報道発表資料

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2025年10月07日
  • 自然環境

東京港青海ふ頭におけるヒアリの確認について

<東京都同時発表>

 令和7年9月30日(火)に東京港青海ふ頭に陸揚げされたコンテナからアリが発見され、専門家による同定の結果、要緊急対処特定外来生物ヒアリ(Solenopsis invicta)であることが確認されましたので、お知らせします。
 当初、船から陸揚げされてコンテナヤード内に蔵置されていたコンテナの外部とその付近の地表面でヒアリの働きアリが確認されたものです。その後、別のコンテナ内外からもヒアリが確認されました。
 コンテナ内外で確認されたヒアリの個体数の合計は、働きアリ10,000個体以上、卵・幼虫及びサナギ計8,000個体以上と推計されます。コンテナは全て封鎖済みで、一部は既に消毒済み、残りも今後速やかに消毒予定です。
 これは今年度29事例目のヒアリ確認事例です。

経緯

9/26(金)
中国の廈門港から当該コンテナを積載した船舶が出港。
9/30(火)
東京港青海ふ頭に入港。
コンテナを陸揚げ中、1個のコンテナの屋根に約40個体のアリを確認したため、事業者が環境省に通報。同日、環境省職員が現地調査を実施したところ、当該コンテナ周囲の地面で働きアリ1個体を確認。当該コンテナの周囲に殺虫餌(ベイト剤)を散布するとともに、当該コンテナは船内で3段積みの最下段であったことから、船内で当該コンテナの上部に積まれていたコンテナ2個の抽出を指示。
10/1(水)
環境省職員が専門家に回収したアリの同定を依頼。同日、専門家が当該アリがヒアリであることを確認。
10/2(木)
環境省職員が、最初にアリが確認されたコンテナについて内部及び周囲を調査したところ、アリは確認されなかった。当該コンテナの内部に殺虫スプレー(ワンプッシュ式エアゾール剤)を噴霧して封鎖するとともに、コンテナ周囲に殺虫餌(ベイト剤)を散布。
また、船内で当該コンテナの上に積まれており、同じコンテナヤード内に蔵置されていた2個のコンテナを調査したところ、当該コンテナの直上に積まれていたコンテナの下部から、コンテナヤード内の植え込みに向かって多数の働きアリが卵・幼虫・サナギを運びながら移動しているのを確認。さらにその上に積まれていたコンテナの扉付近でも約20個体のアリの出入りを確認。これら2個のコンテナについても内部に殺虫餌(ベイト剤)を散布して封鎖するとともに、両コンテナと植え込みの周囲に殺虫餌(ベイト剤)を散布。
10/3(金)
環境省職員が、最初にヒアリが確認されたコンテナの内部と周囲を再度調査したところ、ヒアリは確認されなかった。

今回確認されたヒアリについて

確認されたヒアリは、働きアリ10,000個体以上、卵・幼虫及びサナギ計8,000個体以上と推計されます。

対応状況

今後、上部に積まれていた2個のコンテナの消毒を実施予定です。また、東京都等と協力してこれらのコンテナが置かれている場所と植え込みの周囲に殺虫餌(ベイト剤)を散布して防除を実施します。
なお、「ヒアリ類(要緊急対処特定外来生物)に係る対処指針を定める件(令和5年 国土交通省・環境省告示第1号)」を踏まえ、関東地方環境事務所から東京都等の関係機関に対して以下を依頼しています。
  • ヒアリが確認された貨物の搬送に関わったコンテナ管理者等の事業関係者及びコンテナターミナル管理者等に当該生物の混入があったことを周知し、他に混入の恐れがないか、更なる確認を依頼すること。
  • 今後、同様のルートで製品を輸入する際に、ヒアリその他の特定外来生物の付着・混入がないよう注意し、発見時の対策について準備をすること。
  • ヒアリやアカカミアリを含むヒアリ類と疑わしいアリをコンテナや積荷で確認した場合は、密閉等により逸出を防ぎ、速やかに環境省に連絡すること。
  • ヒアリ類の疑いがある場合には、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下「外来生物法」という。)に基づき、環境省からコンテナや積荷等の移動制限又は移動禁止の命令が出される場合があること及びヒアリ類と同定後には当該コンテナや積荷等の消毒又は廃棄の命令が出される場合があることに留意すること。
  • 今後、環境省等が実施する調査に協力すること。

(参考)要緊急対処特定外来生物とは

外来生物法第2条第3項に基づき、「特定外来生物のうち、まん延した場合には著しく重大な生態系等に係る被害が生じ、国民生活の安定に著しい支障を及ぼすおそれがあるため、当該特定外来生物又はその疑いのある生物を発見した場合において検査、防除その他当該特定外来生物の拡散を防止するための措置を緊急に行う必要があるもの」として政令で指定するもの。

今回確認されたヒアリ

青海ふ頭で確認されたヒアリ 背景のメッシュは5mm間隔

今回ヒアリが発見された場所

ヒアリが発見された青海ふ頭の地図

疑わしいアリの発見時の対応について

疑わしいアリを発見された方は、以下に留意するようお願いします。

<事業者の皆様へのお願い>

コンテナ等の開封時等にヒアリやアカカミアリを含むヒアリ類と疑わしいアリを発見した場合、まずは刺激を避けつつ、コンテナ等のどの箇所にどの程度の生きたアリがいるか等の状況を確認してください。
  1. アリが少数しかおらず、密閉されたコンテナや積荷内等で逃げ出すおそれのない場合は、市販のスプレー式殺虫剤等でその場で駆除してください。その上で、環境省地方環境事務所等に速やかに連絡し、取扱いについて相談してください。
  2. 多数の生きたアリの集団がいる(と予想される)場合は、コンテナ等の扉を閉めて、逃げ出さないよう静置してください。その上で、環境省地方環境事務所等に速やかに連絡し、取扱いについて相談してください。コンテナ等の外で確認された場合についても同様に連絡をお願いします。可能であれば、強粘着の布ガムテープ等でコンテナの目張りをするなど、アリが逃げ出さないように対応してください。
詳細については、「ヒアリの防除に関する基本的考え方 Ver.4.1」のP21~28を参照してください。
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/file/hiariboujo.pdf

また、対象事業者がとるべき措置について定めた「ヒアリ類に係る対処指針」に関する情報は以下ウェブサイトの「■ヒアリ類(要緊急対処特定外来生物)に係る対処指針について」を参照してください。
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/04_business/index.html

<一般の皆様へのお願い>

ヒアリの詳しい特徴や注意事項、見つけたときや刺されてしまった場合の対処方法などについては下記を参照してください。
「要緊急対処特定外来生物ヒアリに関する情報」
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/hiari.html

ヒアリやアカカミアリを含むヒアリ類と疑わしいアリを発見した場合や、ヒアリの特徴等一般的な問合せ、健康被害の問合せ等については、「ヒアリ相談ダイアル」を御利用ください。
  • 受付日:土日祝を含む毎日 (12/29~1/3は除く)
  • 受付日時:午前9時から午後5時
  • ヒアリ相談ダイアル 0570-046-110 (IP電話の場合 06-7634-7300)

チャットボット(自動会話プログラム)による情報提供や相談受付等も行っています。以下のURLから、24時間、365日御利用いただけます。
「アリーのヒアリ相談チャットボット」
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/05_contact/index.html

連絡先

環境省自然環境局 野生生物課 外来生物対策室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8344
室長
中島 治美
室長補佐
千葉 康人
室長補佐
田中 里奈
 
 
関東地方環境事務所 野生生物課
直通
048-600-0817
課長
刈部 博文
専門官
髙倉 博史

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