環境省
VOLUME.65
2018年7月号

世界で一番サンゴにやさしい村 沖縄県恩納村 恩納村長・長浜善巳

沖縄・恩納村は、村のシンボルでもあるサンゴをキーワードに
「自然環境にやさしい地域づくり」を目指すため、7月21日に「サンゴの村宣言」を行います。
この取り組みについて、村長の長浜善巳さんに話を聞きました。

行政・村民・事業者が一体となって
「サンゴにやさしい環境」を守る

長浜村長は「サンゴの村宣言」にあたってスキューバダイビングのライセンスを取得。6月3日には、自らの手でサンゴの植え付けを体験した

長浜村長は「サンゴの村宣言」にあたってスキューバダイビングのライセンスを取得。6月3日には、自らの手でサンゴの植え付けを体験した

「恩納村は、全域が沖縄海岸国定公園に指定され、沖縄を代表する観光リゾート地として賑わっています。村民一人ひとりが自然環境に対する意識の向上を図り、自らの生活様式や社会経済活動のあり方を見つめ直すことにより、官民一体となって“恩納ブランド”を確立したい…そんな思いを込めて『サンゴの村宣言』プロジェクトに取り組んでいます」

 長浜村長は、「サンゴの村宣言プロジェクト」の狙いについてこう語る。恩納村では、これまでも環境保全条例による土地利用のコントロール、大規模施設からの排水排出規制、赤土の流出防止対策など、海洋環境保全に取り組んできた。また海域では、恩納村漁協を中心にオニヒトデの駆除、サンゴの養殖・植え付けなどのサンゴ礁保全再生活動に取り組み、成果を上げている。さまざまな取り組みのうちでもユニークなものが「もずく基金」だ。恩納村、漁協、もずく加工業者、生協の4者が「恩納村コープサンゴの森連絡会」という組織をつくって設立したもので、対象商品の売上の一部が基金に積み立てられ、サンゴ礁再生事業に役立てられる。「全国の方々に、恩納村産もずくを食べるたびにサンゴのことを思い出してもらえたらと思っています」と、長浜村長。

今回の「宣言」は、こうした従来からの活動をさらに発展させ、行政・村民・事業者が一体となった「自然環境に優しい地域づくり」を目指すもの。村が策定した「サンゴのむらづくりに向けた行動計画」には、多様な取り組みが紹介されている。このうち、特に長浜村長が強調するのが「人づくり」だ。

「私たちが子どもの頃は“海が遊び場”でした。遊びを通じて海のいきものに関心を持ち、海の大切さを学んだんです。ところが、いまの子どもたちは海と親しむ機会が少ない。“家でゲーム”が当たり前です。サンゴをきっかけに身近な自然環境に関心を持ってもらい、地域づくりに主体的に取り組む人材を育てたいと考えています」

 最後に、サンゴのために私たちにもできることについて教えてもらった。

「例えば、キッチンの排水口は海へとつながっていると想像すれば、むやみに廃油を流したりできないでしょう。CO2を出さない暮らしは海水温上昇を抑えるので、サンゴの生息環境を守ることになります。このように、自分の暮らしとサンゴとのつながりをイメージすることが大切です。ぜひ多くの皆さんに、恩納村の美しい海、美しいサンゴ礁を体験していただきたいですね」

長浜村長は「サンゴの村宣言」にあたってスキューバダイビングのライセンスを取得。6月3日には、自らの手でサンゴの植え付けを体験した

長浜村長は「サンゴの村宣言」にあたってスキューバダイビングのライセンスを取得。6月3日には、自らの手でサンゴの植え付けを体験した

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恩納村 サンゴの村宣言

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