報道発表資料

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2000年02月10日

中央環境審議会答申「悪臭防止対策の今後のあり方について(第三次答申)」(臭気指数規制に係る排出水の規制基準の設定方法について)

 環境庁は、臭気指数による規制に関し、中央環境審議会(会長:近藤次郎(財) 国際科学技術財団理事長)に対し、平成7年1月17日付けで「悪臭防止対策の今後 のあり方について」を諮問した。これに対し、中央環境審議会より平成7年3月3日 付けで第一次答申、ついで平成9年11月21日付けで第二次答申がなされ、残され ていた臭気指数規制についての排出水に係る規制基準の設定方法について、大気部会 悪臭専門委員会(委員長:猿田勝美神奈川大学名誉教授)における報告を基に、 大気部会(部会長:池上詢福井工業大学工学部教授)において審議がすすめられて きた。
  本日開催された第27回大気部会において、臭気指数規制に係る排出水の規制基準 の設定方法を内容とする「悪臭防止対策の今後のあり方について(第三次報告)」が まとめられた。これを受けて、同日、中央環境審議会会長から環境庁長官に対し答申 がなされた(別添)。
  環境庁としては、本答申に基づき、悪臭防止法施行規則の改正等所要の手続きを 進めることとしている。
  また大気部会では、部会報告(案)を公表し、本年1月12日~2月3日までの 間、ファクシミリ、郵送、及び電子メールによる意見募集(パブリック・コメント) を行った。寄せられた意見及びその考え方について、本日の部会にて取りまとめられ たので公表する。

1.経緯

 複合臭気の問題等に対応するため導入された嗅覚測定法による臭気指数規制のうち、 排出水における規制基準(第3号規制基準)については、「悪臭防止対策の今後の あり方について」の平成7年3月の中央環境審議会第1次答申において、排出水から 拡散した臭気が地上1.5m地点で、敷地境界線における規制基準(第1号規制基準) に適合するよう定めることとされており、今回の答申は、この考え方に基づいて第3号 規制基準の設定方法をまとめたものである。

2.「悪臭防止対策の今後のあり方について(第三次答申)」の概要

(1)臭気指数第3号規制基準とは

悪臭防止法第4条第3号に基づき、工場・事業場の排出水から排出される臭気が、 水面上1.5mの地点において、敷地境界線における規制基準(第1号規制基準)の 臭気指数と等しくなるよう、排出水から発生する臭気を規制するための基準。 (注)第1号規制基準は、臭気指数が10から21の間の値であって、都道府県知事 (指定都市・中核市にあってはその長)が定める値。

(2)臭気指数第3号規制基準の設定方法

ア排出水に係る臭気指数の測定法

排出水に係る臭気指数の測定法については、第一次答申の方法に基づいて、三点 比較式臭袋法を基礎として測定に用いる使用器材及び操作方法を検討した結果、 排出水の臭気指数による規制を実施する場合の測定法として、排出水を無臭の水で 段階的に希釈し、フラスコ内の空気のにおいの程度について、三点比較式臭袋法と 同様の手順により算出する、三点比較式フラスコ法がその精度等においても十分な 信頼性があるとの結論を得た。
 したがって、法規制に係る排出水の臭気指数の測定法は、三点比較式フラスコ法 とすることが適当である。

イ排出水に係る臭気指数規制基準の設定方法

 排出水に係る規制基準の設定方法については、別添の悪臭専門委員会第三次報告 のとおりとし、よって規制基準については、次のとおりとすることが適当である。 排出水に係る規制基準は、排出水臭気指数と排出水の水面から1.5m上の地点に おける臭気指数(1.5m上臭気指数)との関係を希釈度(排出水臭気指数と 1.5m上臭気指数との比でどの程度薄まっているかをみる。)でとらえ、その 平均値を基礎として、1.5m上臭気指数が第1号規制基準と等しくなるよう設定 することとし、環境庁で行った排出水に係る臭気指数調査及び苦情実態調査結果を 踏まえ、希釈度を16に設定することが適当であるとの結論を得た。
  したがって、排出水に係る臭気指数規制基準は26から37の範囲で設定する ものとする。

(3)今後の課題

 今回の答申により悪臭防止法に基づく臭気指数に係る全ての規制基準が確立される こととなることから、臭気指数規制制度導入の一層の推進を図ることが重要であり、 そのための諸施策の強化に努めるべきである。その際、嗅覚測定に係る実施体制の 整備に一層努める必要があり、特に地方自治体職員に対する国による研修の実施等に よる測定体制の整備についての支援及び臭気判定士の積極的活用方策について幅広く 検討し、推進する必要がある。

3.パブリックコメント募集結果

 中央環境審議会大気部会では、「悪臭防止対策の今後のあり方について(第三次 報告)-臭気指数規制に係る排出水の規制基準の設定方法について-」の部会報告を 最終的にとりまとめるに当たり、広く国民の皆様からご意見を賜るべく、部会報告 (案)を公表し、本年1月12日~2月3日までの間、ファクシミリ、郵送、及び電子 メールによる意見募集(パブリック・コメント)を行った。

 今般、寄せられた意見(12件)に対する大気部会の考え方をとりまとめたので 公表する。なお、寄せられた意見については、分類、整理した形で案件ごとに とりまとめた。

募集期間:平成12年1月12日~平成12年2月3日

意見総数:5通(12件) ・意見提出方法別内訳(電子メール1通、ファクシミリ5通) ・意見提出者属性別内訳(個人5通)

主な意見とこれに対する考え方の概要は別添のとおり。

<参考>

審議経過

平成7年1月17日 環境庁長官から諮問(「悪臭防止対策の今後のあり方について」)

平成7年3月3日 第一次答申

平成9年11月21日 第二次答申(臭気指数規制に係る気体排出口の規制基準の 設定方法について)  

平成11年11月12日 第8回悪臭専門委員会

平成11年12月17日 第9回悪臭専門委員会

平成12年1月11日 第26回大気部会

平成12年1月12日~2月3日パブリックコメント手続 (国民からの意見の募集)

平成12年2月10日 第27回大気部会

平成12年2月10日 第三次答申(臭気指数規制に係る排出水の規制基準 の設定方法について)

添付資料

連絡先
環境庁中央環境審議会第27回大気部会事務局
(環境庁大気保全局大気生活環境室)
室  長:藤田八暉(内6540)
室長補佐:高橋達男(内6542)
担  当:高橋一彰(内6545)

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