
生態系や生物多様性の保全に対する意識の高まりから、海洋保護区を設定することで、生物多様性の保全を推進する動きが世界的に活発になっています。
ただ、どのような海にも一律にあてはまる海洋保護区の設定基準があるわけではありません。対象となる海やそこでの利用の特徴などを踏まえて、保護区を適材適所に設定することが重要です。
また、最近では個々の保護区が全体として生物多様性や生態系の保全を効果的に発揮していくために、海洋保護区のネットワークを形成させるべきであるという考え方も現れてきています。
そこで、このような世界の動きを踏まえつつ、今後日本が推進すべき海洋保護区を以下のように定義します。

日本では、海洋保護区に該当すると思われる海域の指定を、古くから様々な方法で行ってきました。
例えば、



など、多数の保護区がすでに存在します。
今後、必要な海域について海洋保護区の設定を推進していく際には、制度の充実や効果的な組み合わせを検討していくことが大切です。
また、既存の保護区においても、自然再生の取組や里海の取組を行うなど、管理を充実させていくことも重要です。加えて、海の生態系は陸と比べて生物の移動等の変化が激しいことから、空間的・時間的な要素を加味し、規制や管理を季節や期間によって変えるなどの柔軟性も求められます。