第67次南極地域観測隊同行日記【第15回】

第15回:南極の湖での調査
2026年2月6日(金)

みなさん、こんにちは。
環境省の福濱です。
 
ヘリコプターで12月29日にスカルブスネスという場所に降り立った私は、先に現地入りしていた観測隊の複数の研究チームと合流しました。
12月30日は、湿地や湖の生態系を研究するチームの調査に同行しました。
 
この日は、朝早く、調査拠点から出発しました。
今回活動するスカルブスネスは、第14回でご紹介したように「露岩域(ろがんいき)」といわれるだけあって、調査地となる湖まで、大きな岩の上や、岩と岩の間をひたすら歩きます。


<ひたすら歩く露岩域>

茶色というより赤っぽく見える大地の上を1時間ほど歩いたでしょうか。
突如として、青々とした湖にたどり着き、想像より豊富な水量に驚きました。
実はこの湖は、大昔に、氷床(ひょうしょう)が大陸側に後退してできたくぼ地に、氷が解けた水がたまり、それが湖になったものです。
 
地形的に風が抜ける場所になっていて、時折吹く風が、歩いて暖かくなった体から一気に体温を奪っていき、とても寒く感じます。


<湖に到着>

湖に到着した調査チームは、湖で生きる生き物を調べるため、早速、ボートで湖に繰り出しました。この湖の底にある堆積物をボートの上から採取し、そこにどのような生き物がいるか調べるのです。特にこの湖の堆積物は、古い時代から新しい時代まできれいに層が積み重なっていて、昔から現在までの生き物と環境の変遷(へんせん)を読み取ることができます。


<ボートで湖に繰り出す調査チーム>

湖から堆積物が取り出されました。中をのぞいてみると、驚いたことに、薄い緑色や茶色のコケも見えます。
これらの堆積物を私たちが滞在している調査拠点に持ち帰り、日本から持ってきた顕微鏡を使って、どのような生き物がいるのか確認します。また、日本にも持ち帰り、遺伝子の解析を行って、どういった生き物が生息しているのかを詳しく調べます。
 

<湖から取り出された堆積物>

南極でコケたちがたくましく生きていることに驚くとともに、この湖の底の堆積物にどのような生き物が生きているのか、とても興味が湧いてきました。
 

<湖から取り出された堆積物>