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2019年07月18日
  • 大気環境

平成 30 年度 冬の星空観察 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果について

環境省では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づき、環境保全の重要性について関心を深めていただくこと、また、良好な大気環境や美しい星空を地域資源(観光や教育)としても活用していただくことを目指して、星空観察を推進しており、平成30年度から夏と冬の2回、肉眼による観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を呼びかけています。
平成30年度の冬期観察で実施した、デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

1.趣旨

環境省では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づき、環境保全の重要性について関心を深めていただくこと、また、良好な大気環境や美しい星空を地域資源(観光や教育)としても活用していただくことを目指して、平成29年度「星空観察の推進手法に関する検討会」を開催し、その検討結果として、平成30年度から夏と冬の2回、肉眼による観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を呼びかけています。今年度の夏期観察で実施した、デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、この調査は星空公団と共同で実施しました。

2.デジタルカメラによる夜空の明るさ調査概要

(1)観察期間と観察時間

平成 31(2019)年1月 26 日(土)~2月8日(金) 日没後1時間半~3時間半まで

(データ投稿受付期間:平成 31(2019)年1月 26 日(土)~2月 15 日(金))

(2)調査方法

デジタルカメラを用いて天頂付近の星空を撮影し、その画像データから「夜空の明るさ」(星空の見やすさ)を測定しました。具体的には、(1)の観察期間中に、全国各地の調査参加者により所定の条件下で撮影された天頂付近の星空の画像デ ータを、報告サイトを通じて環境省に送付していただき、画像解析によって「等級

(mag/□"):(マグニチュードパー平方秒角)」を単位とする「夜空の明るさ」を求めています。「夜空の明るさ」の値が大きいほど夜空が暗いことを示し、星が見えやすい状態になります。

こうしたデータを継続的に調査することで、地域における光害や大気汚染の状態に関する啓発材料として、積極的に活用することが期待されます。また、星空の地域資源としての活用にも資するため、今後継続的なデータの蓄積を進めつつ、我が国の実態に即した評価手法の検討を進めます。

※夜空の明るさを測る単位及び測定方法は、参考資料を御覧ください。

3.調査結果

(1)実施状況

全国から 736 件のデータが収集されました。

また、今後継続的なデータの蓄積を経て、地域ごとの夜空の明るさの段階分けを予定しており、前回の夏期及び今回の冬期観察実施の際、継続観察に参加を希望する団体・個人の登録を募集したところ、282 地点(98 団体・個人)の登録が行われ、うち今回冬の観察において239地点(データ投稿総数は368件)の報告がありました。

(2)結果の概要

ア 「夜空の明るさ」等級ごとの件数

等級(mag/□")

有効データ投稿数(注1)

継続観察登録地点における有効データ投稿数

21 以上

111 件

80 件

20 以上~21 未満

219 件

105 件

19 以上~20 未満

120 件

48 件

18 以上~19 未満

86 件

32 件

17 以上~18 未満

85 件

39 件

17 未満

20 件

7 件

641 件

311 件

(注1)雲天、観察時間外、観察期間外、カメラ設定が極端に異なるデータは除いています。

※継続観察登録地点のうち、天の川が見えやすいと考えられる 20 等級以上であった地点については、別紙2を御覧ください。

※「夜空の明るさ」のめやす(個人差があります)

等級(mag/□")

21 以上

天の川の複雑な構造が確認でき、星団などの観測ができる

20 以上~21 未満

山や海などの暗さ、天の川がよく見られる

19 以上~20 未満

郊外の暗さ、天の川が見え始める

18 以上~19 未満

住宅地の明るさ、星座の形がよく分かる

17 以上~18 未満

市街地の明るさ、星座の形が分かり始める

17 未満

都市部の明るさ、星はほとんど見られない

(星空公団提供資料より)

イ 観察地点の周辺状況別に見た「夜空の明るさ」(継続観察登録地点における投稿データより)

地域区分

件数

平均値(mag/□")

最大値(mag/□")

最小値(mag/□")

住宅地域

103 件

18.7

21.5

16.5

商業地域

10 件

18.2

20.2

16.7

農業地域

51 件

20.4

21.8

18.0

森林山間地

66 件

20.8

21.7

17.8

自然公園等

60 件

20.6

21.9

17.0

工業地域

2件

19.1

19.5

18.7

その他

19 件

20.2

21.9

18.4

311 件

※雲天、観察時間外、観察期間外、カメラ設定が極端に異なるデータは除いています。

736 件全ての結果については、別紙3を御覧ください。

4.その他

(1)星空観察の推進について

昨年度の「星空観察の推進手法に関する検討会」の結果について、環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/press/104711.html)で公表しています。

(2)星空公団による「デジカメ星空診断」

デジタルカメラによる夜空の明るさ調査は、星空公団と共同で実施しています。星空公団では、環境省が昭和 63 年から平成 24 年まで 25 年間にわたって続けてきた全国星空継続観察が休止となった後、その代わりとなる夜空の明るさ観察を実施してきました。この星空公団主催による「デジカメ星空診断」は、今後は地域独自の調査に対応した形で継続されています。詳細は、星空公団ウェブサイト

(https://dcdock.kodan.jp)を御確認ください。

(3)「星空を見よう」星空観察情報サイトについて

星空観察や光害については、「星空を見よう」星空観察情報サイト

https://www.env.go.jp/air/life/hoshizorakansatsu/index.html)に詳しい資料を掲載しています。ぜひ御覧ください。

※別紙資料、参考資料については下記よりPDFをご覧ください。

添付資料

連絡先

環境省水・大気環境局大気生活環境室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8299
  • 室長吉川圭子(内線 6540)
  • 室長補佐森枝聖子(内線 6541)
  • 担当山本奈津美(内線 6549)

関連情報

関連Webページ

過去の報道発表資料

平成29年10月23日
星空観察の推進について
平成31年1月7日
平成30年度 冬の星空観察について

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