報道発表資料
4月12日(金)から14日(日)まで、カナダのバンフにおいて、G8環境大臣会合が開催された。
今回の会合では、我が国から大木環境大臣が出席し、本年8月からヨハネスブルグで開催される持続可能な開発に関する世界首脳会議(以下「ヨハネスブルグ・サミット」)の成功に向けて、環境と開発の関係、環境ガバナンス(環境政策についての国内的及び国際的枠組みの在り方)、環境と健康の関係等の分野において活発な議論を行い、ヨハネスブルグ・サミットに向けて取り組むべき内容について閣僚宣言を採択した。
また、大木大臣は、この機会を活用して、気候変動問題について米国、ロシア、カナダに対して、全ての国が参加する地球規模の取組及び京都議定書の早期批准を強く働きかけた。さらに、英国及び欧州委員会との間で、地球温暖化対策及び他国に対する働きかけについて意見交換を行った。
今回の会合では、我が国から大木環境大臣が出席し、本年8月からヨハネスブルグで開催される持続可能な開発に関する世界首脳会議(以下「ヨハネスブルグ・サミット」)の成功に向けて、環境と開発の関係、環境ガバナンス(環境政策についての国内的及び国際的枠組みの在り方)、環境と健康の関係等の分野において活発な議論を行い、ヨハネスブルグ・サミットに向けて取り組むべき内容について閣僚宣言を採択した。
また、大木大臣は、この機会を活用して、気候変動問題について米国、ロシア、カナダに対して、全ての国が参加する地球規模の取組及び京都議定書の早期批准を強く働きかけた。さらに、英国及び欧州委員会との間で、地球温暖化対策及び他国に対する働きかけについて意見交換を行った。
1.概 要
(1) | 日 時 | : | 平成14年(2002年)4月12日(金)~14日(日) |
(2) | 場 所 | : | カナダ・バンフ |
(3) | 出席者 | : |
日 本 | 大木 浩 環境大臣 | |
カナダ(議長国) | デイビッド・アンダーソン 環境大臣 | |
フランス | イヴ・コシェ 国土整備・環境大臣 | |
ドイツ | ユルゲン・トリッテン 連邦環境・自然保護・原子力安全大臣 | |
イタリア | アルテーロ・マッテオーリ 環境・国土保全大臣 | |
ロシア | マキシム・ヤコベンコ 天然資源省事務次官 | |
英 国 | マーガレット・ベケット 環境・食糧・農村大臣 | |
米 国 | クリスティン・ホイットマン 環境保護庁長官 | |
欧州委員会 | マルゴット・ヴァルストローム 環境担当委員 | |
なお、国連環境計画からクラウス・テプファー事務局長が一部セッションに出席した。 | ||
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2.会合の総括
(1) | G8各国の環境担当大臣及び欧州委員会環境担当委員は、2日間にわたり、ヨハネスブルグ・サミットに向けてG8環境大臣が果たすべき役割等について、「環境と開発」「環境ガバナンス」及び「環境と健康」の3セッションにおいて討議を行い、その成果は、「ヨハネスブルグ・サミットに向けたバンフ閣僚宣言」として採択された。閣僚宣言は、この宣言は、アンダーソン・カナダ環境大臣から、カナナスキスG8サミット議長のクレティエン・カナダ首相に報告される予定。 (宣言(英訳及び和文仮訳)については[別紙1]を参照。) |
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(2) | 大木大臣の3つのセッションにおける発言は下記のとおり。 | |
[1] | セッション1「環境と開発」 | |
・ | 環境と開発のリンクのためには、途上国の環境政策及び技術を担う人的資源の育成が重要であることを訴え、こうした観点から、我が国が環境ODAにより途上国の環境対策の総合的な拠点造りを目指して6ヶ国において実施している「環境センタープロジェクト」について紹介。 | |
[2] | セッション2「環境ガバナンス(環境政策についての国内的及び国際的枠組みの在り方)」 | |
・ | 国際環境ガバナンス、国内環境ガバナンスと並んで、G8が地域・準地域においてイニシアチブを発揮すべき問題もあることを訴え、こうした観点から、東アジアの11ヶ国が共通の手法で酸性雨のモニタリングを行う「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)」や、4ヶ国が参加して日本海及び黄海の海洋モニタリング、海洋環境データベースの整備等を行う「北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)」を紹介。 | |
[3] | セッション3「環境と健康」 | |
・ | カナダが、「環境と健康」に関するタスクフォースの立ち上げを提案したことを受け、我が国としても、当該タスクフォースに参加する用意がある旨発言。 | |
・ | 化学物質に関して、ダイオキシンの排出を90%削減することに成功した旨紹介。 | |
(3) | 宣言の概要 | |
宣言は、[1]ヨハネスブルグ・サミットの成功に向けて、[2]環境と開発、[3]環境と健康、[4]国及び国際環境ガバナンスの4項目で成り立っている。 | ||
[1] | ヨハネスブルグ・サミットの成功に向けて | |
気候変動という緊急の課題に地球規模での参加により対処するため、温室効果ガスの排出を削減する必要性、ヨハネスブルグ・サミットまでの多くの国の批准による時宜を得た京都議定書の発効、調査研究や技術開発の分野での情報交換や有用事例の交換の強化などが盛り込まれている。 ヨハネスブルグ・サミットにおいて重点的に取り扱うべきテーマとして、安全な水や衛生施設へのアクセスを含む持続可能な水資源管理及び省エネルギー・再生可能エネルギーを、また、違法伐採対策を含む持続可能な森林経営についても取り組むべきことが盛りこまれている。 |
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[2] | 環境と開発 | |
経済、社会政策へのより良い環境配慮を進めていくべきこと、従って、開発、貿易、資金等の異なった政策を一貫性をもって進めていくことが必要不可欠であること、多国間環境協定が地球規模の持続可能性を実現するために重要な役割を占めていることが盛り込まれている。 | ||
[3] | 環境と健康 | |
健康と環境との間の関連の重要性、とりわけ子供の健康の問題がG8諸国における課題であること、ヨハネスブルグ・サミットが、このような課題の解決のための具体的な行動を起こす場となるよう期待される旨が盛りこまれている。 | ||
[4] | 国内及び国際的な環境ガバナンス | |
持続可能な開発を実現するためには、行政、政治、企業の活動における環境ガバナンスを強化すること、国連環境計画の役割と体制を強化することが言及されている。 | ||
なお、宣言の最後に、自治体、国家、地域及び地球規模の環境の問題に、具体的な行動を通して実行することの必要性が言及されている。 |
3.バイ会談について
大木環境大臣は、気候変動問題について米国、ロシア、カナダに対して、全ての国が参加する地球規模の取組及び京都議定書の早期批准を強く働きかけた。 さらに、英国及び欧州委員会との間で、地球温暖化対策及び他国に対する働きかけについて意見交換を行った。 (バイ会談の詳細については[別紙2]を参照。) |
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添付資料
- 別紙1 BANFF MINISTERIAL STATEMENT ON THE WORLD SUMMIT ON SUSTAINABLE DEVELOPMENT
- 別紙1 BANFF MINISTERIAL STATEMENT ON THE WORLD SUMMIT ON SUSTAINABLE DEVELOPMENT[PDFファイル] [PDF 20 KB]
- 別紙1 ヨハネスブルグ・サミットに向けたバンフ閣僚宣言(環境省仮訳)
- 別紙1 ヨハネスブルグ・サミットに向けたバンフ閣僚宣言(環境省仮訳)[PDFファイル](印刷用) [PDF 24 KB]
- 別紙2 バイ会談の概要
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課
課 長:寺田 達志(6710)
補 佐:島田 幸司(6721)