環境ナノテクの世界動向

NanoGram Corporation 神部信幸

用語解説

ナノテクノロジー
主に100nm以下の構造や組織・粒子を取り扱う技術のことを言う。広義にはこれらの大きさの物を観察したり分析する技術のことを含める場合がある。
環境技術
主に環境保護につながる技術のこと。環境中に有害物を出さないフィルターや、環境中の有害物を分解する触媒などが含まれる。
ヒューマンインターフェース
人間の実生活における接点のことの総称。テレビやパソコンの画面などもヒューマンインターフェースの一種である。
パラダイム
模範、典型的な例
物理化学評価(physicochemical)手法
その物質あるいは技術の物理的あるいは化学的な性質を評価するさまざま手法の総称。例えば濡れやすさや蒸発のしやすさなども一つの指標である。
ナノマテリアル
100nm以下のナノスケールで構造が制御された物質のこと。実存状態ではそれ以上の大きさであっても、分散することで100nm以下のスケールになるものも含めることがある。
イノベーション
継続的でなく、飛躍的な技術革新。あるいはそれを伴う製品開発のことを言う。
再生可能エネルギー
再利用が可能なエネルギーのことであるが、現実的には太陽光や地熱など自然エネルギーのことを総称する場合が多い。
バイオ燃料
石油や石炭などの化成燃料ではなく、原則的に人間がコントロール可能な生物から抽出されるエネルギー。多くは木炭や発酵によるエタノールなどのことを言う。
クリーンテック(cleantech)
環境を破壊あるいは汚染することなくエネルギーを抽出する技術や、環境特に水を浄化する技術。
環境イニシアティブ
環境問題の解決に向けた法案などの、先駆的な取り組みのこと
CO2エミッション
二酸化炭素排出のこと
透過型電子顕微鏡(TEM)
電子顕微鏡の1種。光ではなく透過した電子線により結像させる。感度は原子までを捉えることができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)
電子顕微鏡の1種。対象物に電子線を照射し、放出される電子から結像する。TEMよりは感度が低いが、3次元の様子が観察できる。
原子力顕微鏡(AFM)
極先端の鋭い探針(プローブ)で試料表面をなぞることにより、表面の極微細な3次元的な様子を観察する。原子レベルでの解析も可能である。
フーリエ変換赤外分光(FTIR)
物質を構成している化学構造は、それぞれに特有の波長の赤外線を吸収する。これを測定することで、逆に化学構造を調べることができる。これを赤外分光という。FTはフーリエ変換の略で、より感度を良くした分析機器の名称。
X線電子分光(XPS)
試料にX線を照射し、そのときに放出される光電子のエネルギーから、試料を構成している物質の結合状態などを分析する手法。
X線回折(XRD)
試料にX線を照射し、散乱された状態から結晶構造や分子の凝集状態などを解析する手法。
分子イメージング
生体内での分子プロセスの可視化に関する基礎的・臨床的研究、および開発された可視化手法を利用する応用研究およびそれらの方法の総称。
ナノロッド
ナノ粒子のうち、特に円柱や角柱状のもの
バイオシステム
生体の働き
IR3Sシステム
サステイナビリティ学連携研究機構の略号。持続可能な成長を達成するための研究やその結果としての提言などを行うためのプロジェクト。
バイオインフォーマティクス
生物あるいは遺伝子などの各種情報を整理し、統計的に解析することを目的とした技術。環境インフォマティクスは、その環境版のこと。
光触媒材料
光を照射されることにより、有機物を分解する機能を持つ触媒のこと。特にチタニア(TiO2)が有名である。
希少金属
地球上に存在する量が非常に少ない金属のこと。白金やインジウムなど、先端の製品や化学技術に使用されているものが多く、その枯渇が問題となっている。
ITO(インジウム・スズ酸化物)
インジウムとスズと酸素から成る酸化物。透明でありながら電気抵抗が低いことで、液晶やタッチパネルなど、多くのヒューマンインターフェースで使用されている。
ドーピング
純粋な化合物にわずかの量の不純物を混ぜること。
オンデマンド型
既存で準備しておくのではなく、需要があった段階でそれに応じたものを作り出すこと、あるいは作り出されたもの。
シリコンバレー
半導体産業の育成期に、米国で半導体メーカーが集合したアメリカの地域。半導体にはシリコンが使われることからシリコンバレーと呼ばれるようになった。
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