地球環境・国際環境協力

地球環境保全試験研究費(地球一括計上)

1.はじめに

 環境省では、地球環境保全を目的とした研究資金として、本ページで紹介する地球環境保全試験研究費(地球一括計上)のほか、環境研究総合推進費を実施しています。地球環境保全試験研究費は「国の行政機関の研究資金」、環境研究総合推進費は「産学官民連携の競争的研究資金」という位置付けであり、その目的やタイプ等が異なっています。環境省では、政策に貢献するこれらの研究開発を、以下の役割分担の下で実施しています。

地球環境保全試験研究費 項目 環境研究総合推進費
各府省庁の役割を踏まえ、関係行政機関が進めるべき研究を調整(配分計画の作成) 目的 我が国の研究資源を最大限に活用し、政府全体で取り組むべき研究を推進
中・長期的視点を踏まえ、計画的・着実に進めるべき研究 研究のタイプ 緊急性が高く、時宜に応じた高度な研究目標を有する研究
非競争的研究資金 制度の仕組み 競争的研究資金
国立研究開発法人含む官(関係行政機関の試験研究機関又は関係行政機関) 研究開発課題の実施主体 産学官民の研究者・研究機関又は環境省(戦略研究プロジェクトの場合)
単独機関又は少数機関(原則、単独府省) 機関数 主に複数機関、多数の研究者

環境研究総合推進費のホームページ

2.目的

 環境省設置法第4条第3号の規定に基づき、関係府省の試験研究機関が実施する地球環境の保全に関する試験研究費を「地球環境保全試験研究費(地球一括計上)」として環境省において一括して予算計上し、その配分を通じて国の環境保全に関する試験研究の総合調整を図ることを目的としています。

 気候変動及びその影響等を把握するための総合的な観測・監視体制の強化については、平成30年6月に成立した「気候変動適応法」第25条や、平成304月に閣議決定された「第五次環境基本計画」、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)に基づき令和3年10月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」や、平成30年11月に閣議決定された「気候変動適応計画」を始め、「GEO戦略計画2016-2025」(2015年11月地球観測に関する政府間会合(GEO)閣僚級会合)、「地球観測の推進戦略」(平成16年12月 総合科学技術会議意見具申)等でその重要性が示されています。

 さらに、令和2年1月に決定された「革新的環境イノベーション戦略」及び令和3年6月に策定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」は、2050年には温室効果ガスの削減効果の検証に貢献する科学的知見を充実させることを目標に掲げており、観測を含む研究のさらなる推進を目指している旨が記載されているほか、日本学術会議の提言である「第24期学術の大型研究計画に関するマスタープラン(マスタープラン2020)」でも、航空機及び衛星による地球観測がそれぞれ大型研究計画として選定されています。

 このように、気候変動分野における観測・監視を長期にわたり着実に実施することが求められていることから、関係行政機関(所管の研究機関を含む)が中・長期的な視点から、地球温暖化の原因物質や直接的な影響を的確に把握する包括的な観測・監視を主導的かつ着実に実施することにより、気候変動とその影響の予測・評価による行政課題の解決等に資する科学的知見を集積しています。

 今後は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第7次評価報告書、パリ協定第14条に基づき実施されるグローバル・ストックテイク(2023年以降、5年ごと)等にも貢献していくこととなります。

(参考)環境省設置法(平成11年法律第101号) 第4条第3号

 「地球環境保全、公害の防止並びに自然環境の保護及び整備(以下この号において「地球環境保全等」という。)に関する関係行政機関の経費の見積りの方針の調整並びに地球環境保全等に関する関係行政機関の試験研究機関の経費(大学及び大学共同利用機関の所掌に係るものを除く。)及び関係行政機関の試験研究委託費の配分計画に関すること。」

3.研究制度の概要

 地球環境保全分野のうち、各府省が中・長期的視点から計画的かつ着実に、関係研究機関において実施すべき研究(中・長期的な観測研究、条約に対応した科学的パラメータ算出のための研究等)を実施するものです。現在、気候変動分野に関する研究開発課題を実施しています。

 研究開発課題等の評価は、外部有識者で構成される地球環境保全試験研究費評価委員会で実施することとしています。

 研究開発課題の実施機関

 国立試験研究機関、国立研究開発法人及びこれに準じる機関 (研究の一部を必要に応じ、大学、民間試験研究機関等へ委託する場合を含む)。

 ※大学(大学共同利用機関を含む)が主となる研究開発課題は、対象となりません。

 研究期間

 概ね3年~5年

 経費

 一研究開発課題当たり、年間約2,000~3,000万円(例外あり)

 

4.現在実施中の研究開発課題

 令和5年度実施中の研究開発課題をご紹介しております。

5.研究開発課題一覧

 各年度ごとの研究開発課題及び実施状況をご紹介しております。

令和5年度研究開発課題一覧
[PDF100KB]
令和4年度研究開発課題一覧
[PDF48KB]
令和3年度研究開発課題一覧
[PDF49KB]
令和2年度研究開発課題一覧[PDF50KB]
令和元年度研究開発課題一覧[PDF50KB] 平成30年度研究開発課題一覧[PDF49KB]
平成29年度研究開発課題一覧[PDF147KB] 平成28年度研究開発課題一覧[PDF58KB]
平成27年度研究開発課題一覧[PDF57KB] 平成26年度研究開発課題一覧[PDF61KB]
平成25年度研究開発課題一覧[PDF59KB] 平成24年度研究開発課題一覧[PDF60KB]

 

 研究開発課題実施状況-[PDF270KB]

 

6.終了成果報告書

 地球環境保全試験研究費による研究開発課題の終了に当たって、研究期間全体の成果をまとめたものです。

 

7.評価結果

 

 「国の研究開発評価に関する大綱的指針(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)」等を踏まえ、研究開発課題等の評価結果を2017年度(平成29年度)より掲載しております。

事前・中間・事後評価

 

 外部学識経験者により構成される「地球環境保全試験研究費評価委員会」による評価を、提案書類又は報告書の審査による書面評価形式にて実施しています。一課題当たりの評価者は4名程度とし、評価委員は評価シートを用いて評価を行います。

 

 事前評価については、「総合評価」の評価委員の平均点を踏まえ、新規に採択する対象課題を選定しています。なお、夏の概算要求及び冬の概算要求額の財務省査定の段階で減額、研究内容の一部変更又は不採択になる場合があります。