報道発表資料

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1997年03月31日

「気候変動対策国際戦略世界会議(International Conference on Opportunities and Problems of Early Actions for Climate Protection)」の結果概要について

「気候変動対策国際戦略世界会議」(環境庁主催)が、3月30日(日)及び31日(月)に国立京都国際会館において、多数の傍聴者を得て開催された。本会議には、国内外の専門家34名が参加した。
 今回の会議のテーマは、気候変動対策を早い時期から実施することの長所と短所を評価することである。国益にとらわれない形で大所高所から国際的な温暖化対策の進め方を討議したことが本会議の特徴である。
 2日間の討議の結果、佐和議長から提案のあった、
 {1} 明確な政策目標の設定が多様な経済社会全体の努力を引き出し、高めていく上では不可欠であること、
 {2} 費用効果に優れた対策技術が存在することや長寿命の生産設備の設置時に環境負荷の少ないものとしておくことが将来の対策のフレキシビリティを確保する上で有利なことなどから、早い時期からの対策には大きな利益があること
 {3} 京都議定書に関しては、長期的な目標に加え、2005年についての法的拘束力のある排出削減目標を定める政策枠組とすることが重要であり、また、それを踏まえ
などを内容とする議長サマリーを取りまとめた。
 環境庁としては、今回の会議の成果は、国際的に信頼を集める政策研究機関の声を集約したものとして、価値あるものと評価している。本年12月に開催される「地球温暖化防止京都会議(COP3)」に向けた今後の議定書交渉に当たる各国政府にとって貴重な参考材料となるべきものであり、今後は、各国政府が参加する様々な国際会議などの機会を通じて広く周知し、その利用を訴えていく。
  1. 開催趣旨

     気候変動対策については、昨年7月の気候変動枠組条約第2回締約国会議(COP2、スイス・ジュネーブ)において拘束性のある数量目標を設定する方向に合意したことに加え、従来から強硬な反対姿勢を示していた産油国が態度を軟化しつつあることから、今後の議論の焦点は、いかに実効性のある目標設定を行い得るかに移りつつある。この点に関しては、種々の論点が残されているが、特に重要な課題として、 
    対策を遅らせることにより技術開発等に要する時間をかせぐことが望ましいとの議論と
    積極的に早期の対策をとることは可能でありかつ必要との議論との対立がある。
     また、先進国が早期に対策をとることにより、途上国に生ずるプラス、マイナスの影響についても適正に評価する必要があるとの指摘も行われている。
     これらの課題について国益にとらわれない形で大所高所から議論をすることが今後の議定書交渉を促進する観点からとりわけ有益であると考えられる。このためには、世界のシンクタンクの知恵と経験を活かすことが最も適切と考えられるため、世界でも著名な米国の世界資源研究所(WRI、ワシントンD.C.)及びウッズホール研究センター(ボストン近郊)の協力を得て、上記テーマに関する国際会議を開催した。
     
  2. 開催日時及び開催場所
     
    平成9年3月30日(日)及び31日(月)
    京都市 国立京都国際会館
     
  3. 実施主体
     
    主催 環境庁
    後援/協力 外務省、通商産業省、京都府、京都市、世界資源研究所(WRI)、ウッズホール研究センター
      
  4. 参加者(参考1参照)
     
    海外及び国際機関からの参加者 17名
    国内からの参加者 17名
      
  5. 会議の概要(参考2参照)
     
  6. 議長サマリー(参考3参照、仮訳;参考4参照)

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部企画課
調 査 官:竹本 和彦(内線6748)

環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課   長:小林 光  (内線6740)
 課長補佐:石飛 博之(内線6737)
 課長補佐:平田 悦雄(内線6757)
 温暖化国際対策推進室
 室   長:鈴木 克徳(内線6741)
 担   当:岩佐 健史(内線6763)