報道発表資料
また、11月23日(水)には、アジア各国のバーゼル条約担当官等による有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワーク第2回ワークショップを東京にて開催しました。ワークショップでは、有害廃棄物の輸出入に関する各国の状況や対応について情報交換が行われたほか、中古品と称する有害廃棄物の不法輸出入防止のため、中古品と廃棄物についての該否判断ガイドラインの作成に向けて作業を開始することを合意しました。
1.バーゼル条約E-wasteワークショップ
(1)開催趣旨
近年、各国において、使用済みのテレビ、パソコン、冷蔵庫等の電気電子機器であって中古利用されずに分解・リサイクル又は処分されるもの(E-waste)が増加しており、その輸出入も急増しています。これらのE-wasteには鉛等の有害物質が含まれており、輸出先の途上国、特にアジア地域を中心に環境及び健康に及ぼす悪影響が懸念されています。このため、本年7月に開催されたバーゼル条約第4回作業部会において、「アジア太平洋地域におけるE-wasteの環境上適正な管理プロジェクト」(05~08年)の実施が承認されました(別添1参照)。本ワークショップは、上記プロジェクトのキックオフとして、関係者間(政府、国際機関、研究者、産業界、NGO等)の情報共有及びプロジェクトの行動計画の策定のために開催されました。
(2)概要
- 日時:
平成17年11月21日(月)、22日(火)、24日(木)
- 場所:
東京(三田共用会議所)
- 主催:
バーゼル条約事務局、日本国環境省、国立環境研究所
- 共同議長:
日本、タイ
- 参加者(約100名):
-
- ○アジア太平洋諸国(12か国)
カンボジア、中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、スリランカ、タイ、ベトナム、日本
- ○その他の国(4か国)
オーストラリア、スイス、カナダ、英国
- ○国際機関
バーゼル条約事務局、バーゼル条約地域センター、EC 等
- ○研究者
国立環境研究所、京都大学、アジア経済研究所 等
- ○産業界
(財)家電製品協会、同和鉱業(株)、富士ゼロックス(株)、三菱電機(株) 等
- ○NGO
Basel Action Network、Development Alternatives 等
(3)結果概要(プログラムは別添2参照)
- [1]
-
開会に当たり、小池環境大臣から、E-wasteの環境上適正な管理のために、今後E-wasteの3Rに関する我が国の経験をアジア太平洋地域に発信していくことや、今回の会議を同地域における関係者の連携強化の大きな契機としたいと考えていることなどが表明されました。
- [2]
-
E-waste問題に関する経験や課題等の情報を共有しました。
- ○
- 各国政府による、E-wasteの環境上適正な管理(輸出入含む)に関する経験、取組、法制度等の報告
- ○
- 国際機関による、E-wasteに関する法制度の報告
- ○
- E-wasteのリサイクルに関する産業界の経験及び取組の成果等の報告
- ○
- 研究機関による、E-wasteの環境影響等に関する研究結果の発表
- ○
- NGOによる、E-wasteが現在引き起こしている問題等の報告
- [3]
-
その後、途上国が提案した国別プロジェクト案及び情報共有等に関する地域計画に関し、議論を行いました。
- [4]
-
これらの結果を踏まえ、E-wasteの環境上適正な管理のために国レベル及び地域レベルで求められる事項に関する提言と、本プロジェクトの実施に関する行動計画が合意されました(別添3参照)。
- [5]
-
11月25日には、家電リサイクル施設((株)ハイパーサイクルシステムズ 東浜リサイクルセンター)を視察しました。
(4)今後の予定
国別プロジェクト案を提出した途上国は、本ワークショップにおける議論を踏まえて修正したプロジェクト文書を、来年1月末までにバーゼル条約事務局に提出します。
その後、国別プロジェクトを実行に移すとともに、適正処理ガイドラインの作成、環境に配慮した技術に関する地域ワークショップ、E-wasteのアジア地域における適正な循環の確保方策の検討等を2008年までに行う予定です(別添1参照。)。
2.有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワーク第2回ワークショップ
(1)開催趣旨
有害廃棄物の不法輸出入防止のためには、各国のバーゼル条約実施能力の向上及び関係国間の情報交換体制(ネットワーク)の整備が急務であるという認識のもと、アジア各国のバーゼル条約担当官等を招いて昨年東京で開催された第1回ワークショップにおいて、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークの構築が合意されました。(同ネットワークの概要や活動などは右のウェブサイト参照(英語のみ)https://www.env.go.jp/en/pol/asian_net/)
第2回ワークショップでは、各国の法制度や不法輸出入への取組に関する最新の情報を共有するとともに、ネットワーク参加国間での有害廃棄物の不法輸出入防止のための今後の連携方法等について議論を行いました。
(2)概要
- 日程:
平成17年11月23日(水)
- 場所:
ヴィラフォンテーヌ汐留 第3会議室
- 主催:
日本国環境省
- 議長:
日本国環境省
- 参加者:
-
カンボジア、香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、ベトナム、日本(10カ国)のバーゼル条約上の権限ある当局(Competent Authority)並びに北京及びジャカルタのバーゼル条約地域センター
- オブザーバー:
バーゼル条約事務局長、EC、オーストラリア 等
(3)結果概要
以下の内容の議論がなされ、議長サマリー(別添4)が合意されました。
- [1]
参加国の発表等を通じて、法制度、不法輸出入への取組み、有害廃棄物や中古品の輸出入傾向等に関する最新の情報を共有しました。
- [2]
ネットワークの暫定事務局である日本から、ウェブサイトの開設などの2005年の暫定事務局の活動を報告するとともに、参加国に対し、各国の関係法令等の情報の逐次更新を呼びかけました。
- [3]
本ワークショップに先立って行われたアンケート結果を踏まえ、電気電子機器を中心とする中古品と称して輸出入される有害廃棄物について議論がなされました。議論では、中古電気電子機器廃棄物の輸出入管理について関心が集まり、中古品と廃棄物とを区別するためのガイドラインの作成を視野に入れた情報収集を開始することが合意されました。また、次回のワークショップに向けて、日本と香港が協力して同ガイドラインの第一案を作成することが合意されました。
- [4]
関連して、有害廃棄物の各国独自の定義を持つ国については、その定義をバーゼル条約第3条に基づきバーゼル条約事務局に通報することの必要性が確認されました。
添付資料
- 連絡先
- 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理・不法投棄対策室
室長:坂川 勉(内6881)
室長補佐:袖野 玲子(内6885)
担当:白石 賢司(内6886)