II 重点分野ごとの施策の現状と課題、今後の方向性
分野7:ヨハネスブルグサミットを踏まえた国際協力の展開
【現状】
- 1992年(平成4年)リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)で地球サミット(国連環境開発会議)が開催され、21世紀に向けて持続可能な開発を実現するための具体的な行動計画である「アジェンダ21」が採択されました。
- 1993年(平成5年)6月、アジェンダ21に基づき、国連経済社会理事会の下部組織として「持続可能な開発委員会(CSD)」が設立されました。CSDは、我が国を含めた53か国からなり、アジェンダ21の実施状況の監視やレビューなどを行っています。
- 2002年(平成14年)8月にはヨハネスブルグ(南アフリカ)において、アジェンダ21の実施状況の包括的レビューとその取扱強化を目的として「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグサミット)」が開催されます。
- ヨハネスブルグサミットは、準備プロセスにおいて地域レベルからの積み上げを重視しており、アジア太平洋地域では、2001年(平成13年)11月にプノンペン(カンボジア)で開催された準備会合で、省エネ・循環型社会の実現、衛星モニタリング等の科学的基盤整備などアジア太平洋地域の重点事項と取組方針(地域要綱)を取りまとめました。
- 2002年5月27日~6月7日にバリ(インドネシア)で開催された最終準備会合においては、アジェンダ21の実施を促進するための取組についてまとめたヨハネスブルグサミット実施計画の合意に向けた交渉と政治宣言の要素の検討が行われました。この実施計画は、環境保全の観点から重要な事項が数多く盛り込まれることになりましたが、一方で貿易と資金など先進国と開発途上国の意見の相違が大きく、歩み寄りのみられない問題もあり、全面合意には至りませんでした。
【これまでの取組と課題】
- 国内における取組としては、平成5年にアジェンダ21に対応したプログラム分野ごとに今後実施しようとする具体的な事項を行動計画として取りまとめた「『アジェンダ21』行動計画」を決定し、これに基づき種々の取組を行っています。
- 平成7年に「ローカルアジェンダ21策定ガイド」を公表し、地域における取組の推進を図っており、平成14年2月28日現在すべての都道府県と12政令都市、184市区町村でローカルアジェンダ21が策定されています。
- 平成8年に「持続可能な開発のための日本評議会(JCSD)」を設置し、持続可能な開発に関して、政府、産業界、NGO等我が国の社会の主たる構成メンバー相互の対話を定期的に行っています。
- 国外での取組としては、アジア太平洋地域において、アジア太平洋環境会議(エコアジア)、アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)、アジア太平洋イノベーション戦略プロジェクト(APEIS)、ESCAP(国連アジア・太平洋経済社会委員会)・アジア太平洋環境と開発に関する閣僚会議等において、アジア太平洋地域における環境問題についての討議やヨハネスブルグサミットへの提言の取りまとめ等行っています。
- ヨハネスブルグサミットを契機としてアジア太平洋地域における持続可能な発展を強力に進めるため、開発途上国に対する科学者等の人づくりや活用可能な政策ツールの開発など戦略的な国際協力等の展開を図っていく必要があります。
- 国内では、ローカルアジェンダを行動に移していくための取組を進める必要があります。
【15年度の方向性】
ヨハネスブルグサミットを踏まえて、アジア太平洋地域を中心に、人材育成支援や途上国で活用できる政策ツールの開発・普及に取り組むなど、途上国における持続可能な発展を強力に進めるための戦略的な国際協力の展開を図ります。 |
分野1:地球温暖化対策
分野2:循環型社会の形成に向けた廃棄物・リサイクル対策
分野3:環境ビジネス・環境研究技術の振興
分野4:自然生態系の保全・再生
分野5:化学物質等による環境リスクの管理
分野6:環境教育・環境保全活動の活性化
分野7:ヨハネスブルグサミットを踏まえた国際協力の展開
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