報道発表資料

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2009年01月26日
  • 再生循環

有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップ2009の結果概要について(お知らせ)

 平成21年1月20日(火)~22日(木)に、マレーシアのクアラルンプールにおいて、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップ2009が開催されました。ワークショップにはアジア11カ国等が出席し、有害廃棄物の不法輸出入防止に関する各国の取組の状況の報告、バーゼル条約の施行に関する優れた事例の紹介と共有、アジアにおける資源循環の現状等について議論が行われ、今後も情報交換を促進し、協力体制を継続していくことが合意されました。

1 日程

平成21年1月20日(火)~22日(木)

2 場所

クアラルンプール(マレーシア)

3 主催

環境省及びバーゼル条約地域事務所(インドネシア)

4 後援

マレーシア天然資源・環境省

5 参加者

  • アジア11カ国(インドネシア、韓国、カンボジア、シンガポール、タイ、中国(香港含む)、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、日本)のバーゼル条約担当官
  • バーゼル条約地域事務所(インドネシア、中国)
  • バーゼル条約事務局、EU(IMPEL1)等(オブザーバー)
1 Implementation and Enforcement of Environmental Law:
 ヨーロッパにおける環境法規制の遵守と施行のためのネットワーク

6 主な議題

(1)開会及び各国の条約施行に係る取組
 谷津環境省廃棄物・リサイクル対策部長からの開会挨拶に引き続き、参加各国からバーゼル条約の施行に係る規制の最新情報や有害廃棄物の越境移動量等に関する報告が行われました。我が国からは、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)の施行状況を報告するとともに、バーゼル条約の下で行われている「アジア太平洋地域におけるE-waste(廃電気電子機器)の環境上適正な管理プロジェクト」や「水銀廃棄物の環境上適正な管理に関する技術ガイドライン」に対する我が国の財政的・技術的支援等について発表を行いました。
 その中で、各国において規制される廃棄物の定義が異なることを踏まえ、情報交換や事前通報・同意手続(PIC: Prior Informed Consent)の重要性が再確認されました。
(2)条約の効果的施行のための優良事例(グッドプラクティス)
 各国における条約の施行に係る優れた取組事例として、税関等の関係機関との連携体制や普及啓発活動、輸出入手続の電子化などについて報告がありました。また、バーゼル条約地域事務所(インドネシア)からは、アジアにおける有害廃棄物データベースの構築計画について説明がありました。
 優れた取組事例を地域内で継続的に共有していくための方策について議論が行われた結果、各国の優良事例を集めた電子ハンドブックの作成が合意されました。また、不法輸出入の防止に当たっては、各国が協力し、法に則った輸出入手続を円滑かつ迅速に進めることが重要との認識から、輸出入国間での電子的手段を用いた通告の授受や各国における標準処理期間の設定を促進することなどが合意されました。
(3)アジア地域における有害廃棄物の越境移動の現状
 アジア地域における有害廃棄物等の越境移動及び処理の実態を理解した上で、締約国会合等の場における議論に反映させていくことを目的として、地域が直面する課題や対応策を話し合うセッションが設けられました。
 グローバリゼーションの進展やアジア地域の急速な経済成長を背景として、地域内での有害廃棄物等の越境移動量が増加している現状や各国の技術水準に応じたリサイクル・処理の状況が紹介されました。こうした現状を踏まえ、不法輸出入防止のための水際での厳格な監視に加え、国内における有効な法施行や普及啓発、開発のための社会・経済的ニーズに応じた対策の必要性が確認されました。
(4)中古電子電気機器とE-wasteの環境上適正な管理に向けて
 我が国が支援している「アジア太平洋地域におけるE-wasteの環境上適正な管理プロジェクト」の参加国及びバーゼル条約地域事務所(中国)から、プロジェクトの結果及び今後の活動予定等が報告されました。また、バーゼル条約事務局からコンピュータ機器廃棄物の適正管理を目的とした新たな官民共同パートナーシップ(PACE: Partnership for Action on Computing Equipment)の動き等についての紹介が行われました。
 途上国における購買力の上昇に伴い今後廃棄されるE-wasteの量の増加が予想されることを踏まえ、製造業者を含めた回収システムのあり方などについて議論が行われました。
(5)施設見学
 Kualiti Alam 社の廃棄物管理センターにおいて有害廃棄物処理施設を見学しました。
(6)その他
 ワークショップの会期中に、谷津環境省廃棄物・リサイクル対策部長はLee Heng Kengマレーシア天然資源・環境省環境局次長と、バーゼル条約の円滑な施行及びE-wasteの環境上適正な管理のための協力について、政策対話と意見交換を行いました。
 その中で、E-wasteの環境上適正な管理のためのプロジェクトの円滑な実施に向けて、協議を継続していくことが合意されました。
連絡先
環境省廃棄物・リサイクル対策部
適正処理・不法投棄対策室
直通:03-5501-3157
代表:03-3581-3351
室長:荒木 真一(内線6881)
係長:西川 絢子(内線6885)
担当:本多 俊一(内線6885)