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2020年11月27日
  • 自然環境

港湾におけるヒアリ確認調査の実施結果について

 平成29年6月に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)が国内で初めて確認されて以降、環境省及び国土交通省では、中国、台湾等からの定期コンテナ航路を有する全国の港湾において、ヒアリの侵入状況確認調査を実施しています。今年度、夏季調査を5月から9月まで、秋季調査を9月から11月まで実施した結果についてお知らせします。
 調査の結果、夏季調査では東京港、大阪港及び横浜港で、秋季調査では千葉港、横浜港、東京港及び名古屋港でヒアリが確認されました。
 一部の確認地点においては、モニタリング調査と残存個体の駆除を継続しています。

1.調査の目的

 ヒアリについては、平成29年6月に国内で初めて確認されて以降、現在までに16都道府県、64事例が確認されており、今年度は16事例が確認されています。

 これまでに確認された個体は全て駆除しており、国内での定着を防いでいますが、引き続き侵入初期で発見し早期防除を実施することが重要であることから、環境省と国土交通省では、継続的に侵入状況を確認することを目的として、今年度も港湾におけるヒアリの確認調査を実施しました。

2.調査の概要

調査時期:
各港湾で2回(5月~9月と9月~11月)実施。
調査対象:
中国、台湾等からの定期コンテナ航路(休止航路を除く)を有する65港湾。
調査方法:
専門調査員によるベイト(スナック菓子等の誘引剤)を活用した目視調査を基本とし、状況 に応じて粘着トラップの設置による調査を実施。
その他:
本調査においてヒアリが発見された場合には、殺虫処分を行う等の緊急的な防除を実施。

3.調査の実施結果

(1)夏季調査

  • 東京港:7月10日に行われた調査でヒアリを確認(7月14日既報)。確認地点では薬剤散布とモニタリング調査を実施し、ヒアリがいなくなったことを確認済みです。
  • 大阪港:7月30日に行われた調査でヒアリを確認(8月4日既報)。確認地点では薬剤散布とモニタリング調査を実施し、ヒアリがいなくなったことを確認済みです。
  • 横浜港:7月31日に行われた調査でヒアリを確認(8月6日神奈川県・横浜市公表)。確認地点では薬剤散布とモニタリング調査を実施し、ヒアリがいなくなったことを確認済みです。
  • なお、このほかに大阪港及び松山港における調査ではアカカミアリが確認されました。

(2)秋季調査

  • 千葉港:9月18日に回収されたトラップからヒアリを確認(9月28日千葉県・千葉市公表)。トラップ回収地点で詳細調査を実施し、追加の確認はありませんでした。
  • 横浜港:9月25日に行われた調査でヒアリを確認(9月29日既報)。確認地点では薬剤散布とモニタリング調査を継続中です。
  • 東京港:10月2日及び6日に行われた調査でヒアリを確認(10月7日既報)。確認地点では薬剤散布とモニタリング調査を継続中です。
  • 名古屋港:10月18日に行われた調査でヒアリを確認(10月20日既報)。確認地点では薬剤散布とモニタリング調査を継続中です。
  • なお、このほかに横浜港及び御前崎港における調査ではアカカミアリが確認されました。

詳細は別添1及び別添2の一覧表及び以下のページを参照ください。

 「港湾におけるヒアリ類確認調査の実施状況(2020年度夏季調査)」 

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/2020summer.html  

 「港湾におけるヒアリ類確認調査の実施状況(2020年度秋季調査)」

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/fireant/2020automn.html 

4.その他

(1)令和2年度のヒアリ確認状況

 本調査以外での確認も含めて、4月から現在までに16事例が確認されています。このうち、コンテナや貨物等から発見され、由来が明らかな確認が4件(いずれも中国由来)で、そのほかの12件は上記の調査等でコンテナヤード等の港湾内の地面で確認されました。9月に名古屋港飛島ふ頭で発見された集団には、多数の有翅女王アリが含まれていたことから、専門家の助言のもと緊急的な駆除を実施しましたが、現在もモニタリングを継続しています。

 確認事例の詳細は以下のページを参照ください。

 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/2020hiari.html 

(2)青海ふ頭及び周辺における調査

 令和元年9月から10月にかけて多数の有翅女王アリが確認された青海ふ頭においては、同年10月のヒアリ対策関係閣僚会議で確認した方針を踏まえ、今年度も防除と調査を継続しました。具体的には、以下の取組を行いました。

 ①青海ふ頭コンテナヤードの全域における薬剤散布及びモニタリング

 ②周囲2㎞を目安とした周辺調査

 ③関係事業者や周辺住民への注意喚起

 青海ふ頭コンテナヤードにおいては、昨年11月から今年8月までの継続的な薬剤散布の結果、昨年12月以降、残存個体と見られるヒアリの確認がないことから、駆除は完了したとみられます。また、周辺地域についても、昨年秋及び今年の春・秋の3回の調査においてヒアリは確認されていません。引き続き、来年度も同様のモニタリング調査を実施する予定です。

5.疑わしいアリの発見時の対応について

 疑わしいアリを発見された方は、以下に留意するようお願いします。

<事業者の皆様へのお願い>

 コンテナの開封時等にヒアリやアカカミアリと疑わしいアリを発見した場合、まずは刺激を避けつつ、コンテナのどの箇所にどの程度の生きたアリ類がいるか等、状況を確認してください。

  1. 多数の生きたアリ類の集団がいる(予想される)場合は、コンテナの扉を閉めて逃げ出さないよう静置してください。そのうえで、関係機関(港湾管理者、地方公共団体、環境省地方環境事務所等)に速やかに連絡し、取り扱いについて相談してください。可能であれば、強粘着の布ガムテープでコンテナの目張りをするなど、アリが逃げ出さないよう対応してください。

  2. アリ類が少数しかおらず、逃げ出す恐れのない場合は、市販のスプレー式殺虫剤等でその場で駆除してください。その上で、関係機関に速やかに連絡し、取り扱いについて相談してください。

 詳しくは、環境省の「ヒアリの防除に関する基本的考え方 Ver.3.0」のP.17~22を参照してください。  

https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/file/hiariboujo_Ver.3.0.pdf

<一般の皆様へのお願い>

 ヒアリの詳しい特徴や注意事項、見つけたときや刺されてしまった場合の対処方法などについては下記を参照してください。

 「特定外来生物ヒアリに関する情報」

https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/hiari.html

 ヒアリやアカカミアリと疑わしいアリを発見した場合や、ヒアリの特徴等一般的な問合せ、健康被害の問合せ等については、「ヒアリ相談ダイアル」を御利用ください。

  • 受付曜日:土日祝を含む毎日(12/29~1/3は除く)
  • 受付日時:午前9時から午後5時
  • ヒアリ相談ダイアル 0570-046-110(IP電話の場合 06-7634-7300

 チャットボット(自動会話プログラム)による情報提供や相談受付等も行っています。

 以下のURLから、24時間、365日御利用いただけます。

 「アリーのヒアリ相談チャットボット」

https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/05_contact/index.html

    

添付資料

連絡先

環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室

  • 代表03-3581-3351
  • 室長北橋 義明
  • 室長補佐水﨑 進介
  • 室長補佐深谷 雪雄
  • 担当西村 健汰(内線 7473)

関連情報

過去の報道発表資料

令和2年5月28日
港湾におけるヒアリ確認調査の実施について

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