報道発表資料

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2023年03月03日
  • 保健対策

令和3年度PRTRデータの概要等について -化学物質の排出量・移動量の集計結果等-

  1. 環境省は、経済産業省と共同で、化学物質排出・移動量届出(PRTR)制度に基づく化学物質の令和3年度の排出量・移動量等のデータの集計等を行い、その結果を取りまとめました。
  2. 令和3年度の届出排出量は125千トン(前年度比0.8%の増加)、届出移動量は259千トン(同12.6%の増加)、その合計は384千トン(同8.5%の増加)となりました。
  3. 排出量・移動量等の集計結果は、環境省のウェブサイト上で公表します。
     
      【添付資料】
      ・ 別添1 令和3年度PRTRデータ(化学物質の排出量・移動量の集計結果)の概要
      ・ 別添2 届出排出量・移動量の経年変化の概要について
      ※ 上記資料は以下URLより御参照ください。

1.  経緯

 平成13年1月に施行された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づき、化学物質排出・移動量届出(PRTR:Pollutant Release and Transfer Register)制度が導入されました。
 PRTR制度では、相当広範な地域の環境において継続して存すると認められ、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれのある化学物質(第一種指定化学物質)について、事業者は環境中へ排出した量(排出量)や廃棄物などとして事業所の外へ移動させた量(移動量)の届出を行い、国はその集計結果及び推計を行った届出対象外の排出量の集計結果の公表を行っています。
 令和3年度分の排出量・移動量の届出は、全国32,729の事業所から行われました。
 環境省は、経済産業省と共同で、当該届出データを集計するとともに、届出対象外の排出量の推計及び集計を行い、その結果をPRTRデータとして取りまとめました。

2.  令和3年度PRTRデータのポイント

(1)  届出排出量・移動量

 令和3年度のPRTRデータは、前年度と比べて届出排出量・移動量ともに増加しました。このうち、平成22年度の届出対象物質の見直し前後で継続して届出対象物質として指定されている物質(以下「継続物質」という。276物質。)についても、届出排出量・移動量ともに増加しました。
 
● 全対象化学物質(462物質のうち届出があった432物質)
  令和2年度 令和3年度 前年度との比較(△:減少)
届出事業所数(事業所) 32,890 32,729    0.5% 減
届出排出量(トン) 124,114 125,095    0.8% 増
届出移動量(トン) 229,612 258,565  12.6% 増
届出排出量・移動量(トン) 353,725 383,660    8.5% 増
 
 継続物質(276物質のうち届出があった262物質)
  令和2年度 令和3年度 前年度との比較(△:減少)
届出排出量(トン) 110,575 111,349    0.7% 増
届出移動量(トン) 206,522 232,036  12.4% 増
届出排出量・移動量(トン) 317,097 343,385    8.3% 増

(2)  届出外排出量

 届出対象以外の事業者や、家庭、自動車等からの排出量については国が推計を行いました。その結果、令和3年度に推計対象とした物質(335物質)の届出外排出量は187,676トンでした。前年度は337物質を推計対象とし、届出外排出量は193,500トンでした。

(3)  前年度と比較した傾向

 届出事業所数:届出事業所数は32,729で微減(前年比△161事業所)、届出事業所数の減少の寄与が最も大きかった業種は燃料小売業(同△109事業所)でした。
 
 届出排出量:届出排出量が1千トン以上増加した業種は化学工業のみでした。増加した主な業種は化学工業(同+1.1千トン)、一般機械器具製造業(同+0.7千トン)、プラスチック製品製造業(同+0.5千トン)でした。一方、届出排出量が減少した主な業種は輸送用機械器具製造業(同△2.6千トン)、パルプ・紙・紙加工品製造業(同△0.5千トン)、非鉄金属製造業(同△0.2千トン)でした。
 
 届出移動量:届出移動量が増加した主な業種は鉄鋼業(同+18千トン)、化学工業(同+9.4千トン)、電気機械器具製造業(同+1.8千トン)でした。一方、届出移動量が減少した主な業種は窯業・土石製品製造業(同△1.4千トン)、非鉄金属製造業(同△0.6千トン)、電気業(同△0.4千トン)でした。
 
 届出外排出量:届出外排出量は前年度に比べて減少しています。例えば洗浄剤・化粧品等の界面活性剤について、令和2年度の27千トンから令和3年度は23千トンとなっており、15%減少しています。

3.  公表資料

公表資料につきましては、本日3月3日(金)から以下のウェブサイトに掲載します。 
(個別事業所のデータ:https://www.env.go.jp/chemi/prtr/kaiji/index.html
 

4.  その他

 環境省では、集計結果から作成したグラフ・地図など、膨大なPRTRデータを分かりやすく表示した資料を前述のウェブサイトに掲載しています。
 また、PRTR制度を広く一般の方にも御理解・御活用いただけるよう、PRTRデータについて分かりやすく解説した「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック -化学物質による環境リスクを減らすために-」を毎年作成しています。今回公表した令和3年度集計結果の解説を追加するなど内容を新たにしたガイドブックについては、令和5年10月を目途に公表する予定です。なお、現在は上記ウェブサイトにて令和2年度集計結果を掲載したガイドブックを公開しています。
以 上

連絡先

環境省大臣官房環境保健部環境安全課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8259
課長
髙澤 哲也
課長補佐
東島 正哉
課長補佐
川原 志郎
担当
原 安由子