受賞団体の取り組み

平成30年度

各賞のレポート紹介

環境大臣賞
今川こども自然クラブ

(静岡県、小学4年生~中学生 35人)

「里山の営みによって、今川のホタルや水辺の生き物を守ろう」

今川こども自然クラブ「里山の営みによって、今川のホタルや水辺の生き物を守ろう」 湖西市北部を流れる「今川」では、かつてゲンジボタルが乱舞していた。しかし、近年は、その数を減らし、地区民からも忘れ去られた存在となっていた。数の減った原因は、今川の水質悪化によるところが大きい。そのため、今川のホタルを呼び戻そうと、子どもたちが中心となって保護活動を行う「今川こども自然クラブ」を平成20年4月に発足させた。月に1回の活動では、森遊び、水生生物調査、水質浄化、自然観察会などを実施している。
今川の生物調査をするとともに、水質浄化をしていくために、水質調査を実施し、その状況を調べている。さらに、ごみ拾いも実施し、水質が悪化しないように活動している。こうした活動によって、6月から7月までの長い期間にわたって、ゲンジボタルやヘイケボタルの飛ぶ姿が、今川の下流から上流にかけて見られる。今川には、ゲンジボタルの幼虫やカワニナだけではなく、絶滅危惧種のナガレホトケドジョウ、要注目種のカワムツ、カワヨシノボリなどの希少種も数多く生息している。ホタルだけを保護するだけでなく、今川の生態系の保護という視点で活動していくことの大切さに気付き、「森の恵み」にも関心を持って活動を進めている。

水環境保全賞
松山町内にホタルを復活させる会

(秋田県由利本荘市、37名、園児~高校生)

「ホタルを育て復活させよう!第 12号」

松山町内にホタルを復活させる会「ホタルを育て復活させよう!第 12号」 2018年はホタレンジャーの活動報告書の作成から始まりました。2月26日に「審査員特別賞」に選ばれた電話を受けて忙しく準備し発表会と授賞式に参列し、親子で喜びをかみしめることができました。帰郷後、小学校と松山町内に報告ができました。子供会全員でメダルと賞状を持って記念写真が撮れたことと、全校生徒の前で発表が出来て、多くのみんなから感想を伝えてもらったことが嬉しかったです。今年度の活動は4月15日の「カタクリのモニタリング」から始まりました。昨年何も無かった場所にカタクリが広がっていて、森林整備の効果を実感しました。森林整備は6回実施しました。5回目はスギの太さと高さを測りました。今後の成長を見るのが楽しみです。ホタルの観察会は6月17日から7月21日まで約1ヶ月実施しました。今年は田んぼのヘイケボタルが多く観察できました。7月10日に親子35人で観察できたのが嬉しかったです。環境調査会では水路に置いた大きな石の裏側からきれいな水に棲んでいるトビケラを沢山発見出来たことと、水路の脇の草の中でもきれいな水のあるところに棲んでいすイトトンボを発見出来たことがとても嬉しかったです。カワニナも多く観察出来ました!それでもホタルを増やしたいため、沢山育っている場所から譲ってもらったカワニナを松山 Ⅰの上流に1500匹放流しました!!用水路の中でホタルの幼虫が育っていると思います。来年の6月が楽しみです。

水環境保全賞
広川町立津木中学校総合学習ゲンジボタル研究班

(和歌山県有田郡広川町、15名 中学1~3年生)

「ホタルを支える生態系の解明」
-ホタル生息数とエサカワニナ数との関係-

広川町立津木中学校総合学習ゲンジボタル研究班「ホタルを支える生態系の解明」-ホタル生息数とエサカワニナ数との関係- 本校では、平成元年から、全校生徒がゲンジボタルの保護を中心とする広川の水環境保全活動を継続的に行っています。主な内容は次の通りです。(1)ゲンジボタルの定点生息数調査と成虫・幼虫の生態研究(2)ホタルの幼虫の飼育と放流、ホタル保護看板の設置(3)水生生物やCOD値、pHメーター等による水質調査・カワニナ数の調査等による「ホタルの生息に適した水辺の環境」の解明(4)ホタル保護や研究に関する活動事例の発表・発信このようにホタルの保護活動と水環境やホタルの生態についての調査研究活動とを両立させながら環境保全につなげています。また、学校と地域住民が一体となった取り組みとなるよう、「ホタル幼虫放流会」を行ったり、ホームページに前日のホタル飛翔数を掲載したり、情報発信をしています。

審査員特別賞
高岡市立中田中学校

(富山県高岡市、92名、中学校2・3年生)

「ゲンジボタルの保全活動から環境問題を考える活動」

ホタルネットワークmito「水戸黄門様のホタル「復活!」プロジェクト」 科学部では、昭和46年から、ゲンジボタルの飼育、研究を続けています。ゲンジボタルの保護活動は、40年以上の歴史がありますが、近年は部員数が不足するなどして活動が途絶えた年もありました。そこで、ゲンジボタルの飼育施設の更新を行ったり、飼育方法の見直しを行ったりしています。また、部員が経験から学んだ水辺環境の大切さを、より多くの人に知ってもらいたいと思い、ホタルガイドツアーを新たに実施したり、校内外で発表活動を行ったりしています。全員ホタル飼育活動やホタルサポーターズ活動を立ち上げたりして、科学部以外の生徒もホタルの保全活動に参加できる機会を工夫し、全校生徒や中田地区全体に広がるよう取り組みを行っています。
1.全員ホタル飼育体験 2.ゲンジボタルのガイドツアー活動
3.校内ホタルサポーターズ活動 4.外部講師による独自研修会活動
5.地域諸団体との連携活動 6.郷里の泉(学校ビオトープ)でのホタル復活活動
地域諸団体と協力しながら「ゲンジボタルの保全活動から考える環境問題」等に取り組んでいます。

奨励賞
こどもエコクラブ 忌部ワクワクサファリ

(島根県松江市、16名、小学1~6年生)

「地域の川「玉湯川」のホタル発生状況と生息環境を調べよう」

こどもエコクラブ 忌部ワクワクサファリ「地域の川「玉湯川」のホタル発生状況と生息環境を調べよう」 身近な場所にホタルがいることを知らなかった子供たちが、実際にホタルが生息していることを確認し、ホタルと生息環境に興味を持たせたい。特に今年はホタルの発生時期を調べた。
また、ホタルを通して、流域の環境についても興味を持ち、水環境の保全意識を高め、自分達でできることとして、ゴミ拾いを行った。

奨励賞
広安西小学校 環境委員会

(熊本県益城町、16名、小学5~6年生)

「広西湧き水再生プロジェクト~環境×防災×生き物を考えた湧き水の取組~」

角文株式会社「持続可能な『刈谷のホタル』の再生を目指して」 熊本市や熊本市周辺地域の生活基盤である水を育んでいる阿蘇地域だが、平成24年九州北部豪雨により甚大な被害を受けた。学校区で出ている阿蘇からの湧き水を守りたい、また熊本の環境を守りたいと思う当時の環境委員会児童の思いから始まったのが活動のきっかけで 最初は実際に阿蘇に行き、阿蘇の湧き水について現地の人にインタビュー をしたり、阿蘇だけでなく、水俣市や八代市 池市など多くの場所に足を運び、水や農作物などについての調べ学習や清掃活動を行ったりしてきた。このような学びを学校区に出ている湧き水に生かそうと、湧き水周辺清掃活動を中心に、誰もが日常生活で湧き水と触れ合えるような 考えてきた。しかし、 平成28年熊本地震が発生した。調べていた湧き水も数か所で出なくなってしまい、しばらく 湧き水活動ができないと諦めかけてしまった。ただ、出ている場所もあり、まずはそこから調べていこうと、再窃青掃活動や水質調査を始めた。今年は災害に強い益城町や本学校区にしていくために私たちができることを考え、湧き水と熊本地震の関係、そして地震前や昔のようにたくさんの自然や生き物に囲まれた湧き水の場所にするためのプロジェクトとして進めている。