報道発表資料
環境省は、2月9日(土)に兵庫県三田市において、生物多様性の保全に関心のある市民、企業、NPO/NGO及び自治体の方々を対象に、「生物多様性地域連携促進セミナー」を開催しました。
UNDB-Jキャラクター「タヨちゃん、サトくん」と兵庫県キャラクター「はばタン」、兵庫県立人と自然の博物館キャラクター「ひとはく博士」による「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」、農山村支援センター事務局長竹田純一氏による講演のほか、地域での活動事例の発表やワークショップを行いました。
概要
- 1.日時
- 平成25年2月9日(土) 13:00 ~ 17 : 00
- 2.会場
- 兵庫県立人と自然の博物館
(兵庫県三田市弥生が丘6丁目) - 3.主催等
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- 主催 :
- 環境省
- 共催 :
- 兵庫県、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、生物多様性自治体ネットワーク
- 協力 :
- 兵庫県立人と自然の博物館
- 4.出席者数
- 約100名(サイドイベントには約70名)
開催結果
1.開会挨拶
佐山 浩 (環境省 近畿地方環境事務所長) |
栃尾 隆 氏 (兵庫県 農政環境部 環境創造局長) |
2.生物多様性キャラクター応援団共同宣言式
UNDB-Jキャラクター「タヨちゃん、サトくん」、兵庫県キャラクター「はばタン」、兵庫県立人と自然の博物館キャラクター「ひとはく博士」が、今後協力して生物多様性に関する普及啓発に取り組むため「生物多様性キャラクター応援団共同宣言」を行いました。
左から、UNDB-Jキャラクター「タヨちゃん」「サトくん」、 人と自然の博物館キャラクター「ひとはく博士」、 兵庫県キャラクター「はばタン」 |
3.多様な主体の連携による生物多様性保全活動の意義
農山村支援センター事務局長/里地ネットワーク事務局長/ 内閣官房地域活性化伝道師/東京農業大学学術研究員 竹田 純一 氏 |
里地里山は、自然の恵み・生態系サービスを活かした暮らしが営まれてきた環境であり、数十年前までの日本人の生活基盤となっていた環境であること、そして、その里地里山を利活用する生活スタイルが消失しつつある時代環境の中で、里地里山の多様な生態系の保全のためには、異なる立場の人々が異なる視点で活動することが重要とのお話がありました。そして、多様な主体が連携するためには、分かりやすい目標と具体的な行動計画が必要なことなどの具体的なアドバイスをいただいたほか、全国の活動事例について紹介していただきました。
4.生物多様性地域連携促進法のあらましと生物多様性をめぐる最近の話題
「生物多様性国家戦略2012-2020」の策定やUNDB-Jの活動状況などについて紹介したほか、生物多様性地域連携促進法の目的や制度のあらましについて説明しました。 | |
山内 洋志 (環境省生物多様性施策推進室 室長補佐) |
5.地域での活動事例の発表
(1)地域連携保全活動による持続可能な都市型里山を目指して
西宮市では、現在、甲山グリーンエリアにおいて、環境学習を軸とした持続可能な里地・里山づくりを進めるため、生物多様性地域連携促進法に基づく地域連携保全活動計画を策定しています。 発表では、実際に甲山グリーンエリアで実施中の活動事例のほか、地域連携保全活動計画の策定に向けた体制や「持続可能な都市型里山を目指す」という今後の検討の方向性についてご説明をいただきました。 |
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上野 真理子 氏 (西宮市 環境局 環境緑化部 環境学習都市推進課 副主査) |
(2)東お多福山草原保全における多様な主体による地域連携
東お多福山のススキ草原では戦後の管理放棄に伴い、遷移等による草原の縮小とササ優占による質の変化が起こり、生物多様性が低下しています。東お多福山草原保全・再生研究会は、「ススキ草原の再生」「草原の生物の保全」「ワイズユース」をめざす複数団体により構成される団体です。 発表では、本草原の保全・再生には「大面積管理の必要性」「複雑な規制・所有形態に伴う許認可・調整の煩雑性」「多様な主体が共有できる公的な目標の提示」などの課題が存在すること、これらの解決には生物多様性地域連携促進法の適用が有効と考え、神戸市・芦屋市に地域連携保全活動計画の作成に関する提案を行ったことなどを紹介していただきました。 |
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橋本 佳延 氏 (東お多福山草原保全・再生研究会 事務局) |
(3)淡路水交会による漁業者の森づくり活動
淡路水交会では、豊かな海の再生を目指した活動として、柴漬けによるアオリイカ産卵床の造成や漁業者の森作り(植樹活動)を実施しています。 この活動は、淡路水交会だけではなく、協賛企業や漁業関連団体、行政、造園業者、地元小学校等の協力のもと実施しているもので、それぞれの主体の関わり方について具体的にご説明をいただくとともに、今後この活動をどう継続していくかが課題であるとのお話をいただきました。 |
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西野 恵介 氏 (南淡漁業協同組合 組合員) |
(4)尼崎の森中央緑地における百年の森の創造を目指した市民・企業・行政の連携
兵庫県では、尼崎21世紀の森づくりを進めています。この先導拠点である尼崎中央緑地では、生物多様性の森の創造をテーマに、“地域の森を手本とする”こと、“タネから森を育てる”こと、“みんなの力で育てる”ことをルールとして定め、市民グループや博物館等が協力しているほか、企業や学校も「協定」や「苗木の里親」などの形で関わっています。 兵庫県阪神南県民局の塚原氏からは、行政の立場から、尼崎21世紀の森づくりの全体像や、これから目指すこと(森づくりから森づかいへ)についてお話をいただきました。 また、尼崎信用金庫の越柴氏からは、「尼崎21世紀の森づくりの推進に関する協定」を締結した企業の立場で、これまでに実施されている活動やプロジェクトの内容についてご紹介いただきました。 |
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塚原 淳 氏 (兵庫県 阪神南県民局 尼崎港管理事務所 尼崎21世紀プロジェクト推進室長) |
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越柴 豊 氏 (尼崎信用金庫 営業統括部 次長) |
6.ワークショップ
事例発表ごとの4つのグループに分かれて、多様な主体の連携による生物多様性保全活動を進めるために、「それぞれの立場で何ができるか」、「既存の取り組みをさらに展開するためにどうすれば良いか」というテーマで、発表者・参加者を交えて意見交換を行いました。
ワークショップでの意見交換 |
ワークショップ成果の発表 |
7.サイドイベント
別会場で子どもたちを対象としたサイドイベントを開催しました。サイドイベントでは「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」、「生物多様性おにごっこ」、「MY行動宣言」、キャラクターたちとの写真撮影会などを実施し、生きものと環境について楽しく学びました。
「生物多様性おにごっこ」※の様子 |
※「生物多様性おにごっこ」は、子どもたちが配られたカードに描かれた生きものの気持ちになり、おにが読み上げる様々な環境問題に危機を感じたら安全地帯に逃げ込むという遊びです。 |
8.参加した活動団体によるブース出展
ブース出展の様子 |
意見交換の様子 |
セミナーの会場では、NPO/NGOや民間企業、農業団体、行政など14の活動団体が、それぞれの取組を紹介するパネルを展示しました。各パネルの前では取組の課題等についての意見交換が行われました。
【参考】
○ 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(生物多様性地域連携促進法)
生物多様性は地域の自然的・社会的条件に応じて保全されることが重要であることから、地域における多様な主体が連携して生物多様性の保全活動を行うことを促進し、豊かな生物多様性を保全することを目的として、平成22年12月10日に制定され、平成23年10月1日に施行されました。
(ウェブサイト)
https://www.env.go.jp/nature/biodic/act_promo/index.html
○ 国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため2011年9月に設立されました。
(ウェブサイト)http://undb.jp/
○ 生物多様性キャラクター応援団
国民一人ひとりに生物多様性に対する認知や理解を広げ、国民運動として生物多様性に関する取り組みを促進するため、2012年9月、UNDB-Jの広報組織として「生物多様性キャラクター応援団」を旗揚げしました。広く様々なキャラクターからの入団申請を募集中です。生物多様性全国ミーティングや生物多様性地域セミナー等における「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」の実施、様々なイベントやウェブサイト、生物多様性マガジン「Iki・Tomo(イキトモ)」での情報発信など、積極的な広報活動を行います。
(ウェブサイト)http://undb.jp/public/index.html
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性施策推進室
代表 : 03-3581-3351
直通 : 03-5521-9108
室長 : 牛場 雅己 (内:6660)
室長補佐 : 山内 洋志 (内:6662)
担当 : 笹渕 紘平 (内:6663)