報道発表資料

この記事を印刷
2007年10月09日
  • 再生循環

3Rイニシアティブ高級事務レベル会合の結果について

 2007年10月4日(木)~6日(土)に、3Rイニシアティブ高級事務レベル会合がドイツ・ボンにおいて開催されました。会合には18か国及び欧州委員会並びに5国際機関の担当部局長等が参加して議論が行われました。
 本会合では、2005年の3Rイニシアティブの開始以降、3Rの概念が広く共有され、G8各国はもとより、アジア諸国等他の国・地域でも、3Rの取組が進展しているとの認識が共有されました。また、3Rに関するG8としての今後の取組について、来年の我が国におけるG8環境大臣会合で合意することを念頭に、今回の会合での議論をもとに、我が国から具体的な提案を行い、検討を進めていくこととされました。

1.日程

平成19年10月4日(木)~6日(土)

2.開催地

ドイツ連邦環境自然保護原子力安全省(ボン)

3.出席者

 18ヶ国及び欧州委員会並びに5国際機関の担当部局長等
(日本環境省からは紀村廃棄物・リサイクル対策部企画課長他出席)

【出席した国】
G8(ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシア、フランス、アメリカ、イギリス)、欧州委員会、及びその他招待国(ブラジル、チリ、中国、インドネシア、メキシコ、ナイジェリア、韓国、シンガポール、南アフリカ、ベトナム)
【出席した国際機関】
経済協力開発機構(OECD)、国連環境計画(UNEP)、バーゼル条約事務局、国連地域開発センター(UNCRD)、アジア開発銀行(ADB)

4.概要

(1)

本会合では、3Rの各国での進捗、3R関連の製品、原料等の国際流通、3R技術、バーゼル条約やOECDなどの場における適正な廃棄物管理のための基準の改善などについて議論がなされた。その結果、2005年の3Rイニシアティブの開始以降、3Rの概念が広く共有され、G8各国はもとより、アジア諸国等他の国・地域でも、我が国が国際機関とも連携しながら支援を進めていること等により、3Rの取組が進展しているとの認識が共有された。また、3Rに関するG8としての今後の取組について、来年の我が国におけるG8環境大臣会合で合意することを念頭に、今回の会合での議論をもとに、我が国から具体的な提案を行い、検討を進めていくこととされた。

(2)

我が国からは、3Rに関する最近の動きとして、主として以下の内容について報告した。

[1]

レジ袋等の排出抑制対策を強化した「容器包装リサイクル法」の改正や、食品廃棄物由来の堆肥(コンポスト)等の利用をさらに進め、生産された農畜水産物を食品関連事業者が利用する循環型の再生利用(リサイクル・ループ)を促進する「食品リサイクル法」の改正、「家電リサイクル法」の見直しなど、国内リサイクル関連法制度の改正・見直しの進捗

[2]

我が国における循環型社会形成のための施策の基本的な方針や数値目標(注)等を定めた「循環型社会形成推進基本計画」の進捗状況や、来年3月頃の改定に向けて同基本計画の見直しを以下の視点で行っていること

ア)

 低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の統合的な展開を進めるため、地球温暖化対策等の取組との連携を強化すること

イ)

 望ましい循環型社会の姿を定量的に明確にし、必要があれば新たな補助指標の導入等を行うこと

ウ)

 地域循環圏について議論を深め、循環型の地域づくりや3Rの国民運動の展開を推進する施策を検討すること

エ)
 国際的な視点から、3Rの推進に関する我が国の主導的な役割や、東アジアにおける適切な資源循環のための施策を検討すること

(注)2010年の目標として、入口(資源生産性)、循環(循環利用率)、出口(廃棄物の最終処分量)の3つの目標を設定。

[3]

本年6月に閣議決定した「21世紀環境立国戦略」においては、3Rを通じた循環型社会の構築に関する戦略として、ア)アジアでの循環型社会の構築に向けた取組、イ)3Rの技術とシステムの高度化、ウ)3Rを通じた地球温暖化対策への貢献、エ)日本提唱の3RイニシアティブのG8での推進を盛り込んでいること

[4]

国際的な資源循環に関しては、ア)まず各国内における各国の国内で循環型社会を構築すること、イ)同時に、廃棄物の不法な輸出入を防止する取組を充実・強化すること、ウ)その上で、循環資源の輸出入の円滑化を図ることを基本的な考え方とすること

[5]

我が国が中国、韓国、アセアン諸国を始めとするアジア地域の諸国等に対して行っている、政策対話、3R国別計画・戦略の策定支援などの二国間協力や国際機関との協力

(3)

さらに、我が国は来年のG8議長国として、3Rイニシアティブの今後の方向性について、以下を提案し、G8各国から基本的な賛同を得た。

[1]

OECDやUNEP、バーゼル条約等関連する様々な国際的取組の動向を共有し、国際協調を促進すること

[2]

3Rに関する取組を地球温暖化対策や生物多様性の保全に貢献する観点からも効果的に進めるべく、G8としてのコミットメントを示すこと

[3]

世界の主要国として、資源生産性に係る目標設定を行うことを含め、3Rを通じた資源の有効利用や廃棄物の減量に係る取組を率先して進め、開発途上国等の能力開発について更なる取組を協調して進めること

[4]

国際的な資源循環を進めるに当たっては、各国内での循環資源の適正な管理、不法な越境移動の防止を進めることを前提とするとの基本的考え方を共有すべきこと

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
課長:紀村 英俊(内線 6811)
 課長補佐:関谷 毅史(内線 6814)
 担当:土居 哲也(内線 6818)