II 重点分野ごとの施策の現状と課題、今後の方向性
分野6:環境教育・環境保全活動の活性化
【現状】
- 平成11年の中央環境審議会において、多様化・深刻化する環境問題に対応していくためには、国民一人ひとりが人間と環境との相互作用について理解と認識を深め、環境に配慮した生活・行動を行っていくことが必要であり、幼児から高齢者まで、学校、地域、家庭、職場、野外活動の場等多様な場において、環境教育、環境学習を総合的に推進することが必要であると指摘されています。
- 平成13年度における環境カウンセラーの登録者数は2,966名、こどもエコクラブのクラブ数は約4,200クラブとなっています。
- 近年、民間団体による地球環境保全のためのさまざまな活動が活発になっており、国内の環境保全だけにとどまらず、開発途上国を中心とした海外においても、植林や野生生物の保護などの環境保全活動を展開する民間団体が増えており、これらの活動に対する国民各界の関心も高まっています。
【これまでの取組と課題】
- 国民一人ひとりの環境問題に対する理解や認識を深めるため、環境月間、エコライフ・フェア等の各種普及啓発活動を実施するとともに、「環の国会議」を開催し、報告を取りまとめました。
- 「環境カウンセラー事業」により、環境カウンセラーの登録を行っていますが、登録者数は着実に増加しているものの、当面の目標(5,500人)には届かず、環境カウンセラーを地域における環境保全活動のために活用していくためにはまだ大幅に不足しています。また、登録者の一層のレベルアップも必要です。
- また、シルバー層を地域における環境活動の担い手として育成するための仕組みやモデルカリキュラムの検討を行いました。
- 小中学生の地域における環境活動を支援する「こどもエコクラブ事業」を地方公共団体と連携して実施しており、こどもエコクラブに対して環境に関する分かりやすい情報の提供等を行うとともに、こどもエコクラブアジア太平洋会議を開催し、アジア太平洋地域諸国で環境保全活動を行っている子供たちの交流の場を提供しました。
- 文部科学省と連携して国立公園等で子どもたちが環境保全活動や自然体験活動などを行う「子どもパークレンジャー事業」を実施しました。
- 環境学習支援事業により、平成13年度までに、廃棄物、水、大気の各分野の環境学習プログラムを整備し、全国の地方公共団体や小中学校に提供しました。また、平成13年度からNGO/NPO、企業、行政機関の情報発信を支援するサイトとして「環境らしんばん」を開設し、NPOや環境イベントの情報提供を行っています。
- 地球環境パートナーシッププラザ及び環境パートナーシップオフィスを活用して、環境NGOや企業等とのパートナーシップ形成の促進・拡充に努めてきました。また、タウンミーティングやMOEメールの活用等により、国民との直接対話によるパートナーシップの形成を進めています。
- NGO等の優れた政策提言を環境政策に反映することを目的にNGO環境政策提言フォーラムを開催しました。
- 一方、環境保全活動を目的とする民間活動を推進するため、国及び民間の拠出に基づく「地球環境基金」により、NGO等による環境保全活動に対する助成や人材の育成等に対する支援を行っています。このうち助成については、平成13年度は223団体、総額約7億9千万円の助成を行いました。
- 地域における環境保全活動を強力に推進するためには、環境カウンセラー制度の見直しや研修の拡充を含め、人材育成方策の大幅な拡充を検討していく必要があります。
- また、NPO/NGOとの連携を図りつつ、環境分野における多様な人材を育成し、環境保全活動への活用を進めるとともに、地方環境対策調査官事務所を活用した環境保全活動を検討する必要があります。
- 現在、中央環境審議会において環境保全活動の活性化方策を検討しており、法制度の整備や地域における環境保全活動を活性化させるためのNPO法人の税制優遇措置等その検討結果を踏まえた対応が必要となります。
【15年度の方向性】
環境教育や環境保全活動の活性化を進めるため、既存施策の積極的な推進を図るとともに、環境分野における多様な人材の育成・活用、NPO法人に対する支援の拡充、地方環境対策調査官事務所の活用等を図っていきます。 |
分野1:地球温暖化対策
分野2:循環型社会の形成に向けた廃棄物・リサイクル対策
分野3:環境ビジネス・環境研究技術の振興
分野4:自然生態系の保全・再生
分野5:化学物質等による環境リスクの管理
分野6:環境教育・環境保全活動の活性化
分野7:ヨハネスブルグサミットを踏まえた国際協力の展開
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