報道発表資料
福岡アイランドシティ整備事業は、福岡市等の三事業者が博多湾東部海域を406ha埋め立てて人工島等を造成し、港湾関連用地、住宅用地、研究施設用地等を整備するものである。本事業については、平成4年から5年にかけて環境影響評価の手続きが行われ、平成6年4月の公有水面埋立法に基づく免許が与えられた後、同年7月に着工し、平成16年竣功を目指し工事が行われている。
平成6年4月の埋立免許の認可に際し、環境庁長官(当時)が運輸大臣(当時)にあてた意見に基づき、事業者は事業実施前に行った環境影響評価に対しレビューを実施し、平成13年4月27日に公表した。(このようなレビューが実施・公表されたのは、国内において初めてである。)
今回のレビューは、環境庁の意見に基づき実施されたものであることから、環境省は本レビュー結果を踏まえて、今後の環境保全に関する見解を福岡市に対して送付した。具体的には、水質、底質、鳥類生息環境の保全等の措置を講じる必要がある旨を述べたものである。
平成6年4月の埋立免許の認可に際し、環境庁長官(当時)が運輸大臣(当時)にあてた意見に基づき、事業者は事業実施前に行った環境影響評価に対しレビューを実施し、平成13年4月27日に公表した。(このようなレビューが実施・公表されたのは、国内において初めてである。)
今回のレビューは、環境庁の意見に基づき実施されたものであることから、環境省は本レビュー結果を踏まえて、今後の環境保全に関する見解を福岡市に対して送付した。具体的には、水質、底質、鳥類生息環境の保全等の措置を講じる必要がある旨を述べたものである。
[レビュー(再評価)について] | |
予測の不確実性の大きい事業等について、事業の進捗の段階に応じて得られた新たな事後調査結果等を用いて影響の再予測を行い、予測・評価内容が妥当な内容であったか、項目選定から予測・評価に至るまでの過程が適切であったかどうか、さらに、講じた環境保全措置が適切かつ十分であったかどうかについて事業者が検証を行う取り組みをいう。 |
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[環境省見解] | |
本レビューは平成6年の環境庁意見の趣旨に則り、6年間にわたる事後調査を行うとともに、専門家の意見を聴取しつつ検討を加え、その結果を公表するなど、適正に実施されていると思料するが、アイランドシティ整備事業の今後の工事及びその後の供用において、関係機関との連携を図りつつ、下記の事項に留意されたい。 |
記
- 事業地周辺の博多湾のCOD※については、工事着手時と比べると、平成10年度において改善がみられ、レビューの将来予測においても、更に改善することとなっている。しかしながら、環境影響評価書における水質予測の前提となっていた博多湾流域内の下水道整備及び高度処理の導入については、流域下水道において当初の計画よりも遅れていることから、関係機関の協力も得ながら、博多湾水質保全計画及び博多湾特定水域高度処理基本計画に基づき、可能な限り早期に実現するように努めること。
- 和白海域等において、アイランドシティ整備事業の進捗による海域の静穏化が主な原因とみられる底質のCOD、硫化物等の増加傾向がみられることから、今後とも生態系への影響も留意しつつ、同海域の水質も含めた必要な環境監視を継続し、適切な環境保全措置を講じること。また、その際、必要に応じて専門家等の指導を得ること。
- 鳥類については、現在の事業地及びその周辺の生息環境が過渡的な状況にあることを考慮に入れつつ、今後とも継続して環境監視を実施すること。また、博多湾には鳥類の生息環境として重要な干潟、浅海域等が存在しており、それらの生息環境については、将来にわたり適切な保全対策を講じること。更に、アイランドシティ緑地内に設置される予定の野鳥公園の整備にあたっては、博多湾全体の生態系に十分配慮すること。なお、上記の実施に際し、必要に応じて専門家等の指導を得ること。
- 上記に関して講じた措置については公表するとともに、関係機関にも報告すること。
※ | COD(化学的酸素要求量) |
工場・事業場、家庭からの排水には多くの有機物が含まれている。CODとは、水中の有機物を酸化剤で化学的に分解した際に消費される酸素の量で、河川、湖沼、海域の有機汚濁を測る代表的な指標である。 |
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室 長:森谷 賢(内6231)
審査官:北村昌文(内6239)