自然環境・生物多様性
第60次南極地域観測隊同行日記8 ~アイスアルジーについて~
第8回:乱氷帯を脱出 ~アイスアルジーについて~
2019年2月24日(日)
こんにちは。
海洋観測のため南極海を移動していたしらせは、ブリザードによってできた乱氷帯に行く手を阻まれ、なかなか乱氷帯を抜け出せない状況になってしまいました。
しかし、23日についに氷海を抜け、氷に覆われていない海に戻ってきました。
その際、氷と格闘しながら進むしらせ船上から少し不思議な景色が見られたので、今回はその様子についてご紹介します。
氷海では、雪と氷の白と海の青からなる景色が続きますが、途中、海氷が茶色に染まっている光景を見ることができました。
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<左:茶色の氷に覆われた海(2019年2月23日撮影)
右:色のついていない氷に覆われた海(2018年12月15日撮影)>
これは、海氷の下側にアイスアルジー(ice algae)と呼ばれる藻類が付着していることによるもので、氷の薄い海域や、砕氷によりひっくり返った氷では、このアイスアルジーは船上からも見えるために氷が茶色く見えます。
アイスアルジーはおもに珪藻、鞭毛藻、繊毛虫などからなり、一見生物はいないように見える海氷にも多くの生物が生育していることに驚きます。
<アイスアルジー>
無事氷海を抜けましたが、氷に覆われていない海に戻り船が揺れだしたので、船酔いに負けないように頑張りたいと思います。