環境省
VOLUME.65
2018年7月号

知ってますか?サンゴのこと。

長い年月をかけてつくられたサンゴ礁。
多くのいきものが集まり「海の熱帯雨林」と呼ばれるほど豊かな世界をつくっています。
そんなサンゴ礁についてまずは知ってみましょう。

1.サンゴ礁の生態

岩か植物みたいだけれど本当は…

 一見すると動きの無いサンゴは植物と思われがちだが、実は動物だ。サンゴが卵を産むと、そこから誕生するのが幼生と呼ばれるサンゴの子ども。幼生はしばらく海を漂った後、岩などに体を固定して「ポリプ」と呼ばれる個体となり、その後分裂して増え、群体をつくって大きく成長していく。

 そのサンゴが死んで、長い時をかけて少しずつ骨格が積み重なってできる地形のことを、サンゴ礁と言う。サンゴ礁は美しい景観を作り出すだけではなく、防波堤の役割を果たして人々を災害から守ったり、多くのいきものが集まって豊かな漁場を作ったり、学習・研究対象や観光資源になるなど、私たちに多くの恵みをもたらしている。

ポリプ

サンゴには口や、食べたものを消化する胃腔があり、口周辺の触手がエサとなるプランクトンをつかまえて口に運び、食事をする。 ※サンゴの体の中で生きている、直径0.01mmほどの植物プランクトン

2.サンゴ礁といきもの

サンゴ礁は海のいきものの楽園

 サンゴ礁は海のいきものにとって隠れ家や産卵場所となり、世界の海のいきもののうち4分の1がサンゴ礁の周りで暮らしているとも言われている。その中の一部のいきものをイラストで見てみよう。

知ってますか?サンゴのこと。

3.サンゴ礁の分布

みんなでサンゴマップを作ろう!

 日本には琉球列島の海に約415種類、それより北の海には合わせて約200種類のサンゴが生息していると言われている。しかし、どこにどれくらい、どのような環境にサンゴがいるのかはまだ分からないことも多い。そこでスタートしたのが「サンゴマップ」プロジェクトだ。日本全国のダイバーや海を楽しんでいる人たちから投稿された、分布や白化、産卵といったサンゴの情報をまとめ、サンゴの状況を明らかにしようという取り組みだ。

※環境省・日本サンゴ礁学会編『日本のサンゴ礁』より

 サンゴマップの詳細はこちら

サンゴマップ

サンゴマップには、誰でも情報を投稿できる。生息場所だけではなくサンゴがいない場所、死んでいる場所の情報なども求められている

SPECIAL COMMENT

サンゴがどんな生き物なのか、まずは興味を持つことが大切。海まで行かなくてもサンゴを観察できる水族館もありますし、図鑑やネットで調べるのも楽しいですよ。好きになればなるほど、きっといろんな発見ができるはずでギョざいます!

さかなクン/国際サンゴ礁年2018アンバサダー

さかなクン/国際サンゴ礁年2018アンバサダー

イラスト/ナカオテッペイ

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