ブルーカーボンに関する取組み

重要なお知らせ

New!!世界で初めて海草藻場・海藻藻場の吸収量を合わせて国連に報告しました(2024年4月12日)
       報道発表「2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量について

我が国インベントリにおける藻場(海草・海藻)の算定方法について」を公開しました(2024年2月28日)
・COP28での「国際連携によるブルーカーボンの推進」イベントの内容を公開しました(2023年12月26日)
我が国におけるブルーカーボン取組事例集を公開しました(2023年12月11日)

・環境省のブルーカーボンに関する取組みWEBページ公開しました(2023年11月10日)

1.ブルーカーボンとは

(1)ブルーカーボンとは
 沿岸・海洋生態系に取り込まれ、そのバイオマスやその下の土壌に蓄積される炭素のことを、ブルーカーボンと呼びます。2009年に公表された国連環境計画(UNEP)の報告書「Blue Carbon」において定義され、吸収源対策の新しい選択肢として世界的に注目が集まるようになりました。ブルーカーボンの主要な吸収源としては、藻場(海草・海藻)や干潟等の塩性湿地、マングローブ林があげられ、これらは「ブルーカーボン生態系」と呼ばれています。

(2)ブルーカーボン生態系の特徴
■海草(うみくさ)
 
 海中で花を咲かせ種子によって繁殖し、海中で一生を過ごすアマモなどの海産種子植物。比較的浅いところに多く、海底深くに生育することはない。アマモ、スガモ等。

■海藻(うみも)
 
海で生活する藻類。胞子によって繁殖する。海藻の根は栄養吸収のためではなく、岩に固着するためのもので、葉色によって緑藻・褐藻・紅藻の3種類に分けられる。コンブ、ワカメ等。

干潟
 
干潮時に干上がり、満潮時には海面下に没する潮間帯において砂質または砂泥質の浅場がひろがっている場所。河川や沿岸流によって運ばれてきた土砂が、海岸や河口部などに堆積し形成される。また干潟の陸に近い場所に発達する、ヨシ等が茂る湿地帯を塩性湿地と呼ぶ。

マングローブ林
 
熱帯や亜熱帯の河口付近など、河川水と海水が混じりあう汽水域に生息する樹木。国内では鹿児島県以南の海岸に分布。

(3)ブルーカーボン生態系が有する多面的価値
 ブルーカーボン生態系には、CO2吸収源としての機能以外にも様々な価値があります。たとえば、水質浄化機能や水産資源の活性化、教育及びレジャーの場の提供など、私たちの生活に多くの恩恵をもたらします。ブルーカーボン生態系の保全活動を推進することが、地球温暖化の防止のみならず、生物多様性に富んだ豊かな海を醸成し、ひいてはわたしたちの豊かな生活に繋がるのです。

2.環境省の取組み

(1)地球温暖化対策
 現在、わが国でも、2013年に作成されたIPCC湿地ガイドラインを踏まえつつ、ブルーカーボン生態系(マングローブ林、湿地・干潟、海草藻場・海藻藻場)の排出・吸収量の算定・計上に向けた検討を進めています。2023年4月に国連へ報告したインベントリでは、我が国として初めて、ブルーカーボン生態系の一つであるマングローブ林による吸収量2,300トンを計上しています。
ブルーカーボンの取組について
我が国インベントリにおける藻場(海草・海藻)の算定方法について

(2)生物多様性
 OECMに繋がる自然共生サイト制度を法制化し、2026年度までに500以上のネイチャーポジティブ活動を認定、ネイチャーポジティブ活動を促進するためのインセンティブ構築を目標としています。
環境省自然環境局HP
 
(3)水環境保全
 瀬戸内海をはじめとした閉鎖性海域を中心とした日本の沿岸域において、水質規制等の取組のみならず、生物多様性や生物生産性(豊かな漁業資源の確保)に資する藻場・干潟等の保全・再生・創出に向けた取組(里海づくり)を推進しています。特に令和4年度からは、「令和の里海づくり」モデル事業として、地域の取組を支援しています。
里海ネット
SATOUMI STORY 里海をめぐる物語
令和6年度「令和の里海づくり」モデル事業の実施団体の決定について

 

3.関係省庁の取組み

(1)国土交通省の取組み
 ブルーカーボン生態系の活用等によるCO2吸収源対策に取り組むことで、「カーボンフリーポート」の実現を目指しており、そこで、ブルーカーボンを吸収源として活用していくための具体的な検討を行うべく、令和元年度に「地球温暖化防止に貢献するブルーカーボンの役割に関する検討会」を設置しました。
国交省港湾局HP
 
(2)水産庁の取組み
 豊かな生態系を育み、水産資源にとっても重要な藻場・干潟を保全・創造するため、水産庁では地方公共団体や地域の活動組織の取組を支援しています。また、地域の活動組織等が主体となって藻場の保全・回復を計画・実行できるようにするため、磯焼けの対策手法等をまとめた「磯焼け対策ガイドライン」を策定しているほか、国や各地域における取組について情報共有等を図る「磯焼け対策全国協議会」を開催し、取組の強化を図っています。
支援事業①
支援事業②
磯焼け対策ガイドライン:ページ内中段
磯焼け対策全国協議会

4.その他の取組み

■我が国のブルーカーボン取組事例集
【注意】当該事例集は、第三者が著作権その他の権利を有しているスライドがございますので、商用利用等はお控えください。
・日本語 JP1/2, JP2/2
・英語 EN1/2, EN2/2

 

■COP28UAE「国際連携によるブルーカーボンの推進」イベント
【注意】当該資料は、第三者が著作権その他の権利を有しているスライドがございますので、商用利用等はお控えください
1.国際連携によるブルーカーボンの推進イベント概要
2.伊藤環境大臣ご挨拶(和文)(英文
3.ブルーカーボンの取組紹介

 ①日本製鉄の取組(小杉課長) 
 ②DCCEEWの取組(Chenae Neilson)
4.パネルディスカッション
 ①環境省 地球環境局 総務課 脱炭素社会移行推進室(伊藤室長)
 ②国土交通省 港湾局 
海洋・環境課 港湾環境政策室(青山室長)
 ③横浜市 温暖化対策統括本部 企画調整部(高橋部長)
 ④日本製鉄株式会社 技術開発本部 先端技術研究所(小杉課長)※同上 
 ⑤DCCEEW(Chenae Neilson)※同上
 ⑥IUCN(Joao Sousa)