
Good Life Award Presentation & Ceremony
環境省が主催するグッドライフアワードは、環境と社会によい活動を応援するプロジェクトです。ローカルSDGsを体現し、地域循環共生圏づくりにつながる取組を「環境大臣賞」として表彰しています。
2025年12月6日(土)、第13回グッドライフアワードで環境大臣賞を受賞した取組の代表者10組によるプレゼンテーションと表彰式が行われ、オンラインでライブ配信も行われました。 当日の様子をフォトレポートでご覧ください。
グッドライフアワードは、企業、自治体、学校、NPO、個人など、どなたでもエントリー可能です。 次回第14回のご応募もぜひご検討ください。
Opening Talk
はじめに環境省 中尾豊地域脱炭素推進審議官が登壇し、世界共通の気候変動対策から政府の取組、そして12年目を迎えたグッドライフアワードの歩みと地域循環共生圏づくりへの貢献について紹介する主催者挨拶からスタートしました。
Producer Talk
続いてグッドライフアワード総合プロデューサーの谷中修吾氏が登壇し、最新のグッドライフアワードの動向を紹介し、今回の受賞取組のプレゼンテーションへの期待を高めました。
Presentation
続いて第13回グッドライフアワードで環境大臣賞を受賞した全10取組のプレゼンテーションが行われ、実行委員から講評のコメントもいただきました。

【企業部門】
「CSOラーニング制度」による環境人材育成の取組み
公益財団法人SOMPO(そんぽ)環境財団
大学生・大学院生を、環境活動を行うCSO(NPO・NGOを含む)に「長期(7か月)・有償(奨学金を支給)」で派遣し、ユース世代が環境活動の現場を経験する機会を提供する活動です。
参加者はフィールドワーク、広報、イベント運営などを通じCSO活動の実務を学びながら、同じ志を持った同期と刺激し合うことで自己成長や将来の進路形成につなげていきます。修了生は官公庁、自治体、企業、CSOなど多様な分野で活躍しており、次世代の環境人材を育成しています。ユース世代との接点を提供することでCSOの組織活性化にも貢献。
長期・有給のユニークな制度で、SOMPOグループ役職員の寄付による奨学金支給やCSOとのパートナーシップにより、25年間で1,300名以上の修了生を輩出しています。

【NPO・任意団体部門】
子どもたちの「いってきます」を支える!全国初『制服オーナー制度』『サブスク』を取り入れた制服リユース「Mama's 制服バンク」事業
特定非営利活動法人Mama's Café
入学時の高額な制服購入費用という保護者の負担と、卒業後にゴミとなる制服という課題を同時に解消するリユースの仕組みです。
従来の再販に加え、「サブスク」と「制服オーナー制度」を導入し、多様な購入・利用方法を提供しています。使用済み制服は地域の社会就労センターでクリーニングされ、障がい者雇用も創出。
リユースにより環境負荷を低減し、困窮家庭の経済的負担を軽減。地域の学校・PTA・行政・企業・住民と連携し、全国の子育て支援NPOでも導入可能なモデルとして展開。環境保全と子どもの貧困支援の両立を実現し、継続的な運営を可能にしています。

【自治体部門】
「木になる紙」の地産地消によるネイチャーポジティブ ~地域振興に貢献~
佐賀市
佐賀市では、森林荒廃の原因となる未利用の間伐材を商品化し、有効活用する官民協働プロジェクト「木になる紙」を2009年度から公共調達に導入しています。
現在は地元産材を使った「佐賀の森の木になる紙」として地産地消を推進し、調達分のJ-クレジットで市のCO₂排出量を相殺。製品売上の一部を森林所有者に還元することで林業経済を支援。九州産間伐材活用により健全な森林面積やCO₂吸収量が増加しています。
佐賀発のモデルは県内外に普及し、全国半数以上の都府県で採用されるなど、森林保全と地域経済、環境負荷低減を統合的に実現しています。

【地域コミュニティ部門】
⽇本の「明るい農村」を、MOTTAINAIをつかって創造再⽣させてきた15年の軌跡
静岡県浜松市 三ヶ日町観光協会
特産の三ヶ日みかんの販売不適合品や摘果みかん、みかんの花を食肉加工技術で皮ごと丸ごとペースト化する独自技術を開発。従来廃棄されていた資源を高度付加価値商品として大手食品メーカーに供給し、地域ブランド価値向上と資源循環に貢献しています。
この成功を契機に地域全体の環境意識向上を推進し、農家の減農薬・無農薬農法の普及や浜名湖の水質保全を啓蒙。児童・生徒による湖岸清掃や観光・水産業者との連携も進め、地域住民全体で環境と循環型社会の意識を根付かせています。
酵素分解による残渣ゼロ技術や害魚資源化など、地域資源を最大限に活用するユニークな取り組みを通じ、環境保全と社会経済的価値を両立させています。

【地域コミュニティ部門】
人命と海洋環境を守る循環型森林整備システムの構築
合同会社もものわ
宮城県石巻市の牡鹿半島を拠点に、「海に良い影響を与える林業」をテーマとした森林資源利活用事業を展開しています。
荒廃した小規模人工林を対象に、チェーンソー技術指導を軸とした林地残材の価値創出や森林環境教育事業を行い、経済的に持続可能な仕組みづくりに挑戦。チェーンソー技術指導では、レスキュー隊員向けの災害特化型プログラムを独自開発。トレーニングを通じて隊員の能力向上が実現するとともに、間伐による災害抑止効果や森林の多面的機能が発揮され、ひいては市民の安全確保にも寄与する事業モデルとなっています。
林地残材の利活用では、杉球果由来のハーブティーを商品化。林業と食を結ぶ新たな経済循環を生み出し、これを起点とした森林教育にも広がりを見せています。活動範囲は宮城県から東北3県へ拡大しているほか、ハワイやロサンゼルスとも交流を深め、森林・地域・都市・海の好循環を生む多角的なアプローチに今後も挑戦していきます。

【個人部門】
家族で営む小さな茶園が実現させた日本初のオーガニック抹茶、人と環境を思う心は世界へ
いしかわ製茶
昭和40年代より農薬不使用栽培に取り組み、抹茶農家として日本初の有機認証を取得。寒冷な山間部の条件を活かし、地域全体の有機茶園化を推進するため、自らの栽培技術を周辺農家に伝授しています。
講演や視察受け入れ、世界への情報発信により15か国への輸出を達成し、茶文化の魅力を広く発信。
農薬不使用栽培と家族経営での輸出という双方の挑戦を貫き、地域・国内外に波及する有機抹茶の普及を牽引しています。

生物あふれるいのちの棚田を未来の子どもたちにつなぎ、約20年間多様な主体と連携・協働』
特定非営利活動法人棚田LOVERS
年間を通じて棚田・里山の整備を行い、生物多様性豊かな環境を保全・再生を進めています。(累計約23枚以上再生)
農薬・化学肥料を使わない米作りにより、専門家調査で植物180種、水田生物29種などの貴重種を確認。自治会と協働し婚活を開催し、56組のカップルと4組の結婚、約14人以上の移住を実現。棚田米のブランド化や古民家再生も進んでいます。
年間約60の環境教育プログラムを展開し、SNSやメディアで広く発信。棚田子育てフェス開催や戦略策定、寄付・クラウドファンディングを通じて地域と若者を巻き込み、持続的な再生を進めています。

『福島から始まる、人と地球を健康にする里山再生モデル事業〜世界とつながる体験型エコビレッジの挑戦〜 』
Dana Village(ダーナビレッジ)
地域内の未利用資源のみを活用し、乾燥に強い無灌水有機農法や育種により農地と生態系を再生・保全。遊休農地や空き家を活かし、農と健康を軸にした循環型地域モデルを構築しています。
若者の移住促進や地域祭りへの参加、空き家再生活動を通じて地方経済とコミュニティを活性化。人と地域、地球の健康を基盤としたリジェネラティブな農と暮らしのモデルとして国内外に発信。
里山再生、国際交流、教育・医療を統合した福島再生モデルを展開し、2016年から継続的に発展を続けています。

エシカルタウン・葉山~町民全員で創る、持続可能な新しい常識~
葉山町
戸別収集や資源回収拠点整備、脱プラスチック施策により、ごみ削減と資源化率向上を同時に実現。町全体で自然と共生する循環型社会を形成し、持続可能な環境保全を先導しています。
事業者のエシカルな取組を公式HPやSNSで紹介し、町民や観光客の意識変革とエシカル消費を促進。葉山産の食材を使ったエシカル給食など地域資源を活かした活動を展開。
表彰制度やオフ会で楽しさと実践を両立させ、地域ぐるみのエシカルな取組が広がる仕組みを構築し、継続的な発展を図っています。

人と地域と自然をつなぐ流域再生の実践 - 多主体共創(たしゅたいきょうそう)で拓く心豊かな未来
九州大学流域システム工学研究室
持続可能で豊かな社会の実現を目指し、行政や住民など多様な主体と共創して流域環境の保全・再生に取り組んでいます。
科学的知見に基づく河川改修や防災、災害復旧支援、環境教育、住民参加型ワークショップなどを展開。学術研究・教育と社会実装を連動させ、国内30を超える流域で自然再生やまちづくりを推進してきました。
再生した河川を地域資源として活用し、教育や経済の活性化に寄与。成果は教科書や行政資料に掲載され、高い社会的評価を得ています。
Summary
プレゼンテーションの最後に環境省 地域政策課 地域循環共生圏推進室 植竹朋子室長からグッドライフアワードと地域循環共生圏についての総括も行われました。
Award Ceremony
環境大臣賞
挨拶
環境省 環境事務次官 上田康治

【企業部門】
「CSOラーニング制度」による環境人材育成の取組み
公益財団法人SOMPO環境財団

【NPO・任意団体部門】
子どもたちの「いってきます」を支える!全国初『制服オーナー制度』『サブスク』を取り入れた制服リユース「Mama's 制服バンク」事業
特定非営利活動法人Mama's Café

【自治体部門】
「木になる紙」の地産地消によるネイチャーポジティブ~地域振興に貢献~
佐賀市

【地域コミュニティ部門】
日本の「明るい農村」を、MOTTAINAIをつかって創造再生させてきた15年の軌跡
静岡県浜松市 三ヶ日町観光協会

【地域コミュニティ部門】
人命と海洋環境を守る循環型森林整備システムの構築
合同会社もものわ

【個人部門】
家族で営む小さな茶園が実現させた日本初のオーガニック抹茶、人と環境を思う心は世界へ
いしかわ製茶

生物あふれるいのちの棚田を未来の子どもたちにつなぎ、約20年間多様な主体と連携・協働
特定非営利活動法人棚田LOVERS

福島から始まる、人と地球を健康にする里山再生モデル事業〜世界とつながる体験型エコビレッジの挑戦〜
Dana Village(ダーナビレッジ)

エシカルタウン・葉山~町民全員で創る、持続可能な新しい常識~
葉山町
人と地域と自然をつなぐ流域再生の実践 - 多主体共創で拓く心豊かな未来
九州大学流域システム工学研究室
実行委員会特別賞授賞式
実行委員の専門分野などに関わるテーマごとに、優れた取組を選んで表彰しました。
益田 文和 委員長

民間最大級の森林を未来へつなぐ ― サステナブル観光とゼロカーボン蒸溜所の挑戦
十山株式会社(JUZAN Co., Ltd)

"廃棄を前提にしない"価値循環型設計プロトコール「UP 0 TECH®」─都市型資源循環モデルと啓発・普及の展開
株式会社ソーイ

「たすけてください」共感を食品ロス削減の力に変える、涙目シールの挑戦
株式会社ファミリーマート

市民参加プラットフォーム・巻con.
巻con.
大葉 ナナコ 委員

"主体性が拓く持続可能な未来づくりを初等教育から挑戦する SDGs×地域・企業との協働実践"
学校法人国本学園 国本小学校

日テレ「こどもウイーク」~いっしょにつくる、ミライ~
日本テレビ放送網株式会社

持続可能な畜産への挑戦 ~ビーフダイバーシティと避難放牧~
栃木県立矢板高等学校 農業経営科農業技術部
※表彰式を欠席されました。
炭谷 茂 委員

廃棄PCを未来の資源に。循環型リユースと福祉連携によるサステナブルICT』
株式会社ポンデテック

漆がつなぐ教育・福祉・文化のプロジェクト
ReNeW津軽

"ふだん"が楽しく、"もしも"に強い。交流拠点「まちのえき」を核とする住民主体型まちづくり
萩の台住宅地自治会
※表彰式を欠席されました。
高橋 俊宏 委員

パンダから広がる竹循環と里山・里海再生プロジェクト
株式会社アワーズ(アドベンチャーワールド)

オペラみづち〜地球の叫び〜 環境生命文明社会の課題を総合芸術から観る
いのち・ちきゅう・みらいプロジェクト実行委員会

農業生産者と消費者をつなぐ地域限定クラフトチューハイ「寶CRAFT」
宝酒造株式会社

120年に一度の虎竹開花から考える持続可能な未来ー地域の宝を次の100年へ繋ぐ
株式会社山岸竹材店
竹ケ原 啓介 委員

「地域の記憶を未来へつなぐ」─ 香川県豊島の環境再生活動と環境教育の挑戦
NGP日本自動車リサイクル事業協同組合

コノヒトカン 1000缶プロジェクト
一般社団法人コノヒトカン
福岡 伸一 委員

ふるさと納税を活用し、こどもの機会創出と地方創生を両立するフードバンク「こどもふるさと便」
ネッスー株式会社

~源流から都市までをつなぐ、自然と人の共生モデル~流域循環共生圏「Kosuge-Model」の推進
小菅村/NPO法人多摩源流こすげ/大成建設株式会社

罠ブラザーズ
土とデジタル/山学ギルド/食季café展
藤野 純一 委員

おいしく変える、未来をひらく― 干し芋残渣を宝に、学生がつなぐ地域循環型プロジェクト ―
茨城大学 干し芋の残渣削減プロジェクト実行委員会(HZP)

100基を超える太陽光発電設備「そらべあ発電所」を幼稚園・保育園・子ども園へ~再生可能エネルギーの普及啓発の実践~
特定非営利活動法人そらべあ基金

農業3.0!最先端の自然栽培でorganic cityしおじりの実現
リジェネラティブ農家 中村小太郎の挑戦
AMIY MORI 委員

廃ビールホースのアップサイクル活動 [ReBL:Reborn Beer Line~生まれ変わったビールライン]
アサヒビール株式会社

ファッションの中心地・渋谷原宿からリペア文化を育む「DO REPAIRS」
合同会社CYKLUS

地域と訪れる人をつなぐ共創型ローカルメディア「conomichi」
東海旅客鉄道株式会社

地域と共に「子どもたちや地球の未来を想いやる日常を"DESIGN" する」店【Panndry パンとランドリー】
Panndry パンとランドリー
森 摂 委員

コーヒー生豆のダイレクトトレードプラットフォームと「おかげさまの森」
TYPICA Holdings 株式会社

世界初の紙おむつ水平リサイクルプロジェクト「RefF」(リーフ)
ユニ・チャーム株式会社

airClosetのサーキュラーファッションが広げる、"私らしい毎日"と循環する社会
株式会社エアークローゼット
※表彰式を欠席されました。
Photo Session


Reception Party
表彰式終了後は、名刺交換会を実施。全国から集ったローカルSDGsを目指す仲間たちが、実行委員や環境省スタッフ一同と同じ志を持つ仲間同士として交流を深めました。
グッドライフアワードは全国各地でさまざまな取組を実践している方々を結びつけ、さらなる活動の広がりを応援しています。
グッドライフアワードでは次回以降の再チャレンジを歓迎しています。さらに活動の魅力を高め、来年度第14回グッドライフアワードにぜひご応募ください。たくさんのご応募をお待ちしています!
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