報道発表資料

この記事を印刷
2009年05月25日
  • 自然環境

聟島に移送したアホウドリのヒナ全羽の巣立ちについて(速報)

 小笠原群島(むこ)(じま)におけるアホウドリの新繁殖地形成事業として、今年の2月5日に伊豆諸島鳥島から聟島までヘリコプターで移送したアホウドリのヒナ15羽全てが、本日までに聟島の飼育サイトより巣立ちましたので、お知らせいたします。
 移送したヒナは移送後約3か月間、(財)山階鳥類研究所の研究チームからの給餌を受け、順調に成長してきました。5月11日に1羽のメスが巣立った後、他のヒナも順に巣立ちを迎え、25日に最後のオス1羽が巣立ちました。
 巣立ち後のヒナは、北太平洋のベーリング海やアリューシャン列島、アラスカ沿岸まで渡っていくものと予想されます。
 今回巣立ったヒナ15羽のうち、7羽に衛星発信器を装着していますので、今後の巣立ち後の行動についても明らかとなる予定です。

この事業は、山階鳥類研究所が実施の中心となり、環境省と米国魚類野生生物局とが共同で実施しています。

ヒナの巣立ちについて

巣立ち日巣立ち羽数♂♀発信器
5月11日 1羽 メス
14日 2羽 オス
メス ●発信器装着
17日 1羽 オス ●発信器装着
18日 4羽 メス
オス ●発信器装着
メス ●発信器装着
オス
19日 1羽 オス
22日 2羽 オス ●発信器装着
メス ●発信器装着
23日 2羽 オス ●発信器装着
オス
24日 1羽 オス
25日 1羽 オス
計15羽 (発信器装着 :計7羽)
現在、巣立ち後のヒナの位置データ等について取りまとめを行っていますので、これらの情報については、取りまとまり次第お知らせします。

これまでの経過

<平成19年>
3月~6月
近縁種のクロアシアホウドリによる実証試験
9月
環境省野生生物保護対策検討会アホウドリ保護増殖分科会において、事業の実施内容について検討。
<平成20年>
2月19日
伊豆諸島鳥島において捕獲したヒナ10羽をヘリコプターに載せて、小笠原群島聟島まで移送。
  ↓
(山階鳥類研究所の職員が聟島に滞在し、ヒナの人工飼育を実施。)
5月19日
ヒナ1羽が巣立ち。
5月25日
移送したヒナ全10羽が巣立ち。
6月30日
発信器装着個体のうち4羽がアリューシャン列島海域に到達。
<平成21年>
2月5日
伊豆諸島鳥島において捕獲したヒナ15羽を、小笠原群島聟島まで移送。
  ↓
(山階鳥類研究所の職員が聟島に滞在し、ヒナの人工飼育を実施。)
5月25日
最後のヒナ1羽が巣立ち。

ヒナの写真

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長:星野 一昭(6460)
課長補佐:西山 理行(6475)
係長:坂口 隆(6469)
直通(03)5521-8283