自然環境・生物多様性

第60次南極地域観測隊同行日記7 ~環境省の南極調査について~

第7回:昭和基地を出発 ~環境省の南極調査について~

2019214()

こんにちは。

夏隊の昭和基地での活動期間が終わり、211日に昭和基地からしらせに戻ってきました。昨年1222日に昭和基地入りし、52日間の活動でしたが、あっという間に終わってしまった気がします。

昭和基地を離れるヘリコプターから手を振る夏隊員とヘリポートで人文字を作って見送る越冬隊員

<昭和基地を離れるヘリコプターから手を振る夏隊員とヘリポートで人文字を作って見送る越冬隊員>

今回は、私(環境省)が南極で行っている調査について簡単にご紹介します。

環境省は、南極で4つの調査を行っています。

(1)南極地域活動実態把握調査

南極に関する国際的な取組として、南極の環境や生態系等の保護を図るため「環境保護に関する南極条約議定書」が制定されました。これを受け、日本では、南極地域の環境保護に関する法律を制定し、日本国民が南極で活動する際に必要なルールを定め、環境保護の促進を図っています。環境省職員が南極地域観測隊の各種活動が適切に行われているか確認を行っています。

(2)南極地域環境調査

南極地域の環境情報を蓄積するため、動植物相等の調査を行っています。

(3)南極地域環境資質調査

南極地域の中でも特に優れた価値を持つ地域は、南極特別保護地区として指定され保護されています。日本が管理主体となっている南極特別保護地区には、昭和基地周辺の露岩域であるラングホブデの雪鳥沢があり、この地域の自然の概況調査等を行っています。

(4)南極地域環境実態把握モニタリング調査

昭和基地を運営する南極地域観測隊による活動が、周辺環境に与える影響を継続的にモニタリングするため、排水や生物等を採取し、水質等の調査を行っています。

南極地域環境実態把握モニタリング調査 昭和基地でのサンプリングの様子 撮影:渡邉哲也

<(4)南極地域環境実態把握モニタリング調査 昭和基地でのサンプリングの様子 撮影:渡邉哲也>

昭和基地での活動がひとまず終わった夏隊は、これから昭和基地から約600km離れたリーセルラルセン山等南極大陸に上陸しての調査や海洋観測を行う予定です。

私も気を抜かず引き続き活動を続けていきたいと思います。

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