自然環境・生物多様性
第60次南極地域観測隊同行日記6 ~観測隊の野外調査について~
第6回:雪解け進む南極 ~観測隊の野外調査について~
2019年1月29日(火)
こんにちは。
ブライボークニーパという露岩域に野外調査に行ってきました。
南極は夏真っ盛りを迎え雪解けも進み、ところどころに水たまりが広がっていました。
<露岩域「ブライボークニーパ」 写真中央に見えるのはヘリコプター>
前回、露岩域についてご紹介しましたが、今回は露岩域で行っている観測隊の野外調査についていくつかご紹介します。
南極地域観測隊は、南極の様々な事象について観測業務を行う観測系と、南極で観測を行うために必要な基地や機械等の設備の建設・維持管理、医療や食事の提供等を行う設営系の2つに大別されます。
観測系の隊員は、気象や海洋、陸上生物などといったチームに分かれて観測業務を行っており、観測内容によっては昭和基地やしらせだけではなく、昭和基地周辺にある様々な露岩域に野外調査に行きます。
例えば、ペンギンの調査のためペンギンのルッカリー(集団営巣地)に訪れるペンギンチームや、南極の地図を作成するための測地チームなど、様々なチームが様々な目的で露岩域で野外調査を行っています。
<ペンギンチームが調査を行っている露岩域「ラングホブデ」の水くぐり浦にあるペンギンのルッカリー>
なお、60次南極地域観測隊の活動については、南極地域観測統合推進本部の定める南極地域観測第Ⅸ期6か年計画という計画に定められており、60次隊は第IX期計画の3年目にあたります。設営系や観測系の詳しい活動内容の記載がありますので、興味のある方はご覧になっていただければと思います。
・南極地域観測第9期6か年計画(文部科学省HP)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/nankyoku/detail/1365762.htm
南極の短い夏はそろそろ終わり、夏隊の昭和基地での活動期間も残りわずかになってきましたが、あせらずに残りの調査を進めていきます。
次回は、今回紹介しきれなかった環境省が南極で行っている調査についてご紹介したいと思います。