サンゴのことを
もっと知ってほしい!
まずはサンゴについて知ることが、サンゴへの興味につながります。
サンシャイン水族館では、多くの人がサンゴを知るきっかけをつくるために、展示だけでなく、さまざまなイベントを開催しています。
- ① サンゴが普段育てられている水槽について鶴橋さんが解説
- ② 水族館の水をきれいにしてくれる、大切な「ろ過装置」
- ③ 沖縄で行われるサンゴの移植の方法を教えてもらう
- ④ お魚の水槽を上から覗く子どもたち
- ⑤「サンゴ礁の海」の水槽に思わず目が釘付けに
- ⑥⑦ 最後はサンゴの骨格を虫眼鏡や、顕微鏡で覗いて観察
ふれあいがサンゴの海を守る意識につながる
失われつつあるサンゴ礁を、再生させたいー。その想いから、長年沖縄・恩納村の協力のもと、サンゴを飼育しているのが東京・池袋にあるサンシャイン水族館だ。2006年にオープンした「サンシャイン サンゴ礁」の水槽へ恩納村からサンゴを借りた事をきっかけに、今もサンゴを飼育し、恩納村の海に還し続けている。
この水族館を舞台にして、6月2日に開催されたのが「水族館でサンゴ観察」のイベントだ。海の環境NPO法人OWSが主催し、環境省の国際サンゴ礁年のオフィシャルサポーター企業であるオリンパス株式会社とサンシャイン水族館とが手を取り合い協力する形で、子どもたちにサンゴに興味を持ってもらおうと実施した。これに先立つ3月にも、水族館は隣接するサンシャインシティと連携して「サンゴフェスタ」を開催。カフェのテーブルやトイレの個室など、ふと目にする場所にサンゴの豆知識を表示したり、サンゴ砂を使ったサンドアートイベントを開くなど、サンゴと接してもらうための工夫を凝らし、小さな子どもも楽しめるようにクイズをつけたスタンプラリーは台紙を増刷するほどの人気に。「サンゴとのちょっとした経験が、サンゴを守ろうという意識につながるんです」と語るのは、サンゴ飼育員でありイベントを企画している鶴橋さん。
実はサンシャイン水族館のように海から離れた場所でサンゴを飼育するのは、とても難しい。サンゴが育つのに不可欠な海の環境を陸上で再現しなければならないからだ。「世界中の海でサンゴが減っている今、水族館でサンゴを飼育していれば、少なくとも種のDNAは保持されます。またサンゴの海に遠い場所でも、多くの人に興味を喚起できる水族館が果たす役割は大きいと感じています」
サンシャイン水族館では、次の世代に豊かなサンゴの海を引き継ぐために、サンゴを知るきっかけとなるイベントを今後も企画していく予定だ。
「水族館でサンゴ観察」を実施した3社は、サンゴ礁を守るため、さまざまな取り組みを行っています。
株式会社サンシャインエンタプライズ
サンシャイン水族館「サンゴプロジェクト」
http://www.sunshinecity.co.jp/campaign/cp/coral_project/
海の環境NPO法人OWS × オリンパス株式会社
「未来に残したい海」プロジェクト
https://www.ows-npo.org/olympus/
写真/栗原 諭