自然環境・生物多様性

第63次南極地域観測隊同行日記2

昭和基地に到着

2022124(月)

こんにちは。

202112月19日、ついに南極観測船しらせが昭和基地近くに接岸しました。観測隊員の一部は、接岸前にヘリで先に昭和基地に向かい、事前に活動を始めていましたが、接岸後、本格的に南極地域での観測隊の活動が始まりました。

南極に接岸した南極観測船しらせ

南極に接岸した南極観測船しらせ

今回は、南極にある日本の基地について紹介します。

基地というと、軍事基地をイメージするかもしれませんが、南極地域には軍事用の基地はなく、研究や観測のための基地を各国が設置しています。これは、南極条約で、南極地域は平和的な目的のみに利用するという規定があり、軍事的利用が禁止されているためです。

現在、南極にある日本の基地は、昭和基地、あすか基地、みずほ基地、ドームふじ基地があります(休止中の基地を含む)。そのうち、最大の基地である昭和基地では、12月中旬から2月上旬の夏期間中に100名程度、そして翌年の夏まで越冬する30名程度の観測隊員等が、各種観測の実施、機械設備や建物の維持管理などのため活動しています。

また、南極地域には、ツアー等で南極半島や南極点近くに多くの観光客が訪れていますが、昭和基地などの日本の基地がある地域周辺に観光客等が訪れることはほぼありません。

昭和基地は意外と広く、建築用資材や燃料の入ったドラム缶、倉庫やコンテナなどが設置され、見るからに古い(歴史を感じる)建物や工作物などがある一方で、新しく建てられた施設や観測用の変わった形の建物などもあり、昭和基地ならではの風景を感じます。日本から遠く離れたこの極限の環境の中で、これまでに日本の南極観測が世界的な成果を出していることを考えると、歴代の観測隊員の努力や苦労を強く感じます。

南極地域は夏期間に入り、本格的に施設のメンテナンスや工事、観測などが行われます。野外調査のため昭和基地以外の地域にも行きますので、今後、紹介していきたいと思います。

昭和基地

昭和基地

                                 

掲載協力:国立極地研究所 

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