報道発表資料

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2000年09月04日

自動車排出ガスの量の許容限度の一部改正について

環境庁は、平成10年12月の中央環境審議会第三次答申「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」に基づき自動車排出ガス規制を強化するため、大気汚染防止法に基づく「自動車排出ガスの量の許容限度」(昭和49年1月環境庁告示第1号)の改正を平成12年9月5日付けで公示する。

 ○ディーゼル自動車の排出ガス規制の強化
 第三次答申に基づき、軽油を燃料とする自動車の全車種について許容限度を改正する。
 本改正に基づき、車種により窒素酸化物(NOx)で25~30%、粒子状物質(PM)で28~35%、許容限度が強化され、
平成14年規制(乗用車、トラック・バスのうち車両総重量1.7トン以下のもの)
平成15年規制(トラック・バスのうち車両総重量1.7トン超え12トン以下のもの)
平成16年規制(トラック・バスのうち車両総重量12トン超えのもの)
が実施されることとなる。
 併せて、急発進時等のディーゼル黒煙の過剰な排出を抑制するため、新型車の黒煙試験方法である3モード全負荷試験を改定し、4モード全負荷試験を導入する。
 また、エンジンのピストンの隙間より漏れ出るガス(ブローバイガス)を防止するため、ディーゼル自動車においてもブローバイガス規制を導入して、ブローバイガス還元装置の搭載を義務付ける。

 この改正を受けて、運輸省においても同日付けで道路運送車両法に基づく「道路運送車両の保安基準」(昭和26年7月運輸省令第67号)を改正する予定である。
 なお、自動車排出ガス低減対策については、現在も引き続き中央環境審議会で審議中である。

1.経緯等
 大都市地域を中心に依然として深刻な二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)等による大気汚染を改善するため、環境庁は、自動車排出ガス対策や固定発生源対策等の諸施策を推進しているところである。
 特に沿道における大気環境中のNO2、SPMについては、ディーゼル自動車から排出されるNOx、PMの寄与率が高く、大気汚染防止法に基づく自動車排出ガス規制については、平成元年12月の中央公害対策審議会答申で示された低減目標に沿って、平成9年から11年にかけて規制強化がなされたところである。
 ディーゼル自動車の新たな低減目標については、平成10年12月14日の中央環境審議会答申「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第三次答申)」において取りまとめられ、車種により平成14年から16年にかけて排出ガス規制を大幅に強化することが求められた(別紙1参照)。
 第三次答申を受けて排出ガス規制を強化するため、環境庁は大気汚染防止法に基づく「自動車排出ガスの量の許容限度」(昭和49年1月環境庁告示第1号)を改正し、平成12年9月5日付けで公示する予定である。

2.改正の概要
(1)別表第一:新車関係(別添1参照)
 軽油を燃料とする乗用車及びトラック・バスについて、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、NOx及びPMの排出ガス規制強化を図るため、許容限度を改正し、上限規制値(新車1台ごとの排出ガスの量の上限値)を強化する。

(2)別表第一の二:型式関係(別添2参照)

 軽油を燃料とする乗用車及びトラック・バスについて、CO、HC、NOx及びPMの排出ガス規制強化を図るため、許容限度を改正し、平均値規制(同一型式(モデル)のすべての生産車の平均値の規制。各型式ごとに適用される。)を強化する。

(3)別表第一及び第一の二:ディーゼル自動車の黒煙試験方法及びブローバイガス規制
1黒煙試験方法

 急発進時等のディーゼル黒煙の過剰な排出を抑制するため、新型車の黒煙試験方法である3モード全負荷試験を改定し、4モード全負荷試験を導入する(別紙2参照)。

   (参考)黒煙試験方法

  試験方法 用 途
新型車 (現行)3モード全負荷試験
(改正)4モード全負荷試験
運輸省の認証、
メーカーの生産管理
使 用
過程車
無負荷急加速試験 車検、街頭検査

2ブローバイガス規制

 ディーゼル自動車について、今回新たにブローバイガス規制を導入して、ブローバイガス還元装置の搭載を義務付ける。
 (ブローバイガス:エンジンのピストンの隙間よりクランクケースに漏れ出るガス。空気、未燃焼の燃料、燃焼後の排気ガスから成り、炭化水素等を含む。)

3.今後の予定
 自動車排出ガスの量の許容限度の改正を受けて、運輸省においては、同日付けで「道路運送車両の保安基準」(昭和26年7月運輸省令第67号)の改正を行う予定である。これにより、ディーゼル自動車については、
平成14年規制(乗用車、トラック・バスのうち車両総重量1.7トン以下のもの)
平成15年規制(トラック・バスのうち車両総重量1.7トン超え12トン以下のもの)
平成16年規制(トラック・バスのうち車両総重量12トン超えのもの)
が実施されることとなる。
 自動車排出ガス低減対策については、引き続き中央環境審議会において審議しており、第三次答申で平成19年頃を目途に本改正に基づく規制値の2分の1程度とされたディーゼル自動車の新長期目標の達成時期を2年程度前倒しすること等を審議している。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課 長 :松本和良(6550)
 補 佐 :酒井雅彦(6552)

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