報道発表資料
「ダイオキシン類対策特別措置法施行令の一部を改正する政令」が7月26日(金)の閣議で決定される予定である。
この政令は、カーバイド法アセチレンの製造に係る施設等をダイオキシン類対策特別措置法の特定施設(水質基準対象施設)に追加するものである。
この政令は、カーバイド法アセチレンの製造に係る施設等をダイオキシン類対策特別措置法の特定施設(水質基準対象施設)に追加するものである。
- 趣旨
- 改正の内容
- 今後の予定
環境省では、高濃度のダイオキシン類の発生に係る事故等が生じた未規制の工場について、類似工程を有する工場を含め、ダイオキシン類が発生しているかどうかの調査を「ダイオキシン類未規制発生源調査検討会(平成12年10月設置、座長:浦野紘平横浜国立大学大学院教授)」での検討を踏まえつつ行ってきた。
この調査により、調査工場のうちカーバイド法アセチレン製造に係る施設等についてダイオキシン類の排出が確認されたため 、カーバイド法アセチレンの製造に係る施設等をダイオキシン類対策特別措置法上の特定施設(水質基準対象施設)として追加すべく、4月にパブリックコメントを実施し、今般、ダイオキシン類対策特別措置法施行令を改正するものである。
ダイオキシン類対策特別措置法の特定施設(水質基準対象施設)として次の施設を追加する。
○ | カーバイド法アセチレン注1の製造の用に供するアセチレン洗浄施設 | |
○ | アルミナ繊維注2の製造の用に供する施設のうち、廃ガス洗浄施設 | |
○ | 8・18-ジクロロ-5・15-ジエチル-5・15-ジヒドロジインドロ[3・2-b:3′・2′-m]トリフェノジオキサジン(別名ジオキサジンバイオレット注3)の製造の用に供する施設のうち、次に掲げるもの | |
イ | ニトロ化誘導体分離施設及び還元誘導体分離施設 | |
ロ | ニトロ化誘導体洗浄施設及び還元誘導体洗浄施設 | |
ハ | ジオキサジンバイオレット洗浄施設 | |
ニ | 熱風乾燥施設 | |
○ | 亜鉛の回収(製鋼の用に供する電気炉から発生するばいじんであって、集じん機により集められたものからの亜鉛の回収に限る。)の用に供する施設のうち、次に掲げるもの | |
イ | 精製施設 | |
ロ | 廃ガス洗浄施設 | |
ハ | 湿式集じん施設 |
○ | 閣 議 | : | 平成14年7月26日(金) |
○ | 施 行 | : | 平成14年8月15日(木) |
注1 | アセチレン |
アセチレンガスは有機合成工業の基礎原料であり、酢酸、塩ビ、トリクロロエチレン、アクリロニトリルなどの原料となっているほか、圧縮酸素と併用して金属の溶接溶断用のガスに使用される。アセチレン(C2H2)は、石灰石と炭素を原料に製造されたカルシウムカーバイドに水を注加することにより発生する(カーバイド法)。 |
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注2 | アルミナ繊維 |
アルミナ繊維は、優れた対高温・耐熱特性を有し、腐食にも強いため、工業用高温炉、繊維強化金属用補強繊維等、特殊な高温耐熱・断熱用途に使われる。アルミナ繊維は、アルミニウム粉に水と塩酸を作用させオキシ塩化アルミニウム(Al2(OH)5Cl・2H2O)とし、これにシリカゾル、増粘剤(有機化合物)を混ぜて濃縮して、熱風中に噴射し原繊維にする。次いで、この原繊維を焼成炉で焼成し、水、塩化水素、増粘剤を分解し熱風とともに排出し、さらに電気炉で結晶化させアルミナ繊維となる。 |
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注3 | ジオキサジンバイオレット |
ジオキサジンバイオレットは、紫系有機顔料の原料として使われる。ジオキサジンバイオレットは、カルバゾール(C12H9N)をエチル化後、硝酸でニトロ化し、反応生成物を触媒を用いて還元、これにクロラニル(C6Cl4O2)を加えイミド化し、環化して粗ジオキサジンバイオレットとする。この粗ジオキサジンバイオレットを溶剤、水の順で洗浄し、乾燥するとジオキサジンバイオレットとなる。 |
添付資料
- 連絡先
- 環境省環境管理局水環境部水環境管理課
課 長 仁井 正夫(6630)
課長補佐 足立 晃一(6637)
担 当 武田 淳史(6638)