報道発表資料

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1999年11月02日

「水質汚濁防止法の特定施設の追加等について」の中央環境審議会の答申について

11月2日に開催された中央環境審議会水質部会において、平成9年5月14日に諮問された「水質汚濁防止法の特定施設の追加等について」に対する第二次報告が取りまとめられ、同日、中央環境審議会会長より環境庁長官に対し答申された。環境庁では、本答申を踏まえ、水質汚濁防止法施行令の改正を速やかに行うよう手続を進めることとしている。
(答申の要点)
水質汚濁防止法の規制対象となる施設(特定施設)に次の施設を加える。
・ジクロロメタンによる洗浄施設
・ジクロロメタンの蒸留施設
1.背景及び経緯


 水質汚濁防止法に基づく排水規制等の項目については、公共用水域等の水質の汚濁を防止する観点から、順次項目の追加等が行われ、平成6年2月には、ジクロロメタン等13 の有害物質が追加された。

 これに伴い、未規制の施設等について水質保全上の点から所要の措置を講じる必要性が高まっている。

  このため、平成9年5月14日、環境庁長官から中央環境審議会(会長:近藤次郎(財)国際科学技術財団理事長)に対して「水質汚濁防止法の特定施設の追加等について」諮問を行った。

 同諮問については、同審議会水質部会(部会長:村岡浩爾 大阪大学工学部教授)に付議され、同部会に設置された排水規制等専門委員会(委員長:松尾友矩 東京大学大学院工学系研究科教授)において、専門事項の調査が行われてきた。

 本年8月2日、同専門委員会からの報告を受けて、同部会において、ジクロロメタンによる洗浄施設及びジクロロメタンの蒸留施設を水質汚濁防止法の特定施設として追加することが必要であるとの第二次答申(案)が取りまとめられた。

 この第二次答申(案)については、8月6日から9月5日まで、広く国民の意見の募集(パブリックコメント手続)が行われ、寄せられた意見を踏まえ、今般、同部会において、第二次報告が取りまとめられ、中央環境審議会会長より環境庁長官に対して答申された。

 なお、寄せられた意見等及びそれに対する同部会の考え方は別添のとおりである。

2.答申の概要及び今後の予定

 今回の答申は、「ジクロロメタンによる洗浄施設及びジクロロメタンの蒸留施設を水質汚濁防止法の特定施設に追加することが適当である。」とするものである。環境庁では、これを受け速やかに水質汚濁防止法施行令を改正することとしている。

 今後は、その他の事項に関し、引き続き排水規制等専門委員会で御検討いただくこととしている。

            水 質 部 会 委 員 名 簿

 部 会 長  村 岡  浩 爾  大阪大学工学部教授
 委  員   浅 野  直 人  福岡大学法学部教授
   〃    足 立  則 安  全日本水道労働組合中央執行委員長
   〃    鎌 倉  利 夫  前全国町村会理事
   〃     岸   ユ キ  女優
   〃    木 原  啓 吉  江戸川大学社会学部教授
   〃    小早川  光 郎  東京大学大学院法学政治学研究科教授
   〃    櫻 井  治 彦  労働省産業医学総合研究所所長
   〃    佐 竹  五 六  (財)日本軽種馬登録協会理事長
   〃    清 水   誠   東京大学名誉教授
   〃    須 藤  隆 一  東北大学大学院工学研究科教授
   〃    隅 山  克 己  前全国漁業協同組合連合会専務理事
   〃    高 橋  さち子  魚類生態研究家
   〃    高 橋   裕   東京大学名誉教授
   〃    中 川  昭一郎  (株)山崎農業研究所代表
   〃    宮 西  香津子  石川県婦人団体協議会会長
   〃    三 好  俊 吉  日本鋼管(株)代表取締役会長
 特別委員   恩 田  怡 彦  日本製紙連合会副会長
   〃    小 林  康 彦  (財)日本環境衛生センター専務理事
   〃    坂 井  順 行  (株)沿岸環境開発資源利用センター
                             代表取締役社長
   〃    猿 田  勝 美  神奈川大学名誉教授
   〃    七 野   護   (財)日本産業廃処理振興センター理事
   〃    谷 山  重 孝  (社)日本農業集落排水協会理事長
   〃    西 山  紀 彦  三菱化学(株)常務取締役
   〃     林   裕 造  北里大学薬学部客員教授
   〃    檜 山  博 昭  前金属鉱業事業団理事長
   〃    福 井  経 一  (社)日本下水道協会理事長
   〃    松 尾  友 矩  東京大学大学院工学系研究科教授


<参考>

             これまでの審議経過


 平成9年5月14日 第14回中央環境審議会水質部会
          ・諮問(水質汚濁防止法の特定施設の追加等について)
          ・排水規制専門委員会の設置
 平成9年10月20日 第1回排水規制専門委員会
 平成10年1月16日 第2回排水規制専門委員会
          ・専門委員会報告を取りまとめ
 平成10年3月9日 第15回中央環境審議会水質部会
          ・専門委員会からの報告
          ・第一次答申(PCB処理施設の特定施設への追加について)
 平成11年2月22日 第19回中央環境審議会水質部会
          ・排水規制等専門委員会の設置
 平成11年6月10日 第1回排水規制等専門委員会
          ・ジクロロメタンによる洗浄施設等の特定施設への追加について
           検討
          ・専門委員会報告を取りまとめ
 平成11年8月2日 第21回中央環境審議会水質部会
          ・専門委員会らの報告
          ・第二次答申(案)に対するパブリックコメント手続きについて了承
 平成11年8月6日~9月5日 パブリックコメント手続き(意見の募集)
 平成11年11月2日 第22回中央環境審議会水質部会
          ・第二次答申
           (ジクロロメタンによる洗浄施設等の特定施設への追加について)

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局水質規制課
課 長 :吉田 徳久(6640)
 補 佐 :池田 鉄哉(6644)
 担 当 :宮本 健也(6644)