受賞団体の取り組み

平成26年度

各賞のレポート紹介

環境大臣賞
東広島市立吉川小学校

(広島県、小学3年生3名・小学4年生13名)

「吉川の自然増やし隊!~ ホタルが舞うすてきな吉川を創ろう ~」

東広島市立吉川小学校「吉川の自然増やし隊!~ ホタルが舞うすてきな吉川を創ろう ~」 自然豊かな校区の「よさ」見つけから、「もっとホタルを増やしたい」と願うようになった児童は校区を流れる古河川に着目し、川探検をしました。また市内で28年もホタル祭りを開催している学校とも交流を図りながら、子どもたちにできることを考え、実践してきました。地域の方が行っておられる炭作りの活動にも一緒に参加させていただきながら、地域の人との交流もさらに深め、炭を川に入れる浄化活動やクリーン作戦、啓発・広報活動などを行ってきました。専門家とともに生き物を探すフィールドワークを行ったり、企業の方のお話を聞いて水の役割を考えたりする機会を設けたり、個人やグループでテーマを決め、保護者や地域の方へのアンケート調査やパックテストによる水質調査、炭を使った実験や廃油石鹸作りなどを行ったりし、ホタルを増やすためにできることについて考えていきました。これらの活動を通して、地域に誇りをもち、自然を大切に思い地域貢献のできる子に育ってほしいと願っています。

水環境保全賞
福山市立服部小学校

(広島県、小学5年生5名・小学6年生9名)

「わたしたちの故郷 ホタルの里 服部」

福山市立服部小学校「わたしたちの故郷 ホタルの里 服部」 「服部の自然を守る会」の皆さんと共に、ホタル学習の伝統を受け継ぎ、服部にホタルが飛び続けるために自分たちができる活動について考え実践していく。ホタル学習を通じて、服部の豊かな自然に触れ、水の汚れやごみ問題など、環境について自分たちの問題として捉え、日々どう行動していけばいいかを考えられるようにする。

1学期「ホタルを知ろう」:「服部の自然を守る会」のゲストティーチャーによるオリエンテーション。ホタル祭に向けての取組み。(ホタル情報・ステージ発表・ホタルドームの設営・ホタルの数の調査・ホタルの捕獲・飼育)
2学期「ホタルが住む町」:水生生物の観察と水質調査。服部川のごみ調査。アンケートによる地域の方の環境に対する意識調査。「芦田川きれい☆きれいプロジェクト」の取組み。「ほたるの館」見学とホタルの幼虫の放流。
3学期「今!私たちにできること」:環境に優しいアクリルタワシ作り。「服部川クリーン大作戦」→自分たちで計画する服部川清掃活動。ポスターやチラシを作って地域の人や他の学年にも参加を呼びかける。

水環境保全賞
大田区立大森第六中学校

(東京都、中学生170名)

「ホタル復活プロジェクト」

大田区立大森第六中学校「ホタル復活プロジェクト」 大田区立大森第六中学校は、洗足池の隣接地にあり、都内でも有数の自然に恵まれた住宅地にある。その洗足池で蛍の自生を目指している。
洗足池は昭和のはじめまで、ほたるが飛んでいたという地元に住む方々の証言がある。ところが、昭和8年区画整理が行われ、小川がコンクリート化され、地下水が枯渇し、ホタルがいなくなった。
昭和30年代から40年代にかけて、洗足池にアオコが大量発生し、異臭を放つようになり、平成3年、エバラエンジニアリングにより浄化装置を取り付け、水質を管理するようになり、現在に至る。
洗足池では毎年7月に「ほたるの夕べ」を実施し、蚊帳の中にホタルを5万匹ほど飛ばし、地域の方に鑑賞してもらっている。
公益社団法人洗足風致協会の人に協力いただき、六中産のホタルを自生させたいという願いを聞き届けていただき、横浜ホタルの会から蛍の幼虫を平成22年度210匹、平成23年度400匹、平成24、25年度500匹いただいた。今年度も510匹を校舎内で大事に飼育して、洗足池に放流する予定だ。近い将来人の手を使わず洗足池にホタルが自生していけるように大森六中は努力している。そのためには、きれいな水、きれいな空気、汚染されていない土がないといけない。
そこで、ホタルの自生を目指し、ホタルも生息できる環境にあるのかを調査し、洗足池の空にホタルを飛ばしたいという思いで、この研究を始めた。

審査員特別賞
逆川こどもエコクラブ

(茨城県、小学生126名・中学生34名)

「ホタルの里再生ネットワークつくりプロジェクト」

逆川こどもエコクラブ「ホタルの里再生ネットワークつくりプロジェクト」 私たちが水戸市街地にある逆川緑地のホタル再生活動をはじめて9年になります。
この活動は、水戸市の千波湖周辺のホタルを継続して守っていきたいと思うことからはじまります。
環境省ふるさと生き物の里に指定されていた常照寺のホタル発生地が雑草地化してしまい、数が減って危機的な状況になったことから、2005年にこどもたちが数人集まって逆川緑地の湧水地で除草作業やあぜづくりをおこない、常照寺からいただいたホタルの卵を放流したことがはじまりです。その後、ホタルは逆川緑地を生息地として、ゲンジボタル、ヘイケボタルともに発生数を伸ばしてきました。本年度、千波湖周辺の2つの学校と1つの市有地で、雑草地化した湧水地を再生してホタルを飛ばしたいと要望があり、当クラブでは、これまでの経験をいかして、造成活動に参加、水戸のホタルを千波湖全域で保全できるネットワークつくりをつくることを目的としました。

審査員特別賞
下関市立角倉小学校

(山口県、小学6年生71名)

「平家の島にヘイケボタルを!ホタル復活大作戦」

下関市立角倉小学校「平家の島にヘイケボタルを!ホタル復活大作戦」 学校内にあるビオトープに、ヘイケボタルをはじめとする水辺の生き物がすみやすいような環境をつくりだす活動を、主に総合的な学習の時間と休み時間を使って行っている。壇ノ浦の戦いの前に平家が最後の砦を築いた島として知られる彦島にも、70年ほど前まではヘイケボタルが見られたとされていることから、その平家にちなんだヘイケボタルを復活させようと、まずは、下関市にある豊田ホタルの里ミュージアムの協力を得て、親ボタルとなるヘイケボタルを6匹採集し、産卵と人工ふ化に挑戦した。そして、無事にふ化したヘイケボタルの幼虫の飼育を続けている。今後は、活動場所となる校内のビオトープに、ヘイケボタルが生育可能な環境を整備していくとともに、飼育したヘイケボタルの幼虫を放流する予定である。