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平成15年度の環境政策の企画立案に向けて

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政策評価 (1)平成15年度環境政策の企画立案に向けて (2)事後評価


 

 II  重点分野ごとの施策の現状と課題、今後の方向性

分野3:環境ビジネス・環境研究技術の振興

【現状】

  • 今日の環境問題に対処するためには、従来型の規制的手法のみでは解決が困難であり、市場メカニズムを通じて経済的インセンティブを与える経済的手法や、環境情報の開示と提供を進めることにより各主体の環境に配慮した行動を促進する情報的手法は有効な手段となっています。
  • ISO14001認証取得については、近年、環境マネジメントシステムの構築を通じた環境経営の実践、取引先の要請などから、認証取得件数は伸びており、平成14年5月末現在では9,323件となっています。
  • 環境報告書、環境会計を導入している企業は、平成13年度ではそれぞれ579社、491社と前年度より多く、年々着実に増加しています。また、原材料等の選定に当たって、環境配慮(グリーン購入)している企業は、平成13年度で、1,450社となっています。(平成13年度環境省調査)
  • 環境ビジネスについて既に事業展開している企業は、平成12年の825社から平成13年度の965社へ着実に増加しています。また、今後環境ビジネスに取り組みたいとしている企業も平成12年の456社から平成13年度の800社へと急増しています。(平成13年環境省調査)
  • 環境ビジネスの市場規模は平成9年現在24兆7千億円で、年平均伸び率3.7%の成長産業となると見込まれ、平成22年には40兆1千億円に達し、雇用規模も69万5千人から86万7千人に達すると推計されています。
  • 総合科学技術会議では、平成15年度に特に重点を置き、優先的に研究開発資源を配分する分野として、ライフサイエンス、情報通信(IT)、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野が示されています。
  • 平成14年4月の中央環境審議会第一次答申「環境研究・環境技術開発の推進方策について」では、ナノテクノロジー等の最新技術への応用、環境分野の競争的資金の拡充、産学官連携、地域における研究開発の推進、環境技術の実証等の重要性が指摘されています。

【これまでの取組と課題】

  • 経済的手法については、従来から日本政策投資銀行等の政府関係機関による公害防止施設等に対する融資を行っています。また、税制上の措置として、再商品化設備、環境保全に資する施設等に係る税制上の優遇措置や排出ガス・燃費の性能に応じて税率に差をつけるいわゆる自動車税のグリーン化が講じられています。
  • 事業者の自主的な環境保全活動を促進するため、環境マネジメントシステム、環境会計、環境報告書、環境活動評価プログラムの普及等を行うとともに、グリーン購入法に基づき、調達方針を作成し環境物品の調達を行っています。
  • 環境ビジネスについては、現状と将来予測、ビジョンについて、これまでに各種の調査報告書を取りまとめるとともに、環境ビジネス研究会を開催しヒアリングを実施しました。今後は、モノづくりだけでなくサービスも含めた環境ビジネスの振興に向け、環境ビジネスを展開している企業等との意見・情報交換の場作り、グリーン購入や環境ビジネス推進のための情報提供の場の設置、対象品目の拡充を始めとしたグリーン購入の一層の促進や環境技術の実証を行う体制の確立等によるエコプロダクツ(環境配慮型の製品・サービス)の市場形成や活性化、地域に根ざした環境ビジネスの振興等、具体的な支援策の検討を行っていく必要があります。
  • 近年、経済発展が進んでいるアジア地域を始めとする世界各地の環境ビジネスの動向を調査把握するとともに、我が国の環境情報・エコプロダクツ情報の情報発信を積極的に行い、我が国の先進的な環境技術のアジア地域への普及を図り、アジアを巻き込んだ環境ビジネスの展開を図る必要があります。
  • また、今後も規制や技術開発の動向を踏まえ、環境技術の開発等を促進するため適切な税制優遇措置を講じていくことが必要です。
  • 独立行政法人国立環境研究所において、地球温暖化等の重点研究プロジェクトや循環型社会形成推進に関する研究等環境行政のニーズに対応した政策対応型調査、長期的視点に立った基盤的調査・研究等を行っています。また、国立水俣病総合研究センターにおいては、水俣病に関する臨床的・基礎医学的基盤研究及び水俣病に関する内外への情報提供等を行っています。
  • 各府省の試験研究機関等が実施する地球環境保全及び公害防止並びに自然環境の保護及び整備に関する試験研究費について、環境省において予算の一括計上・配分を行うことにより、国における環境保全に係る試験研究の調整を行っています。
  • 地球環境研究総合推進費や廃棄物処理等科学研究費などの競争的資金については、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」に基づき、研究課題のより適切な評価を行うとともに、資金の拡充を図る必要があります。
  • 総合科学技術会議の15年度の資源配分の方針において指摘されている環境分野と他分野(ナノテクノロジー等)との融合領域の取組、人材の育成、地域における科学技術の一層の推進を図る必要があります。
  • また、地域における科学技術の振興を図るため、環境技術の普及・促進を目的として、環境技術の環境保全効果等についての客観的な実証を行う必要があります。

【15年度の方向性】
  

脱温暖化社会・循環型社会を迅速に構築し、同時に経済の活性化を図る ため、環境ビジネスの活性化を積極的に進めます。このため、環境ビジネ スに係る情報提供、海外への積極的な情報発信や企業等との意見交換の場 の設置、グリーン購入の促進等、環境ビジネスの展開、エコプロダクツの 市場形成などに資する具体的な支援策を検討し、推進します。
   また、環境研究・環境技術開発については、ナノテクノロジーなど他分 野との融合領域の取組等を進めるとともに、環境技術の実証モデル事業の 実施により環境技術の普及・促進等を推進します。

 

分野1:地球温暖化対策
分野2:循環型社会の形成に向けた廃棄物・リサイクル対策
分野3:環境ビジネス・環境研究技術の振興
分野4:自然生態系の保全・再生
分野5:化学物質等による環境リスクの管理
分野6:環境教育・環境保全活動の活性化
分野7:ヨハネスブルグサミットを踏まえた国際協力の展開

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