカニズム方法論におけるリーケージに関するスタンダード
(概要:リーケージに関するスタンダード)
 本スタンダードは、リーケージの特定方法や、その計算方法ついての要件が定められています。
 
・6条4項のプロジェクト活動・プログラム活動のためのスタンダードの改訂
 
・6条4項のプロジェクト活動・プログラム活動のバリデーション・ベリフィケーションに関するスタンダードの改訂
 
・CDMプロジェクト活動の6条4項への移管スタンダードと手続の改訂
 
 CDMプロジェクトの6条4項への移管承認
 下記の事業7件※2が、CDMから6条4項メカニズムに移管されることが承認されました。
Reducing Gas Leakages within the Titas Gas Distribution Network in Bangladesh
Reducing Gas Leakages within the Bakhrabad Gas Distribution Network in Bangladesh
Reducing Gas Leakages within the Karnaphuli Gas Distribution Network in Bangladesh
Reducing Gas Leakages within the Jalalabad Gas Distribution Network in Bangladesh
Reducing Gas Leakages within the Pashchimanchal Gas Distribution Network in Bangladesh
Programme of activities: Man and Man Enterprise Improved Cooking Stoves CDM Programme in Ghana supported by Republic of Korea
Programme of activities: Improved cookstove program in Bangladesh supported by the Republic of Korea
 
 ※2 これまでに6条4項に移管されたCDM事業の詳細は以下のページに掲載されています。

■ 第15回パリ協定6条4項監督機関会合結果概要について

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8246
室長
飯野 暁
室長補佐
髙橋 健太郎
主査
岡島 裕香