自然環境・生物多様性
第60次南極地域観測隊同行日記9 ~ペンギンについて~
第9回:アムンゼン湾調査に行ってきました ~ペンギンについて~
2019年3月1日(金)
こんにちは。
昭和基地があるリュツォ・ホルム湾の海氷域を抜け出したしらせは、現在、海洋観測を行うためケープ・ダンレーという地点に到達し、観測の準備を進めています。
ケープ・ダンレーに向かう途中、第60次南極地域観測隊夏隊(以下、「夏隊」)は、昭和基地から約600km離れたアムンゼン湾のリーセルラルセン山の周辺で調査を行いました。夏隊にとって、この調査が上陸して行う最後の調査になるので、隊員のやる気はより一層溢れんばかりでした。
私もリーセルラルセン山周辺にペンギン調査等に行ってきましたので、今回は南極の代表的な生物であるペンギンについてご紹介したいと思います。
ペンギンは、南極をはじめ、ニュージーランドやオーストラリア、南アフリカ、南米等に生息する鳥です。
昭和基地周辺にはアデリーペンギンとエンペラーペンギンの2種が生息していますが、南極海を航行するしらせから、マカロニペンギン等他の種類のペンギンを見ることができます。
<往路のしらせで見られたマカロニペンギン>
南極のペンギンは、魚やオキアミなどの生物を捕食する南極の食物連鎖の中で高位の捕食者です。
高位の捕食者は、DDTやPCB、水銀といった人為由来の有害物質を体内に蓄積しやすいため、環境省では、南極でアデリーペンギンの死体を回収し、南極地域観測活動や昭和基地の運営等の人間活動が南極の自然環境に悪影響を与えていないかモニタリング調査を行っています。
また、ペンギンに関する調査でいうと、夏隊のペンギン調査チームによりアデリーペンギンの繁殖個体数や採餌行動等の調査が行われています。
<アデリーペンギン>
<コウテイペンギン>